愛とはないものを与えること
吹雪の夜、フランスの山間の町で女性が失踪し、殺害された。
事件の犯人として疑われた農夫のジョセフ、彼と不倫関係にあったアリス、そして彼女の夫ミシェルなど、それぞれに秘密を抱えた5人の男女の関係が、失踪事件を軸にひも解かれていく。
そして彼らが、フランスとアフリカのコートジボワールをつなぐ壮大なミステリーに絡んでいた事実が明らかになっていく。(「作品資料」より)
一つの死体、殺人事件を巡り、5人の男女が絡み合う様を描いたサスペンス・スリラー。
日本初公開は、2021年であったが、その際には見逃してしまった。
ドミニク・モル監督の最新作が公開されるにあたり、本作がリバイバル公開され、なんとか鑑賞。
事件としては、エヴリーヌという女性が失踪、後に死体が発見される。
そして物語はアリス、ジョゼフ、アマンディーヌ、ミシェルの4人の視点で描かれ、時間軸を交差させながら、徐々に真相を明かしていくという展開。
アマンディーヌは架空の人物で、実際はコートジボワールに住むアルマンという青年の視点になる。
それぞれメインとなる4人に共通するのは、愛情を相手に与えようとする点。
それは、ある意味欲望でもあり、更に偶然が重なり、エヴリーヌ殺害へと繋がっていく。
最初に疑われるジョゼフの愛情はなんとも捉え難いものがあったな。
ジョゼフの犬はちょっと可哀想だった。
時間軸を前後させ、徐々に様々な要因、真実を明らかにしていく展開は興味深く、面白い1本だった。
ラスト・シーンは更なる偶然の真実があり、これまた感心するものだった。
/5
監督:ドミニク・モル
出演:ドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ダミアン・ボナール、ナディア・テレスキウィッツ、バスティアン・ブイヨン、ギイ・ロジェ・“ビビーゼ”・ンドゥリン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
於:新宿武蔵野館
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