社長、大変です!(誰が社長や)
サンバタウンは相変わらず個人事業形態ですので、ワタシ(ゼジ)の肩書きは今もって「代表」のままです。
そんな店主の放置されっぱなしの法人化計画などはどうでもいいとして、今回も立て続けにDVDの話題。
毎月のようにブラジル音楽ソフトをお買い求めになって下さる天晴れなお客さまならどこかで目にされたこともあるかと思いますが、Samba Social Clube(サンバ・ソシアル・クルビ、以下SSC)という企画のライヴDVDがありますよね。現在第4弾までリリースされています。
このSSC、元々はアルリンド・クルスやベッチ・カルヴァーリョらが中心的パーソナリティとなって始まったTV番組だったかラジオ番組だったか、えーと、すみません、調べるのめんどくさいし、おまけに眠たくなってきたんで割愛します。
そのSSC(笑)、まあ要するにサンバの名曲をいろんな出演者が入れ替わり立ち代り歌うという何の変哲もないライヴ映像なわけなんですが、やはりパウラゥン・セッチ・コルダスの製作総指揮ということもあって実に出来が良く、当時のCasa de Sambaシリーズに比べると、バックバンドの完成度も出演者の真剣度も比較にならぬほどSSCの方に軍配が上がります。やっぱフルートにエドゥアルド・ネヴィスが入るとイイねえ。
ところが一度成功しちゃうと(商品でもイベントでも共通してますが)、二匹目のドジョウを狙いたくなるのが人の性(さが)というもの。そうしてこのSSCはあれよあれよと第4弾まで出ちゃったわけであります。
そしてワタシ自身、こういうシリーズ連発商法がとてもキライなので、SSCも第2弾以降は真剣に観ていなかったというのがホンネです。
さて、そこで。
この第4弾。
なんとなくパッケージの裏面を見ましたらば、凄いことが書いてあります。
Roda de samba em homenagem a Paulo César Pinheiro
-Casuarina, Diogo Nogueira, Teresa Cristina, Moacyr Luz, Fábio Luna,
Marcelinho Moreira, Ovídio Brito, Samba de Fato e Sururu na Roda
つまりボーナストラックとして、
パウロ・セーザル・ピニェイロに捧げるホーダ・ヂ・サンバ映像
が入っているということなんですよ、カマラー!(誰がカマラーや)
いや、メインのライヴ映像も確かに素晴らしかったです。
ベッチ母さんも最近はずいぶん調子を取り戻してきたし、ヂオゴ・ノゲイラときたらどんどん歌に色気が増してるし、カエターノもちゃんと弾き語りやってくれるし(どうでもいいけどホントこの人は客演時の服装がはなはだしくダサいですよね。羽織ってるパーカ、ほとんどドカジャンですよ)、D2のパフォーマンスも今回は当たり。アルリンド・クルスと新星アリーネ・カリストのコンビもグーだし、ゼリア姐さんとアミルトン・ヂ・オランダ&ニウジ・カルヴァーリョの組み合わせは最高にキマってます。
それでもこのボーナス映像こそがこの第4弾のハイライトと言えましょう。
ヴィニシウス亡き後、ブラジル音楽界を背負って立つ偉大なる作詞家パウロ・セーザルを前に、ホーダ・ヂ・サンバならぬサンバ役員会議のような厳かな空気感そしてテーブルのレイアウト(笑)。
会議出席者、もとい、出演者たちの歌と演奏の気高さときたら只事ではありません。まるでホーダ・ヂ・ショーロみたい。
特にSamba de FatoとSururu na Rodaの2グループが常任メンバーとして加わっており、その演奏は絶品の一言。そいつがたっぷり8曲も!
そして歌は若手にまかせっきりにし、本人はあくまで名誉会長的ポジションを貫くパウロ・セーザルのわきまえっぷりや良し!大人はね、やっぱこうでないとね。
これを観て「うーん、あんまり・・・」という反応を見せる人がいたら、残念ですがその方のサンバ適性はゼロです(断言)。無。ナーダ。
ヂオゴ・ノゲイラが歌う、在りし日の父ジョアン・ノゲイラのヒット曲「Espelho(鏡)」。父と息子の絆そして家族愛を綴った歌詞に、感極まって歌を一瞬詰まらせ、目を潤ませるヂオゴにもらい泣きしないヤツにサンビスタを名乗る資格なんざありゃしねえ!(落ち着け店主)
そんなわけで、このSamba Social ClubeのDVDシリーズ、奇しくも第4弾にしてワタシの中では最高傑作となっています。って評価軸がそもそも本編から外れてるしぃ。
皆さんも途中で予断を入れて見切りをつけず、情報を集めて当たり盤を見逃さないようにしましょうね。
以上、スポーツでした。一旦コマーシャルです。
調子に乗って少量補充しております。騙されたと思って是非。