読売新聞 連載①日航、全日空冷ややか 5/21

2008年05月21日 | 「安全な空」整備街構想
茨城空港2010年春開港

「羽田より儲かるなら飛ばしますよ」

就航対策で飛び回る県空港対策課の職員に対し、国内大手航空会社の反応は冷ややかだ。就航を表明した航空会社はゼロ。水戸市内で3月21日に開かれた「茨城空港利用促進懇話会」の席上、委員として招かれた日本航空と全目空の両幹部はまったく口を開かなかった。

霞ケ滴の北側に位置する航空自衛隊百里基地(小美玉市)。周辺には雑木林や田畑
が広がる。ここに、2010年3月、北関東初の空の玄関口となる茨城空港が開港する。民間共用化に向けた工事は急ピッチで進み、自衛隊機が離着陸する2700㍍の滑
走路の横には、平行する新滑走路が徐々に姿を現している。         ・

苦戦の理由には、同時期に進められている羽田、成田両空港の建設工事が大きく関係している。海上に浮かぶ要塞のような重機が「ズン」「ガギン」と重低音を響かせ、視界には高層ビル群の真上を飛ぶジャンボ機が入ってきた。茨城空港予定地から南西に約90㌔離れた東京・羽田空港沖…。人工島を造成して整備する4本目の新滑走路「D滑走路」の建設が進む。運用開始は、茨城空港の開港と同じ10年の秋になる見通しだ。

羽田、成田両空港は、滑走路の新設、延伸により、10年中に現行の発着粋が年間約13万回増える。羽田だけでも約11万回。満杯だった国内最大空港の発着枠拡大は航空市場の拡大に直結し、各航空会社は水面下の争いを続けている。羽田への乗り入れを最優先する航空会社の視界に茨城空港は入ってこない。

<発着枠増、羽田乗り入れ優先>

国土交通省は1999年度、大阪などの国内4路線を想定して茨城空港の需要予測を年間約81万人とはじき出したが、2005年度には、ターミナル建設計画をまとめるにあたり、約70万人という新たな試算もしている。国交省は「算出目的が違い、どちら
の数字も有効」とするが、下方修正とも受け取れる。
 
地方空港を取り巻く状況は厳しい。日本航空と全日空は07年度に計16路線を廃止したが、いずれも羽田と結ばない地方路線だった。

「国内線は本当に飛ぶのか」
「このままでは機運が高まらない」。
与党県議らからは、いらだちに近い声が漏れる。

求められるのは、ほかの空港との差別化。ある経済誌の昨年4月号に世界の航空
会社を大々的に取り上げた特集記事が掲載された。県空港対策課の担当者らの目に、一つの単語が飛び込んできた。

「格安航空」だった。


『KURENAI プロジェクト』の3安

『KURENAIプロジェクト』ブログは、「百里シンポジウム」での過程、「整備街・牧場・公園」の構想、有志の動きを随時掲載し、『IBARAKI』といえば「安全な空・安心な食・安らかな体」という3つの安を日本全国、アジア、世界に発信します。  この動きがまちを考える人達に勇気を与え、それぞれが動く事で発展していくことを希望します。