読売新聞 連載②格安誘致へ転換 5/22

2008年05月22日 | 「安全な空」整備街構想
巨大な倉庫の中を乗客たちが歩き回る」・・。3月24日。県企画部の清瀬和彦部長(当時は次長)と空港対策課の薮中売一課長は、マレーシア・クアラルンプール国際空港にある格安航空専用ターミナルにいた。質素な造りのターミナルは、2人の目に体育館や巨大な倉庫のように映った。
 
午前10時発のシンガポール行き「エア・アジア123便」に乗り込むと、驚きはまた広がった。条件付きで1000円から2000円程度という航空運賃もさることながら、
機内は自由席。席を目がけてなだれ込む乗客の姿に、バスや宅車に乗っているような錯覚を覚えた。

県はこの1年間、格安航空の研究を重ねてきた。
 
格安航空は、機内食などのサービスを極力抑えるなどして、低運賃を実現している航空会社。ヨーロッパなどでは、都心からおよそ100㌔圏内に格安航空が多く乗り入れる専用の二次空港も存在する。
 
日本でも昨年、オーストラリアの格安航空「ジェットスター」が関西国際空港と中部国際空港に昇り入れた。航空運賃の自由化など規制緩和の流れの中、日本に参入する格安航空はさらに増え、需要は高まると予想されている。
 
県は昨秋、設計見直しに向け、かじを切った。まずターミナルの構造を、出発、到着の手続きをすべて-階部分で行うシンプルな造りに変更。
国際空港などでは-回の使用空港設計見直し運航経費削減料が-万円以上かかるボーデイングブリッジを設けず、タラップを使って航空機への乗り降りを行う。航空機が自走でUターンして出発できる駐機場のスペースも確保する。
 
「3点セット」。県空港対策課の担当者らがそう呼ぶ設計変更は、急成長する格安航空を呼び込む工夫だ。3点とも、人件費や燃料費の削減などにつながる。斎田陽介空港対策監は「都心からも近く、日本で唯一格安航空が求める条件をそろえている空港になる」と誘致に自信をのぞかせる。
 
羽田、成田両空港の発着粋が拡大しても、数年で国際線は満杯になる、という国の試算もある。国内線の視点では、一地方空港に過ぎないが、韓国などアジアの航空会社は、首都圏の空港として関心を示している。
 
3月の「茨城空港利用促進懇話会」では、出席者から期待の声が上がった。「格安航空向けの先進的空港になるべきだ」「海外便を呼び込めば、国内便の新たな需要も生まれる」     .
 
ただ、海外の格安航空は日本名地の空港への乗り入れを検討し、協議を始めている空港も出てきている。誘致競争は決して甘くない。

『KURENAI プロジェクト』の3安

『KURENAIプロジェクト』ブログは、「百里シンポジウム」での過程、「整備街・牧場・公園」の構想、有志の動きを随時掲載し、『IBARAKI』といえば「安全な空・安心な食・安らかな体」という3つの安を日本全国、アジア、世界に発信します。  この動きがまちを考える人達に勇気を与え、それぞれが動く事で発展していくことを希望します。