CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-088「零落」(日本)

2023年04月17日 00時34分40秒 | 日本映画
自由になるのにも才能が必要だ
 8年間連載してきた漫画が完結し“元”売れっ子漫画家となった深澤は、次回作のアイデアが浮かばず敗北感を募らせている。すれ違いが生じていた妻のぞみとの関係も冷え切り、自堕落で鬱屈した日々を過ごしていた。
 そんなある日、風俗店を訪れた彼は、猫のような眼をしたミステリアスな女性ちふゆに出会う。
 自分のことを詮索しないちふゆにひかれた深澤は、ちふゆとともに彼女の故郷へ行くことになるが。(「作品資料」より)


 元売れっ子漫画家の深澤がどんどん堕ちていく姿を描いたドラマ。

 8年連載してきた漫画が完結し、その後のアイデアも浮かばず、苦悶している深澤。

 漫画を愛しているという周囲の者たちの言葉に苛立ちを感じ、出版社の編集者である妻ののぞみは担当漫画家の世話に忙しく、すれ違いが続く。

 次回作のアイデアを考えている風もなく、自堕落な生活を続けている。

 そんな時、猫のような眼をした風俗嬢のちふゆと出会い、惹かれていく深澤。

 いったい深澤はまた漫画を描きたいと思っているのか、それとも本当に自分が描きたいと思っているものを描きたいのか。

 人との付き合いもあまり得意ではない様子であるが、どんどん周囲をシャットアウトしていくような、ちょっと毒舌も放ったりする。

 ちふゆに惹かれていくのは、自分のことをあまり知ろうとしないところのよう。

 妻とはすれ違い、ちふゆに嵌まっていくように見える深澤。

 自堕落なのか、わがままなのか、何とも図りかねる深澤の言動。

 果たして、深澤はどこへ行き着くのかというところが気になる話であったが、もう諦念なのか、それともこれが売れっ子漫画家なのだと周囲が思っているものを演じているのか。

 いずれにしても、堕ちていく男のダメさ加減を描いた作品で、興味深い展開であった。

/5

監督:竹中直人
出演:斎藤工、趣里、MEGUMI、山下リオ、土佐和成、吉沢悠、菅原永二、黒田大輔、永積崇
   信江勇、佐々木史帆、しりあがり寿、大橋裕之、安井順平、志磨遼平、宮﨑香蓮、玉城ティナ、安達祐実
於:池袋HUMAX CINEMAS

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