そばを打つときのつなぎの配分は、二八というのをよく聞く。
粉をつなぐ役割はともかく、味にも影響があるはずである。
田舎そばの十割で打ったそばは、なんかモソモソする感じがしたりすることもある。
逆に、つなぎが多いと、そばらしくない歯切れの悪い結果にもなりかねない。
(私も、そば打ちを習ったが、「ビニールそば」と揶揄されるような結果になってしまったことが多かった)
「そばは小麦粉が入った方が味がいい」とも聞く。
穀物にはそれぞれの持つ旨味があり、確かに、パンなどを食べても小麦の旨味を感じることはある。
ただし、そばのおいしさとは、粉の良し悪し、挽き方、そばの出来、つゆの味などが相まって決まるものだと思う。
いやはや、そば打ちとは奥の深いことである。
信濃鉄道・中軽井沢駅前にある「かぎもとや」さんのざるそばとけんちん汁。
私の知る限り、お店も、平べったい素朴さを感じるここのそばも、何十年と変わっていなくみえる。
味やスタイルを守り、客を引き付け続けてていることには敬意を表する。
いま、そば打ち担当は代替わりしているだろうと想像しているが、押し寄せる観光客にも迎合することはないようだ。