22-021「ＴＵＢＥ チューブ 死の脱出」（フランス）

死後の世界などない
　暗く狭いチューブの中で目を覚ました女。腕にはカウントダウンを表示するブレスレットが取り付けられていた。
　訳の分からぬままチューブ内を移動すると、別のチューブにたどり着く。チューブはまた別の空間に繋がっており、迷路のように入り組んでいる。しかも各チューブには恐ろしいトラップが仕掛けられ、考える間もなく次々と恐怖が襲いかかる。
　彼女は出口を求め、延々と続くチューブをさまようが。（「作品資料」より）


　ヒッチハイクで車に乗せてもらったところ、その運転手が手配中の凶悪犯であることが判り、殴られて気絶。

　目を覚ますと、腕にブレスレットをはめられ、狭いチューブの中で目を覚ます女性。

　長々とチューブの中を進んでいくと、また別のチューブに繋がり、また延々と進んでいく。

　よく排気口の中に入って這っていくというシーンを目にするが、正にそんな感じのチューブの中を女性は進んでいく。

　しかも、トラップも仕掛けてあり、それを乗り越え、ブレスレットの時間が０になるまでにゴールへ到達できなければ、チューブ内に炎が充満するという設定。

　よくもこんなものを作ったなと感心する。
　作ったのは、あのドライバーなのかなと思うのだが、ことが進んでいくうちにどうもそうではないようなことが判る。

　途中でよく判らない生物が登場し、彼女の記憶を呼び覚ますシーンがあり、更に思い出の写真が登場するところで、これって走馬燈のようなものではないかと感じる。

　そうすると女性が実際置かれている状態というのは、と想像する。

　クライマックスでは、女性の死んだはずの幼い娘まで登場するし。

　そんな中で、果たして女性は最後まで辿り着き、このチューブから脱出できるのか。

　ラストを見て、やっぱりよく判らないなという印象で終わってしまったが、極限状態の中での決死の脱出行は見応えある展開であった。

　シチュエーション・スリラーということではあるな。

/５

監督：マチュー・テュリ
出演：ガイア・ワイス、ペーテル・フランツェーン
於：ヒューマントラストシネマ渋谷