CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-049「バニシング」(イギリス)

2020年02月08日 01時12分10秒 | イギリス映画
悲劇は人を変える
 スコットランドのはるか沖合、絶海に浮かぶ無人島アイリーン・モア島。ここにトマス、ジェームズ、ドナルドの3人が灯台守としてやって来る。彼らはこれから6週間にわたって、周囲から隔絶されたこの島で共同生活を送らなければならなかった。それは静かで退屈な日々となるはずだった。
 ところが嵐が過ぎ去った朝、ドナルドが難破したボートと倒れている男を発見する。急いで駆け寄ると死んでいると思われた男が突然襲い掛かり、無我夢中で抵抗したドナルドは、男を殺してしまう。動揺する3人が積み荷の木箱を確認すると、中には大量の金塊が詰まっていた。
 思いがけない事態に、これを3人だけの秘密にして、金塊を自分たちのものにしようと企むジェームズたちだったが。(「allcinema」より)


 1900年12月、スコットランド沖の孤島で3人の灯台守が姿を消したという事件。
 今だ未解決のままのこの失踪事件をヒントに製作されたサスペンス・スリラー。

 無人島に灯台守としてやって来たトマス、ジェームズ、ドナルドの3人。

 ある日、漂着した男をドナルドが殺してしまい、その積荷を引き上げた3人は、中に金塊が入っているのを目にする。

 自分たちのものにしようと考える3人であるが、漂流した男とその荷物を探しに男たちがやって来て、3人の間に緊張感が走る。


 寒々しい空の下の無人島で繰り広げられる、人間の闇を掘り下げるサスペンス。

 金塊を探しにやって来た男たちと対峙することとなるトマスたち。

 しかし、物語はその対決だけに止まらず、それによって引き起こされる悲劇によって、3人の心境も変わっていってしまうという展開。

 25年灯台守をしているトマスは、ある理由から妻を殺してしまったという罪の意識に苛まれている。
 若いドナルドは、死んだと思った漂着した男に襲われ、身を護るために相手を殺してしまい、苦しむ。

 そして、ジェームズは、金塊を探しに来た男たちと対決した時、思いも寄らぬ相手を殺してしまったことで、心が壊れていく。

 それぞれが人を殺したことで、罪の意識に苛まされる様を描き、やがてそれが思わぬ悲劇を生み出していくという展開。

 寒々しい空の下、誰も住んでいない孤島に閉じ込められるような形で過ごす3人の灯台守。
 そんな彼らに降りかかってくる思いもよらぬ事件。

 重苦しい雰囲気で展開されるサスペンスで、興味惹かれると共に、何とも切ない話にもなっており、最後まで惹き込まれる作品だった。

/5 

監督:クリストファー・ニーホルム
出演:ジェラルド・バトラー、ピーター・ミュラン、コナー・スウィンデルズ
   ソーレン・マリン、オラフ・ダリ・オラフソン、ゲイリー・ルイス
於:ヒューマントラストシネマ渋谷

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