CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-220「アングスト 不安」(オーストリア)

2020年12月31日 16時22分04秒 | オーストリア映画
死人たちと一緒にいられると思うだけで興奮した
 刑務所を出所した狂人が、とたんに見境のない行動に出る。(「作品資料」より)


 1980年1月、ヴェルナー・クニーセクがオーストリアで起こした一家惨殺事件をモチーフにした作品。

 資料を読んでいると、モチーフにしたというより、事件そのもの、そして犯人の心情を忠実に再現しようとした作品のようである。

 1983年に製作された作品であるが、オーストリアでは一週間で上映中止となり、ヨーロッパでは上映禁止。
 アメリカではXXX指定扱いを受けたらしい。

 日本ではこれまでビデオ発売のみのようであったが、このたび初の劇場上映。

 全てはその内容からの決定のようである。


 幼い頃から異常な経験をしてきたK.は、郊外の屋敷で女性を射殺し、入獄される。

 刑期を終えて出所するが、その日から人を殺したい衝動に駆られさまよい、やがて奥まった場所にひっそりと建つ屋敷を発見する。

 そこに忍び込んだK.は、その屋敷に住む老いた母親と娘、息子に凶行に及ぼうとする。

 
 カメラワークが面白いもので、おそらく主人公であるK.自身に付けているよなカメラで映されているようなシーンもあり、それがK.の行動とリンクされている感じを受ける。

 凶行に及ぼうとするシーンは、かなりリアルな感じで、どことなくドキュメンタリーを観ている風にも受ける。

 そして、最初から最後まで語られるK.の心情。

 果たして、K.は家族3人とも殺害に及ぶのかというところは気になった。

 このK.という男は、犯行に及んでも逃げようという気がなかったのかな。

 結末は意外と呆気ないものだったなという印象。

 昨今の作品ではかなり残虐なシーンが普通に上映されており、それらと比べると本作のシーンはそれ程でもなかったかなという印象であったが、内容としては、あまりいい気持ちのする作品ではなかったかな。

/5

監督:ジェラルド・カーグル
出演:アーウィン・レダー、シルヴィア・ラベンレイター
   エディット・ロゼット、ルドルフ・ゲッツ
於:シネマート新宿

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