CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-252「ヒンターラント」(オーストリア・ルクセンブルク)

2023年10月04日 01時21分24秒 | オーストリア映画
我々は過ちを犯した、しかし正しい方法もなかった
 第1次世界大戦後、ロシアでの長い捕虜収容所生活からようやく解放された元刑事ペーターと戦友たち。しかし帰還した彼らを待ち受けていたのは、敗戦国となり変わり果てた祖国の姿だった。
 ペーターは帰宅したものの家族の姿はなく、行き場を失ってしまう。
 そんな中、ペーターの元戦友が河原で遺体となって発見される。遺体には相手に苦痛を与えるために仕掛けられた拷問の跡があり、その痕跡から犯人も彼らと同じ帰還兵であると思われた。
 ペーターは自らの心の闇と向きあうため、事件の真相を追い始めるが。(「作品資料」より)


 第一次世界大戦後のオーストリア、ウイーンで起こる残虐な連続殺人を描いたサスペンス・スリラー。

 終戦後、ロシアの捕虜収容所から帰還したペルクと戦友たち。

 しかし、ウイーンの街は、そんな帰還兵たちには厳しく、ペルクも何度も不条理な目に遭う。

 そんな中、ペルクの戦友が拷問の末、惨殺される事件が発生。

 ペルクは最初は容疑者と目されるが、実はペルクは元優秀な刑事であったことから、警察と共に捜査をすることとなる。

 更なる被害者か出る中、果たしてペルクは犯人を捕えることが出来るのか。
 
 後から資料を確認したところ、本作は全編ブルーバック撮影だったのこと。

 確かに、ちょっと舞台のような雰囲気はあったな。

 しかし、それが当時の雑多な街の雰囲気を出していたと思われる。

 ペルクが戻っても街はすっかり変わっており、彼自身の居場所はないように感じられる。

 しかも精神もかなりやられており、今ではPTSDと言われているだろうという状態。

 被害者の身元が明らかになると、その動機も明らかになる。

 そしてそれによって、ペルクが過去に向き合うこととなる。

 第一次世界大戦後の猥雑とした雰囲気と、その中で繰り広げられる殺人事件。

 なかなか惹き込まれるダーク・スリラーであり、面白い一本であったな。

エンドロールで、ドイツ語で表記されていたものが、途中で英語に変わるというのも面白かったな。

/5

監督:ステファン・ルツォヴィッキー
出演:ムラタン・ムスル、リヴ・リサ・フリース、マックス・フォン・デル・グローペン、マルク・リンパッハ、マルガレーテ・ティーゼル、アーロン・フリエス、スタイプ・エルツェッグ
於:新宿武蔵野館

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