34.
やがて、ギルガメシュに終わりの時が来た。
ギルガメシュは床に伏していた。3分の2が神、3分の1が人間の身体のギルガメシュにも終わりの時が来た。身体は弱ってはいたが、毎日決まった時間になると、従者たちの持つ御車に担がれて、川の水で身体を清め供犠を捧げていた。
しかし、その日ギルガメシュは起きあがらなかった。
ギルガメシュは、その生命の終わりの時にウルシャナビに語った。
「ウルシャナビよ、わたしは再び旅をしよう。シャマシュの道は、遙かな地平のまたその先まで続くのだ。この地の果てるところまで、わたしは旅をしよう。この先に何があるのか知りたいものだ。」
香柏の森に住むフンババを滅ぼし、山の麓でライオンどもを殺し、天から下った天牛を捕らえて打ち倒した勇者ギルガメシュの最後は、まるで眠りにつく人のようだった。
眠りと死との垣根は低く、ギルガメシュは、ゆっくりと低い垣根を越えて、かの地へ渡った。
風は爽やかで、太陽がギルガメシュとウルシャナビに光を注いだ。
ウルシャナビが彼、ギルガメシュの豊かな土地を遙かに見渡したとき、高い空に何かがよぎったのを、ウルシャナビは見た。それは鳥のようで鳥ではなかった。
粘土板[ギルガメシュ叙事詩]の当時の書名は、「すべてのものを国の果てまで見たという人」だったそうだ。
やがて、ギルガメシュに終わりの時が来た。
ギルガメシュは床に伏していた。3分の2が神、3分の1が人間の身体のギルガメシュにも終わりの時が来た。身体は弱ってはいたが、毎日決まった時間になると、従者たちの持つ御車に担がれて、川の水で身体を清め供犠を捧げていた。
しかし、その日ギルガメシュは起きあがらなかった。
ギルガメシュは、その生命の終わりの時にウルシャナビに語った。
「ウルシャナビよ、わたしは再び旅をしよう。シャマシュの道は、遙かな地平のまたその先まで続くのだ。この地の果てるところまで、わたしは旅をしよう。この先に何があるのか知りたいものだ。」
香柏の森に住むフンババを滅ぼし、山の麓でライオンどもを殺し、天から下った天牛を捕らえて打ち倒した勇者ギルガメシュの最後は、まるで眠りにつく人のようだった。
眠りと死との垣根は低く、ギルガメシュは、ゆっくりと低い垣根を越えて、かの地へ渡った。
風は爽やかで、太陽がギルガメシュとウルシャナビに光を注いだ。
ウルシャナビが彼、ギルガメシュの豊かな土地を遙かに見渡したとき、高い空に何かがよぎったのを、ウルシャナビは見た。それは鳥のようで鳥ではなかった。
粘土板[ギルガメシュ叙事詩]の当時の書名は、「すべてのものを国の果てまで見たという人」だったそうだ。