浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

現代美術の現実

2011-08-28 10:29:29 | 日記・エッセイ・コラム

先日、岐阜新聞に「漂流続ける現代美術~ベネチア・ビエンナーレ報告」として寄稿された長澤知明先生の報告会に参加しました。

その時の長澤先生に宛てた感想を以下添付いたします。

 

『美術については全く素人の私でもいろいろ考えさせられ、現代美術の奥深さの一端を知ることができたとても興味あるお話でした。美術でも文学でも芸術は、作者の表現によるメッセージが重要だと思っていますが、欧米と日本の違いを知り、その違いからくる現代美術の見方も勉強させていただきました。<o:p></o:p>

 

 欧米の政治的メッセージを表現した作品の説明を聞きながら、やはり、今ヨーロッパに胎動し始めている保守的な政治動向に連動(反動?)しているのではないか言うのが最初の感想です。そうした社会性、むしろ政治性にヨーロッパの人たちが何か不安を感じていることに、欧米の現代美術の作者は敏感に感じ取っているということでしょう。いっぽうで日本の現代美術には、ご説明いただいた5つのタブー(天皇制、戦争、差別、宗教、原爆)があるとは思いもよりませんでした。果たして日本人は、それだけ平和であるということか、そうしたことに無関心なのか、政治的メッセージが嫌われるのか、それとも美の表現というものを重きにおいているのだろうか、ということを考えてしまいました。<o:p></o:p>

 

 正直を言って、現代美術が政治性を表現するものという認識もあまりありませんでしたので、今後の見方が大きく変わってくると思います。考えてみれば、『現代』というからにはその時代を反映する表現があってしかるべきです。学校で教えられてきた固定観念的な美術という考え方から、一歩大きく前進させていただきました。同質性の強い日本人にとって、異質なものをどう受け入れていくかが課題だと思っており、美術の世界でもそうした動向が興味あるところです。ひいては、いろいろな意味で私の属する世界でもある「政治の責任」ということも考えさせられた次第です。』

 


子ども議会から

2011-08-25 09:54:36 | 日記・エッセイ・コラム

先日、地元の方から、子どもが岐阜市の子ども議会に参加し、夏休みの研究課題のために議会のお話を聞かせてやってくださいとの依頼があり、2時間半にわたって小学校6年生の女の子と話す機会がありました。

そもそも政治とは何かということから始まり議会の仕組みや議員の仕事、また政治家にとって何が大切で議会の役割は何であるかなど、内容は極めて広範囲にかつ平易に説明したつもりです。

十分な時間ではなかったかもしれませんが、こうした話は、子供さんやその親御さんにとっても興味深く新鮮だったようです。

こうしてみると、政治についていかに関心を持ってもらうかが大きな課題のような気がしてなりません。次のブログでも書いてみようと思うのですが、教育においてどうしても政治的な議論を避けている傾向が、日本では強すぎるのではないかと思うのです。政治は一部の人のものではなく、全ての人がかかわる社会関係であるということを全ての人が真剣に考える時期が来ていると思います。

政治家の責任も確かに大きいことは言うまでもありませんが、ひいては全ての人々の責任に返ってくるということを忘れてはなりません。

以上


エネルギー政策の講演を聞いて

2011-08-24 08:31:27 | インポート

久々のブログ記事となります。記事にする材料は多々あったのですが、選挙以来、すべきことが多くそちらのほうに時間を取られ、ブログ記事にはついついご無沙汰しておりました。

原発問題についての議論は少し下火になってきたようですが、新エネルギー法案については近々成立するようです。先日、自民党のセミナーで、21世紀政策研究所研究主幹の澤昭裕氏の講演を聞きましたのでその感想を述べます。

私なりの切り口で論点整理すれば、ポイントは三点かと思います。

一点目は、エネルギー政策の歴史的背景をみるとともに、世界状況及び日本の外交戦略も考慮されなければならないということです。内向きの議論に終始しがちですが、グローバル社会における世界状況とともに日本の置かれた位置をしっかり認識されなければなりません。一例をあげれば、日本のエネルギー自給率は4%という世界でも類を見ないくらい低いことです。

二点目は、一点目を踏まえた中長期の供給責任を明確にしなければならないことです。電力会社悪玉論ではなく、今後のエネルギー供給をどのような戦略的指針を持って供給を図るのかが描かれなければなりません。単に自然エネルギーを20%にするといえども、残りのエネルギーはどうするのか明確に答えなければ、100%供給が維持できなくなるのは自明の理です。

三点目は、電力料金としてハネ返ってくるコストを考えることです。当然のことながら、エネルギー政策の変更となれば、経済原則にのっとった料金体系の変更が起きざるをえません。こうした、一つの政策変更によるリスク管理、また情報開示がしっかりとされなければならないということです。

(以上、あまりにも要約しているため何の事を言っているのかわからないといわれるでしょうが、お許しください。)

一国の総理が、脱原発、新エネルギー20%と国民受けすることは言っても、それに伴う政策変更は並大抵のことではなく、国益や計り知れない外交及び内政的リスク、そして国民負担が十分に周知徹底されていないということ(議論を経ていないことに原因があるのかも、またマスコミの責任か?)を実感するとても良いセミナーでした。

子供手当や高速道路無料化などのパフォーマンスと同様に裏付けのない政策をただ発信するだけの政党が民主党であると言えるのかもしれません。被災から5カ月がたち、被災地の人たちは、こうした民主党に愛想を尽かし、(自民党がよいというわけでもなさそうですが、)解散総選挙を望んでいる人たちが過半数を超えてきているという話も聞きます。

政治家の責任ということも考えさせられた一日でした。

以上