23-018「非常宣言」（韓国）

私たちは降りない
　飛行機恐怖症のパク・ジェヒョクは娘とともにハワイ行きの航空機に搭乗するが、離陸後まもなく乗客が相次いで謎の死を遂げ、機内はパニックに陥る。
　一方、地上では飛行機を標的にしたウイルステロの犯行予告動画がネット上にアップロードされていた。捜査に乗り出したベテラン刑事ク・イノは、その飛行機が妻の搭乗した便だと知る。
　テロの知らせを受けた国土交通省大臣スッキは、緊急着陸のため国内外に交渉を開始。
　副操縦士ヒョンスは乗客の命を守るべく奮闘するが、機体はついに操縦不能となり急降下していく。（「作品資料」より）


　飛行中の旅客機の中で、謎のウイルスが散布される。

　逃げ場のない飛行機の中で、何とか生き延びようと奮闘する乗客、乗務員たち。

　そして、地上では犯人の目的や、ウイルスの正体を突き止めようとする刑事たちや、安全に飛行機を着陸させようと動く大臣たちが奮闘する。

　ウイルステロではあるが、犯人は何かを要求するでもなく、自らも感染してしまう。

　テロの犯人については、それ程長く描かれるわけではなく、その後の機内での人々の様子、そして地上で奮闘する人々の姿が描かれ、果たして機内の人々の運命がどうなるのかが気になる展開。

　感染した人の致死率は４０％というウイルス。

　そして、機内という空間の中にいれば、おそらくほとんどの人が感染すると思われる。

　それはパイロットも同じで、パイロットが感染し、操縦不能になり、飛行機は墜落しそうになり、そのシーンは機内の様子など、かなり緊張感の高まるシーンとなる。

　乗客に、偶然、娘と休暇に出かけようとしていた元パイロットがいるというのは、話としては都合のいいものではあるが、どうやら副操縦士とは確執がある模様。

　ウイルスが確認された飛行機を国内外問わず、どこに着陸させるか、あるいは出来るのかという問題も浮上する。

　終盤は、燃料も切れそうになる中、果たして飛行機、乗客たちの運命がどうなるのか気になるところであったが、愛する人たちを護るために決断したことにホロリとくるものがある。

　更に、妻がその飛行機に乗っている刑事のク・イノも愛する者を救うため思わぬ行動に出る。

　緊迫感のある展開とホロリとさせられる展開とで最後まで惹き込まれるパニック・サスペンスであった。

/５

監督：ハン・ジェリム
出演：ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワン、キム・ソジン、パク・ヘジュン
於：グランドシネマサンシャイン池袋