22-279「ＭＥＮ 同じ顔の男たち」（イギリス）

行きは１０分、帰りは３０分
　夫の死を目撃してしまったハーパーは、心の傷を癒すためイギリスの田舎町へやって来る。
　彼女は豪華なカントリーハウスの管理人ジェフリーと出会うが、街へ出かけると少年や牧師、警官に至るまで出会う男すべてがジェフリーと全く同じ顔だった。さらに廃トンネルから謎の影がついてきたり、木から大量の林檎が落下したり、夫の死がフラッシュバックするなど不穏な出来事が続発。
　ハーパーを襲う得体の知れない恐怖は、徐々にその正体を現し始める。（「作品資料」より）


　田舎の豪華なカントリーハウスへやって来たハーパー。

　どうやら心の傷を癒すためにやって来たようだが、それは夫であるジェームズの死を目にしたこと。

　確かに、大きな屋敷のような家で、周囲の風景は美しいもの。

　電波の入りが時折悪かったりもするが、２週間の滞在には充分な環境かな。

　しかし、そこでハーパーは謎の男たちに追われることとなる。

　しかも、それは皆同じ顔をしている。

　管理人のジェフリーや牧師、何故か全裸で家までやって来る男まで。

　ハーパーはカントリーハウスと田舎町で過ごしながら、夫との最後の会話がフラッシュバックで蘇り、やはり罪悪感を背負っているのか。

　いったい彼女に迫りくる男たちは、何者たちなのか。

　全体的には、美しい景色の中で不穏な空気が漂う。

　トンネルであんなにやまびこみたいになるものなのかと思うが、その声が更に何度もバック・グラウンドとして使用され、不穏な雰囲気を煽っていく。

　こうした作品の雰囲気は良かったのだが、ストーリー自体は難解であったな。

　果たして、同じ顔の男たちは何を表しているのか。

　やはり、夫の死には別の真相があるのか。

　クライマックスの展開は脅威であったが、正直意味が理解出来なかった。

　個人的には解説が必要な作品ではあったが、美しさは秀でていた作品でもあったかな。



監督：アレックス・ガーランド
出演：ジェシー・バックリー、ロリー・キニア、パーパ・エッシードゥ、ゲイル・ランキン、サラ・トゥーミィ
於：ＴＯＨＯシネマズ池袋