今は届かなくても、いつかきっと届くから
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件を起こして逮捕され、死刑判決を受けた鏑木慶一が脱走した。
鏑木を追う刑事の又貫征吾は、逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。しかし彼らが語る鏑木は、それぞれがまったく別人のような人物像だった。さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返す鏑木。
やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになり。(「作品資料」より)
一家惨殺の犯人として死刑判決を受けている鏑木慶一。
その彼が脱走する。
担当刑事の又貫は、鏑木の行方を追い、彼が逃亡中に出会った人たちに事情を訊く。
それぞれが出会った鏑木のイメージはまるで別人のものであった。
鏑木が脱走して、潜伏先で出会った人たちとの交流を描きながら、やがて鏑木が脱走した理由が明らかとなっていく展開。
最初は死刑囚、凶悪犯が雰囲気を変えながら、人を騙していくような話かと思ったが、徐々に鏑木の脱走の真意が明らかになっていく。
追う又貫もどこか鏑木が犯人であることに違和感を感じながらも、上からの命令で動かざるを得ない。
警察の横暴のようなものを感じるな。
逃走を続けていく鏑木。
果たして、その目的とは。
そして鏑木は犯人ではないのか。
真実を明らかにできるものを求めて逃走する鏑木。
その無実を信じる出会った人々。
惹き込まれる展開のストーリーであった。
クライマックスは、真犯人が誰かが判るような展開ではあったが、果たして鏑木はそれを証明できるのか、緊迫した展開であった。
ある人物の決断がことを大きく左右するんだな。
面白いサスペンス・ドラマであった。
/5
監督:藤井道人
出演:横浜流星、吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、前田公輝、田島亮、遠藤雄弥、宮﨑優、森田甘路、西田尚美、山中崇、宇野祥平、駿河太郎、木野花、田中哲司、原日出子、松重豊、山田孝之
於:グランドシネマサンシャイン池袋
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