浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

浅野ゆうじの市議会報告④

2020-10-23 08:01:03 | 国際・政治
令和2年9月議会の私の議会質問です。

R元年決算及び財政に関連して
・ 公会計の統一基準財務諸表について 人件費を含む純行政コストの増について指摘しました。増額の要因は、主に消防業務による広域派遣職員の身分統一による人件費の増です。しかし、それ以上に純資産が減少しているために、実質的な行政コストは増えていると推測され、単純な行政コストのみならず、純資産の増減も注視しなければならないことが、決算の評価になります。
・ コロナ対策に補正予算について 利用料金制度導入施設の指定管理者に対して、新型コロナウィルスは不可抗力として、また公益性の高い公共事業者に対し、収支の影響額を減収分補助するという補正予算について質問しました。公共性を鑑みても民間であることから単純に減収分を補てんするのか、またその他コロナ対策補助金を受け取っていた場合どのように調整されるのか、さらに国の臨時交付金によってこうした支援は補てんされるのか、という質問になりました。こうしたコロナ対策の支援金は一時的なものであるとはいえ、財政規律の上で、安易な支出は避けるべきであって、市の財政への影響も考えなければなりません。国の交付金も交付枠が先行しているようなところがあり、支援ありきで進んでしまうことを指摘しました。
・ 特別会計と外郭団体の余剰資金について 11の特別会計で16億円の繰越金、市の出資50%以上の外郭団体で約11億円の正味財産残高となっており、一般の財源として有効活用すべきではないか、という質問です。ある程度一定の金額は繰り出し金として一般財源へと移されます。しかし、どうしても余裕を見ざるを得ないというのが実態のようです。決して少なくない金額であり課題であるといえます。

令和元年度包括外部監査
 本監査の中学校の義務教育に絞って事業監査をした結果報告に対して質問しました。監査結果は、12件の指摘と56件の意見が報告されています。その中で以下の問題について考え方を尋ねました。
①監査の着眼点に対する影響 ②学校評価の公表について ③スクールロイヤーの効果について ④スクール・サポートスタッフの今後の対応について ⑤小児生活習慣病対策について ⑥事業の廃止の検討についての以上6点です。それぞれ事業の効果について十分に検証されていないのではないという懸念と事業効果のさらなる影響、また先生の働き方改革や子供たちへの負担を考え、見直しが必要と思われる点を指摘しました。

岐阜市学校施設長寿命化計画について
 将来的に厳しい財政状況が続くと思われる中で、学校施設の建て替えをはじめとする物理的サービスの維持が大きな課題となっています。そのため、施設寿命を60年から80年にする大規模改修によって、とりあえず直近の施設財政需要を平均化し負担を抑えようとする計画です。結果、毎年53億円の財政投入が提示されていますが、机上の計算になりかねないこの計画に懸念を示したところです。こうした長期計画は往々にしてその時の財政需要によって変更されることになり、どの程度担保できるかが問題になります。これらの視点から、以下7点について質問しました。 ①地域説明会について ②校舎区分の内訳について ③コストについて30年を超える長期的な視点も加味すべきではないか ④回収コストの計算根拠について ⑤令和2年から直近の5年間の整備について ⑥高等学校のマネジメントに関する基本方針について ⑦長寿命化計画と学校プールとの関連について 財政的な担保についてはしっかりとした答えを得ることができませんでした。

社会福祉連携推進法人
本年6月の通常国会において改正福祉法の成立で、この法人の創設が法制化されました。社会福祉法人が緩やかな連携によって、様々な課題を解決する中間的な法人の設立を認めるものです。その結果住民サービスの質的向上にもつながることになります。福祉人材不足の対応、災害対応にかかわる体制の整備、経営に関する総合的な支援など、連携によるスケールメリットを生かし、社会福祉法人への支援が連携推進業務となります。行政のかかわり期待するところです。

以上

浅野ゆうじの市議会報告③

2020-10-21 09:46:37 | 国際・政治
改めて「議会の権限」とは?

 冒頭の学校プールの予算議案の修正から、議会の権限という視点を再考してみたいと思います。
 予算の提出議案に対して、議会が否決なり修正を行うことはめったにないことであります。通常の議決では、全体の予算が過半数以上をもって通過します。それは予算の運営において首長が持つ予算執行及び編成権が優先されるのであり、議会そのものには予算を提案する権限は付与されていません。
 予算に関して詳しく言えば、地方自治法第九十六条には、議会の議決事件として「予算を定めること、決算を認定すること」とあり、同第百四十九条では、首長の担当事務として「予算を調製し、及びこれを執行すること」となっています。つまり簡単に言えば首長(市長)が予算を提案し、議会はその是非を審議することになるわけで、議決権の付与が職務となっているわけです。
 二元代表制の地方議会では、議員は法律を作る立場だから議会提案をすべきだという声をよく聞きますが、予算が伴う議案の提案は不可能であり、提案された議案の議決権を行使するしかないということです。ただし、議決権の行使という大きな権限であるがゆえに、安易な権限行使は避けなければならないですし、また安易な提案も避けるべきということになります。ゆえに議会では、提出議案に対して、本会議質問、委員会の質疑と討論、会派での審査などを通して、慎重に審査されます。
 今議会では、議員提案による「岐阜市議会基本条例」が決議されました。私も条文づくりには少し携わってきましたが、改めて議会の役割をしっかり位置づけようとする条例です。数年にわたり、議論されました条例で、ようやく議会の総意として全会派一致での成立となりました。とにかく市民の負託を受けた議員として、議論を通して説明責任を果たし、声を届ける役割を明示したことになります。ぜひ機会があれば、ご覧いただきますことお願いいたします。

浅野ゆうじの市議会報告②

2020-10-19 13:39:52 | 国際・政治
「岐阜市議会文教委員会の争点・論点」です。

<長良小プールの補正予算の何が問題で、なぜ修正をしなければならなかったのか> 
 この問題は、学校プールの在り方が提出されたことにより、長良小学校の問題であると同時に、岐阜市全体の学校プールの改修及び水泳授業にかかわる問題としてとらえなければならなくなりました。議員にとっては、議会初日の補正予算議案の提出によってはじめて知るものも多く、あまりの唐突感であったといえます。今年3月に建設予算を通し、そして9月に建設中止を知らせる、またその前にも地元説明化をしているなどの状況を考えると、議論の場である議会において、あまりにも拙速な議論になってしまうことが懸念されました。こうしたことに教育委員会は陳謝しましたが、議場でも委員会でも質問に対する回答は十分といえず、また議員側にもそれぞれの思いがあったりする状況の中で、早急な結論には至らないだろうという慎重な判断もありました。そこで、一度振出しに戻る形で議案の修正を提案したわけです。ただし、この修正が、直ちに従来の建設の方向ということではなく、あくまで議論をする上でという付帯決議付きの修正議案となりました。改めて、何が問題であったのか、絞ってまとめてみました。
●まず、不調の原因追及が十分になされていないことです。答弁では価格に乖離があったとだけでした。基本設計・実施設計までした計画においては適正価格が想定されているはずです。価格乖離の原因は何か、今後の対応も考え、詳細な不調の原因を明らかにすべきです。
●民間委託の詳細が明らかになっていません。答弁では、先生方の負担が減る、専門的な水泳指導が行われる、建設費及び維持費の削減となるなどのメリットばかりが強調されました。一方で委託費はどうなるの、移動を含めた時間配分をどうするのか、などのデメリットはないかなどに対する答えはありませんでした。やはり具体的に詰めなければなりません。
●先に述べましたように学校プールの在り方には、全体の方針がかかわってきます。各学校の老朽化度に合わせてどのような水泳授業を組んでいくのか、民間のプールでいいのか、近隣学校と共同で使うのか、それぞれの学校の方針を詳細に詰めていくことが必要です。
その他の問題もあり、議論が深まっているとは言えません。少しでも早く議論を進めるべきです。
<岐阜市いじめ防止対策推進条例(改正)制定について>
昨年の7月に中学生の自死という痛ましい事件から、原因の究明から様々な検討もしくは対応が取られてきました。そのような中で、かつてない多くのパブリックコメント(私も13項目の意見提出)が寄せられ、実質的な予防を目指した条例になったことを期待します。



浅野ゆうじの市議会報告①

2020-10-16 08:38:01 | 社会・経済
浅野裕司が発行する緑風通信の内容です。

「学校プール予算議案の修正」
令和2年9月議会において、長良小学校プール建設中止の減額及び長良公民館の建設のための実施設計の予算が提出されました。これは今年3月議会において、プールと長良館の二階建ての建設予算を議決していましたが、5月の入札が不調(入札されなかった)に終わり、教育委員会のプール建設を中止し、水泳授業は民間委託するという方針変更によって、議案が提出されたことによります。と同時に当局は、学校プール全体の在り方の方針も提出しました。しかし、わが会派自民岐阜は、「すでに入札業に移行し、不調の契機から、民間プールの在り方について、十分な議論が尽くされたとは言い難い。」として、補正予算の修正を提出した結果、議会の全会一致をもって、修正されました。議論は継続されることになります。

「岐阜市令和元年度の決算状況(概要)」
歳入面においては、市税収入や交付税の税収増となりましたが、収支でみれば扶助費の増や新市庁舎建設の進捗により、実質収支は前年比23億円ほどの悪化になっています。新市庁舎の建設により市債の発行は前年比50億円ほどの増加、普通債の年度末残高は700億円となり、久しぶりの増加という結果になりました。
全体を見る財政指標は、財政力指数が若干の増加で余裕の傾向がみられますが、社会保障関係経費が増加し、経常収支比率が上昇、財政の硬直化傾向が続いています。基金残高は288億円で46億円の減です。