浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

政治哲学が見えない

2011-02-26 21:41:22 | 国際・政治

マイケル・サンデル教授の政治哲学が、今人気なのは皆さんご存じだと思います。その授業の特徴的な授業手法もさることながら、混迷する政治を改めて考える政治哲学の必要性に、多くの方が飢えているのではないでしょうか。

政策云々以前に、その政策の背景にある政治哲学が見えてこなければならないのです。

子ども手当や減税10%などの一律を前提にした政策は、一見すれば市民救済的な政策のように見えますが、必ずしも全体をとらえた弾力のある弱者への政策とは言えません。政治権力と市民の対立軸を中心とした受け狙いの政策といわれても仕方がありません。

真の弱者救済とは何であるか、私益を捨てて、考えて見たいと思っています。

以上


政治的リスク

2011-02-24 15:26:31 | 国際・政治

政治的混乱が続いているが、来年度の予算審議に向けて、仮に予算成立が困難な場合、どのようなリスクが発生するかが心配でなりません。

戦前においては、予算不成立の状況がよくあったようですが、これだけ管理されている現代において、予算不成立となれば、与える影響は多大なものではないかと予想されます。また、地方財政においてゆとりなない状況の中で、大混乱は必至ではないでしょうか。

地方統一選挙に向けて選挙モードが高まる一方で、そのような政治的リスクが高くなっているような事態が気になって仕方ありません。

また、選挙活動の中で、政治不信を通り越して、政治に対する、また選挙に対する嫌悪感のようなものも感じられるようになっています。

混乱、対立、秩序崩壊、人間不信など、目に見えない、数字に表れない、ダメージが徐々に深まっていくことを感じるのは私だけではないと思うのですが。

以上


民主党16人の反乱に思う

2011-02-18 09:26:57 | 国際・政治

岐阜市出身の議員がいるだけに、興味のある問題です。

「政党とは何ぞや。」「政治家とは何ぞや。」、そして「政党に属する議員とは何ぞや。」という政治そのものへの姿勢が問われる問題ではないかと思います。

政治及び政治家の心構えとして、マックス・ウェバーの「職業としての政治」を読むとき、この16人の皆さんはどういう感想をお持ちでしょうか。

また、民主的政治といった名前の「主観的主張」の横行が、どれだけの秩序を破壊するか、政治家の責任が問われています。

以上


議員の覚悟

2011-02-12 09:25:00 | 国際・政治

名古屋市長選は、河村市長の圧勝でした。 減税10%や議員報酬の半減という明快なキャッチフレーズによる市民の賛同を得た結果といわれますが、市民はとにかく現状の停滞を変えたいという思いが強かったのではないかと考えます。

「現状の変革」の根本は、大きく国の政策に依存するはずですが、そうした声は名古屋の大都市部であるがゆえに、市民の中の期待が大きく膨らんだ結果でもあるのでしょう。

しかし、一方で、こうした首長の主張を承認したとする首長の権限拡大は、地方議会の二元代表制を理解していないと、独裁的な地方政治の運営に陥ってしまうリスクは避けられません。大衆迎合的な選挙であるとすれば、今後も、大きな混乱が予想されます。

名古屋市議会の民主党議員は、今回の選挙で民意が反映されたとして、河村市長の政策に賛成し、自らの選挙を行うという判断をしました。

果たしてそれでよいのでしょうか。確かに票数という数の原則から言えば、河村市長の政策を市民が選んだという結果ですが、それでは議員の皆さんは何を今まで主張してきたのでしょうか。現在の議会制度の在り方、議会の権能、議会制民主主義とは何かなどの本筋を主張してきたのではなかったのではないでしょうか。そうであればその主張を持って選挙に向かうべきだと思います。大衆迎合であってはならないところははっきりすべきで、信念を変えるようなことがあってはならないと思います。

議員であり続けなければ河村体制を阻止できないという主張もあるのでしょうが、一面では議員の保身としかとられない危険も十分にあります。

多様な意見を公平に判断していく良識のある議会の形成を目指して、自省も含め、改めて覚悟をしている今日この頃です。

以上