見えました
<第一話「贋作」>恋人を作った妻が出て行ったノボルの家の前にある日、包丁を持った女性サエコが横たわっていた。やがてノボルとサエコの奇妙な生活が始まる。
<第二話「横濱の仮族」>横浜に住む富豪・横濱権蔵は、火事で失った家族を取り戻すため、容姿がそっくりな人間を拉致し、“仮族”としての生活をスタートさせる。そして、“家族そっくりな誰かに殺してもらう”願いを叶えようとするが。
<第三話「死仮面」>特殊造形アーティストの田所が“創作から逃げたい”というメッセージを残して自殺した。映画プロデューサーの益田は他殺を疑い、田所がかつて所属していた特殊造形工房の経営者、米村を訪ねるが。(「作品資料」より)
横浜を舞台として3つのストーリーで紡がれるオムニバス。
イメージ的に狂気を扱った作品だと思っていたが、それぞれテーマは違うようだった。
「贋作」では、ノボルの家の前でサエコという女性が横たわり、傍には包丁が転がっている。
怪しい感じはするが、穏やかな性格のようなノボルは、サエコを家に上げる。
やがて、妻が出ていったノボルと彼氏に浮気されたサエコは、気持ちを通じ合わせる。
奇妙な2人の関係と空間が描かれ、2人がどうなるのか気になる展開。
何となく希望を持つような話になっていくが、ラストは。
「横濱の仮族」は家族を失った男が似た人物を集め、仮想家族を演じさせるが、その目的はちょっと異常なもの。
ほぼ室内で物語は展開されるので、横浜が舞台なのか判らないが、一家が横濱というので当てはめているのか。
話の行き着く先がどうなるのか気になる展開ではあったが、結末は判り辛かったかな。
冒頭にワンカットで撮影されたとテロップされたが、ワンカットに意味はあったのか。
「死仮面」は、サイコ・サスペンスであった。
殺人シーンが冒頭に表されるので、犯人捜しではなく犯人の狂気を描いている。
先が見えなくなってしまった者の狂気。
こちらもあまり横浜だという意味があったのか不明であったな。
日常を逸脱した感じの物語が展開され、設定としては面白いオムニバスであった。
/5
監督:中村優一、ヨリコ ジュン、金子智明
出演:秋沢健太朗、渋江譲二、西尾聖玄、高山孟久、Raychell、末野卓磨、水原ゆき、波多野比奈、新田ミオ、白又敦、西洋亮、賀集利樹、鶴嶋乃愛、小野まりえ、飛葉大樹、中村優一
於:シネマート新宿
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