「ぬ」に入りますが、思いつく作品は「ヌードの夜」シリーズだけでした。
「ヌードの夜」 1993年 日本
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監督 石井隆
出演 竹中直人 余貴美子 根津甚八
椎名桔平 清水美子 岩松了
小林宏史 田口トモロヲ
室田日出男
ストーリー
広瀬(小林宏史)にプロポーズされた名美(余貴美子)は、ホストクラブの支配人行方(根津甚八)との腐れ縁を立ち切るためにある計画を思いついた。
まず、身元を偽って、“代行屋”紅次郎(竹中直人)を訪ね、都内の高級ホテルに帰った後、行方を部屋に招き入れて殺害する計画だった。
しかし、隠していたナイフを行方に見つけられてしまい、さんざん殴られ、犯されることになってしまった。
殺意が頂点に達した名美は、彼をシャワー室で刺し殺しす。
何も知らない次郎は、次の日、ホテルに行き、行方の死体を見つけた。
旅行バッグに死体を入れ、いったんは事務所まで運び込んだものの、翌日には、名美の勤務先をつきとめ、バッグごと死体を返すのだった。
名美は遠く離れた森の中に死体を埋めようとするがうまく行かず、結局死体を部屋に放置する。
名美のアパートを訪ねてきた行方の弟分、仙道(椎名桔平)は、死体を見つけ怒り狂う。
名美を助けるために、次郎は拳銃を手に入れ、仙道の指を吹き飛ばした。
名美は、行方が好きだったことを次郎に告げると車ごと海へ身を投げ、車には行方の死体も入っていた。
次郎は名美を救出するが、彼女は次郎の前から姿を消した。
名美は仙道のところへ行き、自首するつもりだと述べた。
そのとき追い詰められ錯乱した借金取りの志村(岩松了)がやってきて、二人を撃つ。
一方、次郎が部屋を掃除していると名美がやってきて、二人はその夜初めて結ばれたのだが・・・。
寸評
暴力シーンも多いが迫力ある画面とスタイリッシュな映像が圧倒してくる作品だ。
僕などはタイトルが出てきたところで虜になってしまった。
オマケに出演者がなかなか魅力的である。
竹中直人は滑稽さを交えながらシリアスな演技をしており新鮮である。
本作がデビュー作だった椎名桔平がキレキレの若い衆を演じて存在感を出している。
成熟した女性の魅力があふれた余貴美子が悪女として妖艶である。
すぐに消え去る根津甚八だが、兄貴と慕う椎名桔平との関係がユニークな設定となっている。
どうやら椎名桔平は女に興味が持てない男の様で、根津甚八とは同性愛の関係だったのかもしれない。
だとすれば根津甚八は両刀使いと言うことになる。
行方が分からなくなった兄貴分の根津甚八を探しに来て、竹中直人に殴る蹴るの暴行を加えたあと立ち去る時に、竹中が預かっている子犬に気づき「お前も拾われたのか」と優しく撫でているから、椎名桔平も根津甚八に拾われた過去があるのかもしれない。
余貴美子の名美と根津甚八の行方の関係も摩訶不思議な関係である。
名美は結婚しようとした男性が何人かいたようだが、そのたびに行方によって邪魔をされている。
行方に暴力的支配を受けて貢がされている名美だが、志村と結婚するために行方を殺す。
しかしどこかで行方を愛しているようなことを次郎に打ち明けているし、行方も屈折した愛情で名美を愛していたのだろう。
名美が結婚しようとした広瀬もなにか胡散臭い男で、名美は男運に見放された女だ。
広瀬がたたきつけたバラの花びらが一面に散らばっているシーンなどはゴージャスだなあと感じる。
証券マンをやめている次郎と言い、バブル崩壊直後を感じさせる演出だ。
しかし、この映画最大の疑問は、死体を発見した竹中直人がなぜ警察に連絡しなかったのかだ。
竹中が麻薬を打っているとかだったら別だけど、呼び出された電話の録音も残っているのだし普通だったら「部屋にやってきたら死体がありました」と通報するだろう。
もっとも映画はそんな疑問をいだき続けるほどの余裕を与えず進んでいく。
そのテンポと迫力が観客を魅了する。
最後の余貴美子は幻想だったのだろうか、亡霊だったのだろうか?
優しくしてくれた竹中に感謝するために現れた亡霊だったとしたらメルヘンだなあ。
隠し事のない素(ヌード)の二人は結ばれ、名美はベッドに血痕を残し消えてしまった。
直前で余貴美子が撃たれる場面があるが、あれも亡霊の仕業とすれば海に飛び込んで助けられた余貴美子だったが、実はあの時すでに死んでいたとか・・・。
社会の裏側を彩どる音楽と小道具に囲まれながら艶めかしいストーリーを織りなしてきたが、最後にメルヘンの世界を描いたのだと僕は感じた。
「ヌードの夜」 1993年 日本
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監督 石井隆
出演 竹中直人 余貴美子 根津甚八
椎名桔平 清水美子 岩松了
小林宏史 田口トモロヲ
室田日出男
ストーリー
広瀬(小林宏史)にプロポーズされた名美(余貴美子)は、ホストクラブの支配人行方(根津甚八)との腐れ縁を立ち切るためにある計画を思いついた。
まず、身元を偽って、“代行屋”紅次郎(竹中直人)を訪ね、都内の高級ホテルに帰った後、行方を部屋に招き入れて殺害する計画だった。
しかし、隠していたナイフを行方に見つけられてしまい、さんざん殴られ、犯されることになってしまった。
殺意が頂点に達した名美は、彼をシャワー室で刺し殺しす。
何も知らない次郎は、次の日、ホテルに行き、行方の死体を見つけた。
旅行バッグに死体を入れ、いったんは事務所まで運び込んだものの、翌日には、名美の勤務先をつきとめ、バッグごと死体を返すのだった。
名美は遠く離れた森の中に死体を埋めようとするがうまく行かず、結局死体を部屋に放置する。
名美のアパートを訪ねてきた行方の弟分、仙道(椎名桔平)は、死体を見つけ怒り狂う。
名美を助けるために、次郎は拳銃を手に入れ、仙道の指を吹き飛ばした。
名美は、行方が好きだったことを次郎に告げると車ごと海へ身を投げ、車には行方の死体も入っていた。
次郎は名美を救出するが、彼女は次郎の前から姿を消した。
名美は仙道のところへ行き、自首するつもりだと述べた。
そのとき追い詰められ錯乱した借金取りの志村(岩松了)がやってきて、二人を撃つ。
一方、次郎が部屋を掃除していると名美がやってきて、二人はその夜初めて結ばれたのだが・・・。
寸評
暴力シーンも多いが迫力ある画面とスタイリッシュな映像が圧倒してくる作品だ。
僕などはタイトルが出てきたところで虜になってしまった。
オマケに出演者がなかなか魅力的である。
竹中直人は滑稽さを交えながらシリアスな演技をしており新鮮である。
本作がデビュー作だった椎名桔平がキレキレの若い衆を演じて存在感を出している。
成熟した女性の魅力があふれた余貴美子が悪女として妖艶である。
すぐに消え去る根津甚八だが、兄貴と慕う椎名桔平との関係がユニークな設定となっている。
どうやら椎名桔平は女に興味が持てない男の様で、根津甚八とは同性愛の関係だったのかもしれない。
だとすれば根津甚八は両刀使いと言うことになる。
行方が分からなくなった兄貴分の根津甚八を探しに来て、竹中直人に殴る蹴るの暴行を加えたあと立ち去る時に、竹中が預かっている子犬に気づき「お前も拾われたのか」と優しく撫でているから、椎名桔平も根津甚八に拾われた過去があるのかもしれない。
余貴美子の名美と根津甚八の行方の関係も摩訶不思議な関係である。
名美は結婚しようとした男性が何人かいたようだが、そのたびに行方によって邪魔をされている。
行方に暴力的支配を受けて貢がされている名美だが、志村と結婚するために行方を殺す。
しかしどこかで行方を愛しているようなことを次郎に打ち明けているし、行方も屈折した愛情で名美を愛していたのだろう。
名美が結婚しようとした広瀬もなにか胡散臭い男で、名美は男運に見放された女だ。
広瀬がたたきつけたバラの花びらが一面に散らばっているシーンなどはゴージャスだなあと感じる。
証券マンをやめている次郎と言い、バブル崩壊直後を感じさせる演出だ。
しかし、この映画最大の疑問は、死体を発見した竹中直人がなぜ警察に連絡しなかったのかだ。
竹中が麻薬を打っているとかだったら別だけど、呼び出された電話の録音も残っているのだし普通だったら「部屋にやってきたら死体がありました」と通報するだろう。
もっとも映画はそんな疑問をいだき続けるほどの余裕を与えず進んでいく。
そのテンポと迫力が観客を魅了する。
最後の余貴美子は幻想だったのだろうか、亡霊だったのだろうか?
優しくしてくれた竹中に感謝するために現れた亡霊だったとしたらメルヘンだなあ。
隠し事のない素(ヌード)の二人は結ばれ、名美はベッドに血痕を残し消えてしまった。
直前で余貴美子が撃たれる場面があるが、あれも亡霊の仕業とすれば海に飛び込んで助けられた余貴美子だったが、実はあの時すでに死んでいたとか・・・。
社会の裏側を彩どる音楽と小道具に囲まれながら艶めかしいストーリーを織りなしてきたが、最後にメルヘンの世界を描いたのだと僕は感じた。