日々何気に見ている花の中でも
不思議な物がたくさんあります。
例えばこの万作
リボン状の花弁の縮れ方がとてもユニークで
この橙色の花が
どうしても美味しそうな物に見えてしまう私ですが
夕方西日がさすこの辺りから眺めると
何とも神秘的で絵にしたくなります。
この花を宮脇綾子さんだったらどう表現するだろう?
今、東京ステーションギャラリーで開催されている
生誕120年「宮脇綾子の芸術展」を観てから
私もだいぶ感化されました。
NHK、2月23日の日曜美術でも放映されていましたね。
お顔は知りませんでしたがあのアップリケはどこかで見た覚えがあります。
宮脇綾子(1905-1995)さんは明治に生まれ、戦争の時代
妻として母として家族を支え40歳で創作活動を始めたアップリケ作家
モチーフは果実や野菜、花や魚など、暮らしの中で目にするものばかり
それらを徹底的に観察し、時には割って断面をさらし
分解して構造を確かめるなどから制作がはじまり
収集した膨大な布の中からふさわしい1枚を選び出し写実的にコラージュしているのです。
その繊細な色彩や素材感がたまらなく魅力的で
ちょっと普通には思いつかない発想に驚くばかり!
特に素材で云うとコーヒーのフィルターや石油ストーブの芯
タオルもあればモダンなレースなど
また布模様の活かし方も巧でした。
いままで布によるアート作品は多数見てきましたが
この方の作品からは制作をを心から楽しんでいる雰囲気も伝わり
どれをとってもほっこりした安らぎを感じます。
訳150点の作品、間近でじっくり見ることができました。
。。。。。
展示のキャプションの中に
作る前によくものを見ること
よく見ることによって私たちが漠然と見ていることに気が付きます。
思いがけないことを発見したり驚いたりそれが知ることなのです
という宮脇さんのお言葉が紹介されていましたが
日本画を制作している私にも共通する心得ですね。
深い観察力しっかり身に着けよう!
。。。。。
ところで、日本画を始める前の私の趣味はパッチワークでした。
でも絵を描くことが好きで
こんな絵キルトを自分であみ出し始めたころ
東京国際キルトフェスティバル(東京ドーム)で額絵という部門ができました。
その年からは6回額絵を出品していました。
2013年の「ドイツ思い出の風景」50×50
メルヘンチックな中世の街並みローテンブルクと
現代的なミュンヘンのストリートミュージシャンを一つに収めた風景が
モチ―フです。
布の柄を活かし絵にしていく点では山脇さんと共通しているのかもしれませんが
手法は全然違います。
私のは布を貼り付けたトップ+キルト芯+裏布を重ね
フリーモーションというミシンステッチでアップリケしていくやり方です。
窓辺の花や空を飛ぶ鳩など細かい布片をピンセットで貼り付けたり
今思うとこんなチマチマした細かな作業よくやれたな~と思うのですが
若かったんですね。
これはこれで良い経験になったと思います。
近頃は布と触れ合うことが殆どなくなりましたが
布絵のあこがれは今も消えていません。
また、時間を作って宮脇風アップリケの真似事してみたくなりました。