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深夜2時。台所の出窓から白い影が床に方形の影を落としていました。
厳しい寒さに身震いしながら窓を開けてみると、凍てつく冬の夜空に満月が煌々と輝いています。
息をのんで見惚れてしまった神秘な光でした。
今までに描いた風景画をみると、きまってひと気のない自然の姿ばかりだったように思います。
自然はあこがれの対象であり、風景の中に生活感を持ち込みたくない気持ちがあって
それは少しも意識せぬまま現れているのを人から指摘されて始めて気づいたのでした。
静かな大自然の中にとけこんだとき
必ず~何か文字で表すとしたら、畏敬、感謝、そして祈りの心が湧くのを抑えることができません。
「自然」に対する畏敬の念、その中で生きれる感謝と、ひとりでに生じてくる謙虚な祈り
今年初詣とお墓参りでは神仏に祈りと感謝の念を捧げたのですが
心からの信心があるわけでなく、凡人の形ばかりの行事だと自戒しないわけにゆかず
それに比べて目の前に厳然と展ける自然の姿は容赦なく私の心を捉えてきます。
恐れを知らぬ若いころは、自然を友達のように身近に感じていました。
今は…どうでしょう
ぴしりと頬を叩かれてそのあと優しく包みこまれるような充足感、
と言ったらきっと年だね、と笑われそう・・・
夜空に凍りつく月を眺めるうち、そのようなことが頭の中を一瞬に駆け巡りました。