CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

21-002「ハッピー・オールド・イヤー」(タイ)

2021年01月03日 10時06分46秒 | タイ映画
ときめかないものは感謝して捨ててください
 タイのバンコク。
 デザイナーのジーンは、留学先のスウェーデンで学んだミニマルなライフスタイルを実践しようと自宅のリフォームを思い立ち、まずは家の中にあふれモノを何とかすべく断捨離を敢行するのだったが。(「allcinema」より)


 3年間のスウェーデンでの留学を終え、バンコクに帰ってきたデザイナーのジーンが、実家をミニマルなスタイルの事務所に改修しようと計画し、家に溢れるほどあった荷物を処分することにする。

 そんなジーンの断捨離の中の感情が描かれる作品。

 ミニマルなライフ・スタイルとは初めて聞いたが、要は必要最低限のものだけを残した生活様式ということらしい。

 その生活をするために断捨離を実行するということ。

 しかし、簡単にものが捨てられるかと思ったが、出てきたものの中には、友人や元恋人からのプレゼントや、家を出ていった父親との思い出の品もある。

 最初は全て捨ててしまおうと思っていたジーンであるが、借りた物、プレゼントされた物は返すことにする。

 そして、元恋人であり、一方的に連絡を絶ったエムにもカメラを返すため家を訪れる。

 やがてジーンはただ捨てるだけでは終わらない複雑な感情に見舞われるようになる。

 言葉で断捨離と言っても、そう簡単にはいかないということを判らせてくれる作品だったな。

 借りた物を返していくうち、その相手から様々な反応を受けることになるジーン。

 そして、エムから最後には思いも寄らぬ言葉がかけられることになる。

 単なるモノだけど単なるモノにあらず。

 どうしても思い出が付きまとってしまうもので、実はその想いは独りよがりなものなのかもしれないな。

 ジーンと、現在のエムの彼女と思しきミーとの会話、そしてそんなミーがいながらジーンを招いたりするエムの気持ちなど、考えさせられる部分も多かったな。

 そして、やっぱりモノにはどうしても想いが囚われることとなり、それは自分だけのものなのかもしれないと思わされる。

 ただ、冷徹にモノを捨てていくジーンの姿だけではなく、それによって思い出や他人の気持ちに囚われてしまうジーンの姿を描き、何とも切ない気分にさせられる作品だった。

/5

監督:ナワポン・タムロンラタナリット
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン
   サリカー・サートシンスパー、ティラワット・ゴーサワン
   パッチャー・キットチャイジャルーン、アパシリ・チャンタラッサミー
於:新宿シネマカリテ

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