CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-300「ディア・スキン 鹿革の殺人鬼」(フランス)

2019年12月04日 00時45分25秒 | フランス映画
ジャケットを着てる千年に一人の男になれ
 夢にまで見た憧れの鹿革ジャケットを手に入れたジョルジュ。フリンジのたっぷりついたカウボーイ風のジャケットは完璧で、それを着た自分はさらに非の打ちどころがないほど美しかった。
 その異常なまでの鹿革への執着が、やがて自分以外でジャケットを着る人間への憎悪へと変わっていく。
 ビデオカメラを片手に街へ出た彼は、“死のジャケット狩り”を始める。(「KINENOTE」より)


 邦題のサブタイトルから推測すると、大量殺人を繰り広げる激しいサイコ・スリラーかと思っていたのだが。

 妻から三行半を下されたような男、ジョルジュが旅をして、ある老人から鹿革100%のジャケットを手に入れる。
 何故かついでにデジタルビデオももらうジョルジュ。

 憧れのジャケットを手に入れたジョルジュは意気揚々、ジャケットを羽織った自分の姿を見ては悦に入り、貰ったビデオでジャケットや自分の姿を撮影する。

 しかも、ついにはジャケットとも会話が出来るようになる。

 そんなジョルジュの様子がコミカルで、ついつい笑ってしまうシーンが多々。

 これでどのような殺人鬼となるのかと思っていたら、ジャケットが〝世界で唯一のジャケットになりたい〟という夢を抱き、それを叶えるためジョルジュが動き出す。

 最初は、ジャケットを人々から奪うような行動をしていたのだが、ついには禁断の行動に出る。

 ジョルジュは、バーで出逢ったウェイトレスのドゥニースに映画の製作をしていると嘘を吐き、編集の仕事をしてもらうと言いくるめて、金を引き出すのだが、このドゥニースもちょっと変わった感じ。

 ジョルジュの撮った映像を観て、最高の映像だと言う。

 しかも、どんどん刺激的な映像を求める始末。

 果たしてこの二人の奇行の行く末はどうなるのかと思ったら、終わりは唐突だったな。

 鹿革ジャケットに陶酔するジョルジュの姿をユーモラスに描き、恐怖よりもおかしさの方が目立った作品。

 後から知ったが、監督のカンタン・デュピューは、殺人タイヤを描いた「ラバー」の監督だったんだな。
 なるほどと納得してしまうような作品だった。

/5

監督:カンタン・デュピュー
出演:ジャン・デュジャルダン、アデル・エネル、アルベール・デルピー、マリー・ビュネル
於:シネマート新宿

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