あの映画を観たのは20歳前後だったかと思う。
3本立て1000円。18禁。P映画。
題名は覚えていない。
ストリーもよく覚えていない。
かすかに覚えているのが
喫茶店で主役の男性が好きな女性と会話をしている。
喫茶店からはBGMで吉田拓郎の「夏休み」が流れている。
これはなんとなく覚えているが男女の会話は全く覚えていない。
男性のアパート。
彼女に振られたのかな。
一人さびしくギターを弾きながら
井上陽水の『傘がない』を歌っている。
♪都会では自殺する若者が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨 傘がない
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ
つめたい雨が今日は心に浸みる
君のこと以外は考えられなくなる
それは いい事だろ?
歌を唄っている途中、何かを思い出したように
ギターを置き、外に出る。
外は雨が降っている。夢中で走り出す。
彼女のところに男性は向かう。
まるで歌の世界のようだった。
18禁映画だったけど、ぜんぜんいやらしくない。
むしろ切なさを感じる、
若い男女の4畳半フォークではなく4畳半映画。
映画ではなぜか岡林信康の『私たちの望むものは』も
流れていた記憶がある。(記憶間違いかもしれないけど)
約40年前に観た題名も覚えていない18禁 P映画。
井上陽水の『傘がない』を聴くと僕はこの映画を思い出すのです。