CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-089「世界の終わりから」(日本)

2023年04月18日 01時00分07秒 | 日本映画
おまえの願いは何だ?
 事故で親を亡くした高校生のハナは、学校でも自分の居場所を見つけられず、生きる希望を見いだせない日々を送っていた。
 ある日、ハナの前に政府の特別機関と名乗る男が現れ、男から自分の見た夢を教えてほしいと頼まれる。まったく心当たりがない男の依頼に混乱するハナ。
 そしてその夜、ハナは奇妙な夢を見る。(「作品資料」より)


 2週間後に迫った世界の終わりを止めるため、奔走する女子高生の姿を描いたSFドラマ。

 女子高生のハナは、幼い頃両親を亡くし、唯一の肉親であった祖母も亡くし、一人ぼっちになる。

 そんなハナの前に、政府の特別機関の者だと名乗る者たちが現れ、自分が見た夢を教えてほしいと言われる。

 それまであまり夢を見たことのなかったハナであったが、その夜夢を見ると、それから夢とも現実も区別つかぬ世界に入り込み、その一身に苦しみを背負うこととなる。

 ハナが見る夢は、侍同士が殺し合う戦国の世の出来事。

 その争いに巻き込まれて両親を殺されたユキという少女と共に、ユキの祖母から託された手紙を祠へ届けようとする。

 そんな彼女を阻もうとするのが無限という男。

 この無限は現実だと思われる世界にも現れ、ハナの周囲の人々を傷つけていく。

 夢とも現実ともつかぬ世界で、もがき苦しみながらも世界を救おうと奮闘するハナ。

 果たして、世界は救われるのか。

 どんなに頑張っても周囲は自分を苦しめると感じ、こんな世界は救う意味があるのか、と一度ならず耳にしたことある考えを持つハナ。

 夢の中で行動を共にする、自分と同じように両親を亡くしたユキという少女は、実はハナ自身なのか。

 世界の終焉の危機ではあるが、世間はそんなことつゆ知らず、日常が送られている。

 そんな中で、苦しみを抱えるハナ。

 ハナの悲痛な叫びが本当に痛々しかったな。

 果たして、世界は本当に終わってしまうのか、その終わりをハナが止められるのか。

 最後の最後で、この作品のタイトルの意味が判るという展開。

 世界に傷つけられたように感じる少女の悲痛さと、SF的な展開のファンタジーが興味深い作品であった。

/5

監督:紀里谷和明
出演:伊東蒼、毎熊克哉、朝比奈彩、増田光桜、岩井俊二、市川由衣、又吉直樹、冨永愛、高橋克典、北村一輝、夏木マリ、阿見201、柴崎楓雅
於:池袋HUMAX CINEMAS

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