「春の雪」6号痲紙岩彩・加工
何度目かの「今季最強の寒波」が近付いてきました。
二月きさらぎと聞けば何んとなく春の匂いが漂うような柔らかな感じとともに
厳寒の季節に立ち向かう怖れが入り混じって、血圧は頻繁に上がったり下がったり。
家々のおろした屋根雪は固まって、どの道も石積み階段状。
ニ階の窓から出入りして恐る恐る雪道を登校したこと
折れ曲がってしまう履き古しの長靴では
どんな注意も甲斐なくつるつる滑って転んで雪まみれ。
雪の運動場を裸足で行進させられた戦中時代があり
人海戦術で雪将軍に立ち向かい、子供たちの通る道を確保した戦後もあり
そして、あの
粉雪の舞い狂う夜空や窓辺に貼りつく雪片を眺め、ただ
心を震わせて美しくも哀しく感じとっていた時代がありました。
雪にまつわる思い出は限りもなく湧いてきます。
粉雪の舞う窓際で、痺れるような情感に浸ったのはそう遠くもないのに
今は遥か昔としのびつつ穏やかな凪の世界に無心でいられる自分を発見すると
これはいい老後を歩いているのかなぁ~なんて自覚してしまいます(#^.^#)