浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

「世界インフレの謎」渡辺勉著 講談社現代新書を読む

2023-04-05 06:51:26 | 社会・経済
 これだけ世界の中で日本だけ取り残された状況にあることを考えればやはり異常な状態ではないかと思われます。
 しかし、これを危機であるかどうかを考えていくうえで、日本の状況の特殊性が、一人一人の生活を平等に守ってきたという一面もあるのでしょう。これだけの債務を抱えながら、最終の行き先がどのようになるかという不安はあるにしろ、将来予測を見据えた政治の力も試されるのではと思うところです。
 横並びの空気感が強い日本の社会にあって、ミクロ経済的には、示されているように「賃金解凍スパイラル」の動きが、日本をどのように安定させていくのか、興味あるところす。

「日本の自殺」佐伯啓思 文芸春秋

2023-01-17 07:05:27 | 社会・経済
国の政治であろうと地方政治であろうと、政治家のリーダーシップを考える時ではないかと思います。
表題の寄稿文は、今ある危機感と同時にじわじわと私たちの社会を蝕んでいく問題を提起しているような気がしてなりません。
文中の「(ローマ帝国の衰退)社会は砂粒のようなバラバラな個人の集まりとなって確かな秩序を持たなくなる。つまり、外的ではなく内からの崩壊によって衰退していく。」とあるように、大衆主義社会の進展を食い止めるのは政治しかないのです。
バラマキのような政策はそうしたバラバラな個人の集まりの社会を加速させることになりはしないか、ポストコロナの社会に警鐘を流すべきではないかと思います。

「日本人が知らないアジア人の本質」麻生川静男著

2023-01-06 07:15:23 | 社会・経済
昨今多様性が政策の中に取り入れられ、ワークダイバーシティが働き方改革の中で語られることが多くなりました。
ただ、直接結びつくことではないかもしれませんが、表題のような本を読むと、多様性の難しさを感じずにはいられません。
だからと言って否定するのではなく、こうした本質的な違いを念頭に、お互いの理解を前提に進んでいくしかないのかも。



浅野ゆうじの市議会報告①

2020-10-16 08:38:01 | 社会・経済
浅野裕司が発行する緑風通信の内容です。

「学校プール予算議案の修正」
令和2年9月議会において、長良小学校プール建設中止の減額及び長良公民館の建設のための実施設計の予算が提出されました。これは今年3月議会において、プールと長良館の二階建ての建設予算を議決していましたが、5月の入札が不調(入札されなかった)に終わり、教育委員会のプール建設を中止し、水泳授業は民間委託するという方針変更によって、議案が提出されたことによります。と同時に当局は、学校プール全体の在り方の方針も提出しました。しかし、わが会派自民岐阜は、「すでに入札業に移行し、不調の契機から、民間プールの在り方について、十分な議論が尽くされたとは言い難い。」として、補正予算の修正を提出した結果、議会の全会一致をもって、修正されました。議論は継続されることになります。

「岐阜市令和元年度の決算状況(概要)」
歳入面においては、市税収入や交付税の税収増となりましたが、収支でみれば扶助費の増や新市庁舎建設の進捗により、実質収支は前年比23億円ほどの悪化になっています。新市庁舎の建設により市債の発行は前年比50億円ほどの増加、普通債の年度末残高は700億円となり、久しぶりの増加という結果になりました。
全体を見る財政指標は、財政力指数が若干の増加で余裕の傾向がみられますが、社会保障関係経費が増加し、経常収支比率が上昇、財政の硬直化傾向が続いています。基金残高は288億円で46億円の減です。


均質的な日本人

2020-08-28 08:22:26 | 社会・経済
昨日のBSNHKでどのような番組か確認していないが、保護主義化する世界の話の中で、海外の学者が、日本人の均質性を取り上げていた。
秩序正しい日本人は、対立を生むことが少なく、対立が生まれにくいため変化が生まれない、というような発言だったと思う。
確かに議論を好まないような体質があるとすれば、変化と発展はあまり生まれない。
しかし、それが必ずしも良くないということではない。歴史を振り返れば、大きな変化をしてきたことは間違いないし、前にも少し述べたように、漸進的な変化が絶えずあればそれがベストではないかと思う。
ただし、外的な要因があれば大きな変化があるといわざるを得ない。
番組でも、グローバリゼーションから協調的な保護主義の流れを期待するような発言もあったかのように思われるが、外的な大きな変化の前に、日本も積極的にかかわっていくことが望まれる。