内橋克人著の「共生経済が始まる」(朝日文庫)を読み、「経済」とは何かを改めて考えさせられました。また、それにかかわる政治の役割をしっかりと考えなければならないことは言うまでもありません。
私たちは自らの経験、特に成功体験に裏付けされた考え方から抜けきれませんが、この20年の経済の停滞が何を意味するのかを振り返る必要があると思うのです。バブルまでの成長体験が、いまだに抜けきらず、過去の手法で経済成長を前提にすべての物事が決められていくという結果を問うべきです。特にITバブルが果たして厚生(幸福)としての経済成長であったかどうかでしょう。
最近の企業景況を見ても、一部の大手企業は増収増益を記録しています。もちろん彼らの努力は称賛されるべきでしょうが、一方で犠牲になっている雇用や下請け企業の努力があることも忘れてはなりません。そこにある格差を政治はしっかりと見ていかなければならないと思うのです。
以上