CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

17-142「ノー・エスケープ 自由への国境」(メキシコ・フランス)

2017年05月06日 22時18分12秒 | メキシコ映画
ウサギを狩るのに許可証はいらない
 荒涼とした砂漠地帯の国境を徒歩で越境しようとする15人のメキシコ人グループ。その中にはアメリカに残してきた息子との再会を誓うモイセスの姿もあった。
 やがて有刺鉄線の国境をくぐりアメリカへと足を踏み入れた一行を謎の銃弾が襲う。身を隠せる場所もなく、一人また一人と銃弾の餌食となるメキシコ人たち。
 モイセスらわずかに残った生存者たちも、正体不明の襲撃者の執拗な追跡の前に、さらにその数を減らしていくのだったが。(「allcinema」より)


 メキシコからアメリカへと不法入国しようとした者たちが、アメリカ側に入ると謎の襲撃者に襲われる。
 国境地帯の砂漠地帯でそんな襲撃者から逃れるため、決死のサバイバルを繰り広げるメキシコ人たちの姿を描いたサスペンス。

 監督は「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督の息子らしいホナス・キュアロン。


 主人公となる、ガエル・ガルシア・ベルナル演じるモイセスを含む15人のメキシコ人たちが、アメリカへ不法入国しようと試みる。

 国境を越え、砂漠地帯に入った時、不法入国者たちを発見したサムがライフルで彼らを狙い撃ちし、次々と殺していく。

 集団から離れていたモイセスたち4人は難を逃れるが、サムは彼らをも見つけ出し、追撃を開始していく。

 サムの愛犬であるトラッカーが、なかなか利口な犬だなと最初は感心していたが、完璧な狩猟犬として力を発揮し、不法入国者を噛み殺したりする程の狂犬でもあり、これは怖かったな。

 物語は、愛犬と共に不法入国者を執拗に追い、殺害しようとするサムと、そのサムから何とか逃れようとするモイセスたちの逃亡に終始される。

 ストーリー自体は単純なものであるが、あり得ない襲撃と、何もない砂漠地帯での展開ということで、果たしてこの物語がどう展開、決着していくのか興味深く、緊迫感もあったな。


 サムという男が何をしている男なのかは謎であったが、どうやら以前にも不法入国者を殺しているよう。

 過剰な愛国心からくるものなのかな。

 2015年製作の作品であるが、この作品を観ていると、どうしても思い出してしまうのが、メキシコ国境に壁を作るという現アメリカ大統領の発言。

 確かに本作では、国境には有刺鉄線が張ってあるだけで、簡単に入国できるものだったな。

 そんな大統領の考えを予見し、移民に対する考えが暴走化したようなサムの行動。

 緊迫した展開も惹き込まれたが、そんな今のアメリカの状況も思い出させるような話で怖いと感じると共に興味深い作品だった。

/5

監督:ホナス・キュアロン
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガン
    アロンドラ・イダルゴ、ディエゴ・カターニョ、マルコ・ペレス
於:シネマート新宿

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