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DAZN観戦 2024年J3リーグ第15節 SC相模原vsいわてグルージャ盛岡

2024-06-07 18:17:31 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

0-9惨敗(11節・福島戦)のショックから一向に抜け出せない岩手。
勝利したのは天皇杯のみという状況でリーグ戦は全敗、とうとう監督交代も断行される事となりました。
しかしその内容も凄まじく、中三川哲治氏を監督就任前のポスト、つまりコーチへと戻し。
空いた監督の座に、強化部長だった神野卓哉氏が就く、自ら責任を果たしに降臨したという格好に。

そんな迷走気味の相手とは裏腹に、上位争いの真っ只中という躍進を見せている相模原。
これが今季初の視聴……と思いきや、この試合(6節・金沢戦、0-1)が初めてだったので2試合目。
当時はそれほどマークしていなかった存在が、今や大きな脅威に……という典型パターンか。
しかし前回視聴時が初黒星で、その後もロースコアの接戦を続けた結果ここまで僅か2敗で推移。
天皇杯予選~1回戦が挟まる、中々ペースが確保し辛かった5月の戦いを切り抜けたその前方の景色は明るい、といった状況しょうか。
その当時とはスタメンが大幅に変更されており、伊藤・牧山・前田といった生え抜き2年目の選手が揃って前目のポジションで起用されているのが目を惹き。

迎えた試合開始。
ボール争いの時間が暫く続く典型的な絵図を経て、先に攻撃権を確保したのが相模原。
根底を成す形がある相模原と、実績豊かな選手+オタボー頼みの節がある岩手との違いが表れた感があり。

その相模原の形は、前回観た通り3バックの基本形から、攻撃時は左右のセンターバックの片割れが前に出て2バック化するというもの。
そこから距離感を広く取ってのパスワークで前進を図る、つまりは地上でのビルドアップが肝となるチーム。
ディフェンスが前に喰い付く傾向のある岩手にとっては、福島のダイレクトパスの連続は天敵というものでしたが、この相模原の攻撃も割と嫌らしく。
取れそうで取れない長いパスを見て、その性質上DFが前に出ざるを得ない状況が幾度も発生するので、そこで相手に前を向かせては致命傷となり。

前半7分・8分に、FWの藤沼が立て続けにシュートを放つなど順風な滑り出しを見せた相模原。
一方岩手の攻撃はロングボール頼みという域を出ず、都倉をターゲットにしたものか、他選手の裏抜け狙いかの二択が精々の選択肢。

しかし12分、相模原のプレッシングを呼び込んだうえで柳のロングパスが前線に入ると、都倉が前方へ落とした事で完全に裏を取り。
エリア内で受けたオタボーが、体勢を崩しながらも2タッチ目で放ったシュートで見事ゴールにねじ入れ。
ワンチャンスという域を出ない攻めでしたが、それを綺麗にモノにして先制に成功しました。

スコアが動いた事で、試合展開は固定化され。
リードされた相模原はボールポゼッションを高めて攻勢に入る側となり、岩手はそれを凌ぎつつ隙を窺う側に。

それでも泥沼脱出への光明が見えた心理的状況か、ゴールへの近さという面では岩手が上回り。
17分、自陣での右スローインからの奪い合いを経て都倉が確保し、逆サイドへ展開ののち柳がスルーパス。
このパス一本で一気にポケットを取り、受けたのは例によってオタボーという好機になるもディフェンスに遭い撃てず。
21分には相模原のビルドアップに対し、落ち着かせようとした徳永に寄せた新里がボール奪取に成功、一気にショートカウンターに。
そのままエリア内を突いて都倉にラストパスを送った新里でしたが、満を持して放たれた都倉のシュートはゴール左へと外れてしまいます。
これをモノに出来ていれば、少なくとも敗戦は免れていたでしょうが……。

あわや追加点を献上する所だった相模原。
サイドへパスを出し入れし、ウイングバックが受けた所に相手サイドバックを釣り出すという事は、岩手DFの性質もあり難なく出来ており。
しかしそこからの展開に欠け、岩手サイドも釣り出されて出来たスペースをボランチが埋める(この辺は監督交代の賜物か)事もあり、弱点を突く事はままならず。

相模原のポゼッションが実を結ばない時間帯が続いたものの、30分台に入るとにわかに動き出し。
33分、左から牧山がロングスローを投げ入れると、跳ね返りをさらにクロスに繋げる牧山によりクロス攻勢に。
橋本の右手前からのクロスを、中央で藤沼が合わせヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
続く35分には右サイドからパスワークで前進、一旦奪われるも岩手のパスミスで継続し、右ポケットへのミドルパスに走り込んだ橋本がマイナスのクロス。
ニアでまたも藤沼が合わせましたがこれも枠外と、果敢にフィニッシュを放つ藤沼という流れは復活するものの結果に結び付きません。

次第に岩手の攻撃に可能性が無くなり、ポゼッションvsカウンターという典型例に。
岩手サイドは弱点である喰い付きを何とか抑えながら、相模原の攻勢を防ぎ続けて時間を進めていく展開。
しかし42分、自身のクリアボールを拾った前田から右サイドで攻める相模原、牧山へのパスに柳が喰い付いた所でスルーを選択する牧山。
その裏を橋本が取ってドリブルと、岩手の弱点を突いて好機に持ち込み、橋本とのパス交換を経て右ポケットの伊藤にパスを送るもクリアされて撃てず。
このシーンのような、所々危ない絵図も見られましたが、何とか無失点で前半をやり過ごします。

アタッキングサードで中々迫力を出せない相模原、牧山のロングスローでそれをカバーせんと立ち回ったものの、結局ゴールは奪えずに前半終了。
追う立場のまま、後半開始を迎えました。

共にハーフタイムでの交代は無く、それ故に試合展開は変わらずという大方の予想。
それを踏まえてか、岩手は時間を浪費させんと立ち上がりにセットプレー攻勢に持ち込む事に成功します。
中盤からのFKで放り込み、クリアされるもコーナーキックに繋げてそこから2本続け。
そのCKでもオタボーがニアでのフリックで際どいヘディングシュートを放つ(藤沼が眼前でブロック)など、あわよくば追加点を……というシーンは作れたので上々の入り。

しかしそれを過ぎると、ひたすら相模原の攻撃を受ける状況に。
後半6分、左から田中が一気にポケットへロングパスを送り、走り込んだ高野がグラウンダーでクロス。
そして藤沼が合わせるという理想的な流れを作ったものの、藤沼のシュートは巧く面を作る事が出来ずただ右足で合わせたものとなってしまい、結果GK大久保の正面に転がって抑えられ。

決定的なシーンをモノに出来なかったものの、岩手ディフェンスもこの裏狙いから作られた好機で色を失ったか。
続く7分には大和が自陣でパスを受ける伊藤に喰い付くも奪えずにドリブルを許す(その後高野へのスルーパスがカットされる)等、綻びが目立ち始め。

そして9分ついに決定的な場面を作られ、右ワイドからの橋本の縦パスの打ち込みに対し、藤沼のポストプレイを大和が倒さんという勢い(実際に倒していたのだが)で喰い付きましたが阻止できず。
受けた伊藤が右ハーフレーンをフリーでドリブルに入り、このままではエリア内へ持ち込まれるという所で、もう一人のCB・深津はスライディングを選択。
しかし結果は伊藤を激しく削ってしまうものとなり、反則の笛が鳴り警告が付き出され。
決定機阻止に近い絵図だったのもあり、この判定に対し相模原サイドが退場を求めた異議を唱える状況に発展します。
その結果覆り、改めて一発退場を示す赤いカードが深津に突き出され。
結局弱点を克服できなかったという絵図で、以降10人での戦いに突入する事となった岩手。

この騒動の中のブレイクで、相模原ベンチの方が動き牧山→福井へと交代。
そしてエリアからすぐ手前での直接FKでの再開となりましたが、前田の直接シュートは壁を直撃して決められず。
リードを失っての再開は避けられた岩手、すかさずベンチも動き始めます。

準備の間、深川がCBに・新里がボランチにそれぞれ降りての4-4-1での凌ぎ。
そして15分に交代を敢行し、都倉・高橋→斉藤・宮市へと2枚替え。
CBを一枚増やした結果5-3-1となり、CBは右から大和・深川・斉藤で、WBは右に宮市・左に柳。
オタボーの1トップとし、中盤は右から加々美・新里・安達という布陣になりました。
当然ながら、ここから我慢の展開がスタートする岩手。

その間も無い16分、相模原は右スローインからの攻めで、クロスの跳ね返りを繋いだ末に福井がカットイン。
そしてハーフレーンからミドルシュートを放ちましたが、右ポスト外側を叩いての枠外と惜しくも決められず。
ここで決めていれば大分楽になったものの、結果はそうでなかった事により、ひたすらポゼッションを貫いて打開を図る状態となり。
それは攻勢に移る反面、専守の相手に対し何も出来ないという状態を強いられる諸刃の剣でもありました。

逆に攻撃の余裕が無くなった岩手ですが、5バックでの凌ぎに徹する事で、特性である弱点が顔を出す事は殆ど無くなり。
せいぜいWBが2列目に出て規制を掛けるという程度で、その際もまだ後ろに4人残っている安心感があり。
怪我の光明の感は拭えないですが、リードを守りきれれば勝利というミッションに一丸となったように映りました。
(26分に安達→松原へと交代)

しかしサイドを完全支配して攻め上がる相模原の前に、決して容易い事では無く。
19分に再び右スローイン、橋本のロングスローが跳ね返されての二次攻撃から、前田のクロスを加藤がファーで合わせヘディングシュート。
これがゴールバーを直撃と、またも枠に助けられる格好となり冷や汗を掻きます。
さらに27分、右サイドをドリブルで抉った橋本の戻しを経て上がった徳永のアーリークロス、藤沼が合わせヘディングシュート。
GK大久保がキャッチと、相模原は中央を固める岩手の前にクロス攻撃の域を出ない状況に陥るものの、それをフィニッシュに悉く繋げ。
その状況を見るや、直後に伊藤→瀬沼へと交代しターゲットの増員を図った戸田和幸監督。

その後も展開は大きく変わらず、薄いサイドを突く相模原の攻撃。
しかし織り込み済みの岩手もそのクロス攻勢を凌ぎ続け。
サイドに付いていってのブロック、中央でのクリアやGK大久保のパンチングなど、あらゆる手段で跳ね返して時間を浪費させていきます。
そして31分に最後のカードを切り、柳・加々美→小暮・桐へと2枚替え。

数的優位の状況でも、やはり崩す手段に乏しく、「ボールを持たされる展開」の域を出ない相模原。
愚直と言われようともやり続けるしかないという感じで、クロスに持ち込み続け。
フィニッシュに繋げていた時はアーリークロスが多かったですが、岩手の最後の交代以降、奥へ切り込んでのクロスの割合が増えたのが変化といった所でしょうか。

フィニッシュを放てずに時間を費やし、迎えた37分。
左サイドで田中・高野・前田と、CB・WB・シャドーが三位一体となってのパスワーク。
ここからどうするかという所で手前からのクロスを選択した前田、ファー奥に走り込む瀬沼の手前で、果敢にパンチングでクリアにいったGK大久保。
しかしこれをミート出来ず、掠ってフリックの形になった結果ボールはゴールへと吸い込まれてしまいます。
完全にオウンゴールに近い絵図での、前田のゴールで同点に追い付いた相模原。

気落ちは避けられない岩手ですが、直後の38分にロングパスが直接エリア内の藤沼に収まるなど、攻め手を緩めない相模原の前にそれを許される状況では無く。

しかし引き締めが間に合わず、立て続けに攻撃を許す岩手。
そして39分、ここも右から高野がアーリークロスを上げると、中央ややファー寄りで合わせたのは藤沼。
今度は綺麗なフィニッシュがゴールネットを揺らし、執拗なクロス攻勢をやっとスコアに結び付け。
一気に逆転を果たし、重苦しい雰囲気を完全に払拭させた相模原。

やはり1失点目が致命的となってしまった岩手。
その後は深川が再度ボランチに戻る事で、4-4-1へと布陣変更して何とか反撃に掛かり。
一方の相模原は42分に最後の交代。
高野・前田→栗原イブラヒムジュニア・岩上へと交代し、逆に逃げ切り体制へ。(橋本が右WB→左WBへ回る)

再度エネルギーを前に出さんとした岩手ですが、既にその力も運気も無く。
相模原に攻撃を切られては深めに持ち込まれるの繰り返しで、ロクに有効打を放てません。

逆に相模原が、サイド奥に持ち込んで着実にコーナーで時間を使いながらボール保持。
自身のゴールキックでは、右へと選手を密集させたうえで左へ送るというトリックプレーを成功させ、受けた橋本がコーナーでのキープに持ち込むなど奥深さも発揮します。

そして無事に勝利に辿り着いた相模原、これで3位に浮上。
大宮の一人勝ちな状況のなか、インビジブル的に地位を上げて来たその存在感は他の脅威となり得るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第17節 柏レイソルvsアビスパ福岡

2024-06-06 16:00:58 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福岡はドウグラス・グローリが累積警告で、シャハブ・ザヘディがルヴァン杯3回戦(柏戦、1-2)での退場により出場停止。(ザヘディは前節・新潟戦(2-1)も15節の退場により出場停止)

久しぶりに観た福岡の試合、その最終ラインは見慣れないものとなっていた……。
そんな浦島太郎が頭を過る布陣ですが、グローリが出場停止でかつ奈良・宮が負傷が目立つ状況ならば仕方無いものがあり。
田代は今季全試合スタメン出場と序列を上げる事に成功していますが、堅固なディフェンスを維持できているのか、ないしはそれが綻びに繋がっているのかはまだ不透明。
そんな状況故に、この日は本来サイドの選手である亀川が左センターバックでスタメンに。

前年のルヴァン杯制覇でクラブとしての地位は上がった感があるとはいえ、もっと上の地位にいるクラブにより主力選手がオフに抜かれる立場なのは変わらず。
それを踏まえながら堅守を保つのは一苦労であり、前年見せていた4-4-2と3-4-2-1の使い分けをする余裕など無くなり、今季はほぼ3-4-2-1で固定化。
J1に居続けるための手段とはいえ、純正4-4-2による組織的守備を売りとするチームが数少なくなる状況に、物寂しさを覚えてしまうものです。
この日は、その4-4-2での守備により前年辛うじて残留を果たした柏が相手。

それでもあいにくの天候で、かつ水曜(5/29)に挟まれた9節・マリノス戦で大量失点してしまった柏。(0-4)
守備を押し出すには分が悪いと感じたのか、立ち上がりから攻勢を掛けにいき。
ボール争いを悉く制した結果、右スローインからの押し込みを連続させ、フリーキック・コーナーキックの獲得に繋げ。
つまりはセットプレー攻勢で、悪コンディションに相応しいといえる入りだったでしょうか。

前半5分の左CK、キッカー三丸のクロスをファーサイドで犬飼が合わせましたが、このヘディングシュートはゴール上へと外れ。
福岡は粘りのディフェンスを見せるも、クリアボールを拾って継続する事で息を継がせない柏。
6分にはその流れから二次攻撃を掛け、左奥でスルーパスを受けた細谷、戸嶋とのワンツーからのカットインの末にシュート。
ブロックされるも関根がエリア外で拾い継続し、サヴィオがペナルティアークからシュート(ブロックされCK)という具合にフィニッシュを重ねます。

ホーム・三協フロンテア柏スタジアムの、距離感の近い観衆の盛り上がりを助長するかのようなフィニッシュ攻勢。
11分には福岡の攻撃を切ってすかさず裏へ送り、クリアされて左スローインとなった所で素早くリスタート、福岡サイドが戻りきらないうちにアタッキングサードで仕掛け。
そして中央への戻しを経て関根がミドルシュートを放つも、ゴール左へ外れ。
13分には古賀のロングパスのセカンドボールを拾ってからの攻撃、右ワイドから鵜木のパスを細谷がスルーしてサヴィオの下へ。
ディフェンスに遭うもエリア内へこぼれた所を反応良く細谷が抜け出して拾い、すかさず前に出て来たGK村上を見てのループシュートを放ち。
しかし村上の伸ばす腕を越すには至らず、キャッチされて先制はなりません。

快調といった流れの柏ですが、それだけに決められない事による反動が怖くなる展開でもあり。
特にコンディションの悪さを受け、福岡がシンプルに裏に送るという攻撃を見せると、セーフティなラインアウトのクリアを選ばなければならず。
20分、田代ロングパス→ウェリントンフリックという定番の流れを経て、拾った佐藤の左ポケットへのスルーパスから紺野のシュートにまで繋げ。
オフサイドで無効となったものの、こうしてシンプル・イズ・ザ・ベストの思考に落ち着いた相手は怖い。
最前線で橋頭堡を務めるウェリントンが、かつて井原正巳監督自身の誇る(福岡監督時代)強力な駒だっただけに尚更であり。

そして26分、GK守田のフィードを跳ね返したウェリントンから攻撃開始する福岡。
前の落としを受け直したウェリントンがすかさず左→右へサイドチェンジ、受けた小田も間髪入れずのアーリークロスを選択。
走り込む佐藤に対し、防ぎにいった犬飼が接触で転倒してしまいボールは佐藤の下へ。
関根がクリアするも跳ね返りが佐藤に当たり、さらにそのボールが関根に当たる、ピンボールのような動きの末にゴールへ吸い込まれます。
その危惧の通りに、少ない攻撃機会で先制点に辿り着いた福岡。(記録はオウンゴール)

さらに柏は、倒れた犬飼が足を痛めた事で続行不能に陥るというダブルパンチに襲われ。
一度は起き上がるも再び倒れ込み、痛々しく担架で運ばれる事となった犬飼。
同ポジションに立田が投入され、立て直しを図る事となりました。

しかし乱されたペースを取り戻すのは難しく、以降は福岡がクロス攻勢に。
スルーパスに走り込んだ紺野の右からのクロスをウェリントンが合わせる(31分、ジャストミートせず枠外)など、危ないシーンを描き続ける結果となり。
35分には佐藤が「ストーミング」的に、GK村上のロングフィードを回収した古賀に対しアタックしてエリア内で奪い返し、そのまま中央へ流れてのシュートでゴールネットを揺らし。
しかし古賀に対する反則を取られノーゴール、判定にも助けられる一幕で更なる劣勢感を醸し出してしまいます。

そしてとうとう耐えられず、38分に右スローインから繋ぐ福岡に対し、三丸が紺野のボールキープに反則を犯してしまい。
これで右ワイドからのFKとなった福岡、中央にターゲットを集めた中、キッカーの前はその手前のニアへのクロスを選択。
これを小田が跳び込んで合わせてのヘディングシュートで、ゴールネットを揺らす事に成功します。
長所のヘッドの強さを、ウェリントン・田代の存在を囮にしたうえで活かしきり、リードを広げた福岡。

先制されて以降、まるで良い所の無い柏。
その後も福岡の縦に速い攻撃と、ピッチコンディションの悪さに苦しめられ、自陣で反則を量産。
42分には土屋がトラップミスした所を佐藤に拾われ、すかさず倒してしまった土屋が反則・警告。
これで左ハーフレーンからの直接FKとなると、キッカーの位置に立ち直接シュートにいったのはウェリントン。
普段はターゲットのイメージが強い彼が放ったシュートがゴール左を襲うも、GK守田が正面でキャッチして何とか防ぎます。

そのまま突入したアディショナルタイム、流れを反転させたい柏は関根のパスカットから素早く攻めかかり、細谷のスルーパスを受けたサヴィオ。
しかしドリブルに入ろうとした所スリップしてしまいボールが付かずに終わるなど、ピッチも敵に回る事となり。
その後エリア内でワントラップからのボレーシュートを放つ(小田がブロック)など、攻撃の橋頭堡として働いたサヴィオでしたが、肝心のゴールは奪えず。

0-2で終えた前半。
既にアクシデントでカードを使っていた柏でしたが、ハーフタイムでも動き(むしろHTで動く方が交代機会の消費がされないためお得であるが)土屋→木下に交代。
細谷・木下の2トップとなり、サヴィオが本来の左サイドハーフへシフトし、戸嶋が土屋の抜けたボランチに回って後半に臨みました。

そのサヴィオの左ワイドでの仕掛けを軸として反撃を試みる柏。
しかし中々実にする事が出来ず、逆に福岡の攻撃の際には、前述したラフな裏へのロングパスにより流れを切られる事で攻勢を作り上げられません。

逆にビハインド故に、柏の攻撃は必然的に地上での組み立てが必須となったのも重くのしかかり。
パスが減速するという悪コンディションとの戦いも強いられ、それを突くように仕掛けられる福岡のハイプレスが襲い掛かります。
後半7分、左サイド深めで人数を掛けた末にウェリントンがカットに成功、そのまま狭い距離間を浮き球を交えて繋ぐ福岡。
紺野が奥へ切り込んでクロス、クリアされるも拾って継続し、再度奥で受けた紺野がカットインと繰り返して攻めるも関根が奪い何とか断ち切った柏。
追い掛ける方がこうして圧力を受けるとなれば、とてもシュート数の差(試合終了時点で16対3)が示すような優勢感は無く。

バックスタンド側のピッチに水分が多い状態で、それによりサヴィオの仕掛けが中々機能しない状況に陥っており。
そのため逆サイドで、高い位置を取った関根に預けてのクロス攻勢に入りましたが、こちらもフィニッシュに繋がらずと苦しさが滲み出る柏。

これを変えるべくベンチが動くのは当然の事で、16分に三丸・鵜木→ジエゴ・島村へと2枚替え。
どちらも同ポジションでの交代ながら、これによりジエゴが最初から高い位置を取る事で、サヴィオが中央でプレーする体勢となり。
そしてここから、サヴィオが福岡の前線五角形の中でパスを受けるという、5-4-1の相手を崩すための手がかりの役を務めます。

19分、その状態でパスを受けたサヴィオが右奥へ対角線のロングパスを関根へ通し、敵陣でのパスワークに入り。
そして戻しを経て再度受け直したサヴィオが左ポケットへパスを送り、ジエゴがダイレクトでクロスを入れる(シュート?)も精度を欠いて実らず。
21分には中央で持ち運ぶサヴィオから、パスを受けた島村がエリア内へスルーパスを通さんとしましたが細谷には繋がらず。
崩しの体勢は整ったものの、悪天候もあり枝葉の部分での精度を欠いてフィニッシュを放てません。

結局完全な攻勢を作り上げられなかった柏。
24分には逆に福岡の攻撃で、紺野のスルーパスが水分で止まるという状況が齎されながら、拾った柏もパスミスでウェリントンに拾われて継続。
そしてエリア内に送られた佐藤へのパスを遮断した後も、GK守田のクリアがDFに当たって跳ね返るなど流れの悪さを露呈するような絵図を描いてしまいます。(結局シュートは撃てず)

時計が進み、福岡サイドもベンチが動き始め。
29分に佐藤→金森へ交代し、まずは前線の運動量を確保する采配を見せると、その通りに以降も守勢には入らずプレッシャーを掛け続けます。
そして31分、その姿勢から柏の縦パスを亀川が前に出てカット、そのままカウンターに持ち込んで金森がドリブルで左ポケットを突き。
そして入れたクロスはブロックされるも、こぼれ球を上がっていた亀川が折り返し、クリアされてCKに繋げるなど圧力は未だ旺盛であり。
33分にも井上が前に出てカットしそのまま持ち上がるという具合に、ここに来て最終ラインの積極性も表れ始め柏サイドを苦しめます。

34分に双方交代。
福岡は亀川→宮で、柏は白井→高嶺。

直後に好機を掴んだのは柏で、古賀のロングパスの跳ね返りをサヴィオが繋ぎ、島村が持ち運びからポケットへスルーパス。
そして走り込んだサヴィオのクロスがファーに上がり、木下がヘディングで完璧に合わせたものの、シュートはゴールバーを直撃し決められず。
その後35分の右スローインからも、島村のボールキープを経てサヴィオのクロスが上がると、大外でジエゴが合わせヘディングシュート。
しかしこれもGK村上のセーブに阻まれ、立て続けの決定的なフィニッシュもモノに出来ませんでした。

この時間帯は、既に柏サイドもまともな崩しは無理と判断してか、木下狙いのロングパスが中心となり。
その変節がこうした決定機に繋がったものの、その効果は長くは続かず。

逆に41分の福岡の攻撃で、ルーズボールに走り込んだウェリントンが高嶺に反則を受け。
一向に得点出来ない焦りが、さらに福岡に時間を使われて増幅する状況となり。
この左サイド遠目でのFK、その柏の隙を突くように、キッカー前は放り込みでは無くポケットへのスルーパスを選択。
そして走り込んだ金森がGKとDFの間へグラウンダーでクロスと、際どい流れを作ったものの合わずに終わり。

44分に最後の交代を使う福岡、紺野→重見へと交代。
ウェリントンを最後まで残し、あくまで最前線のターゲットを押し出す姿勢を保ち。
リードを守りきるというイメージの強い福岡ですが、この日は柏の不安定ぶり(かつ2点差という要素)もあり最後まで積極性を出しに掛かりました。

そして投入したATでも、ウェリントンのボールキープからの保持で敵陣でサッカーを展開する福岡。
そのウェリントンのパスを受けた重見がエリア内へ切り込むも、これは遮断されてこぼれ球を拾った戸嶋により柏のカウンター。
追い掛ける側が後半ATでカウンターという真新しい絵図が生まれると、サヴィオが中央突破を経て右ポケットへスルーパス、そして細谷が走り込み。
何とかフィニッシャーとして意地を見せたい細谷でしたが、走りながら放ったシュートは右へ逸れてしまい決められずに終わりました。

結局この後柏は攻撃機会を得る事無く、そのまま0-2で試合終了。
前節に続く逃げきり勝ちと、メンバーが揃わないなかでも持ち味をしっかり発揮する事となった福岡。
J1の地位固めに余念は無いようで、これが何処まで維持されるか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第18節 レノファ山口FCvs清水エスパルス

2024-06-05 16:00:50 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山口の記事はこちら(14節・山形戦、2-0)
※前回の清水の記事はこちら(16節・横浜FC戦、0-2)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 梅木が累積警告により出場停止。
  • 移籍が決定していた水口(JFL・アトレチコ鈴鹿クラブへ育成型レンタル)は、15節(いわき戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 16節(藤枝戦、2-1)で負傷交代した相田の詳細が発表され、全治約4週間との事。

<清水スタメン>

  • 川本が群馬へ育成型レンタル移籍となり、前節(水戸戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 西澤の負傷が発表され、5/19に発生して全治約3ヶ月との事。
  • 乾が8試合ぶりのスタメン出場。それに伴い、前節から4-4-2→4-2-3-1へと布陣変更。

新潟がJ1へ、大宮がJ3へと場を移しても、オレンジがチームカラー同士の対決は盛んであり。
その代表格?として、(愛媛・清水も含めた)他チームが流動している間もずっとJ2を維持している山口。
成績的にも今季はそれに相応しいものとなっており、こうして難敵・清水をホームに迎えても「何とかしてくれる」というムードを膨らませて挑めたでしょうか。

対する清水は、前回観た際は完敗したとはいえ依然首位をキープ。
レギュラーの矢島のみならず成岡をベンチ入りさせる、古巣対決という色を強くアピールしたのも、そんな強者の立場が齎したものか。

試合が始まり、繰り広げられる20人+GK2人のオレンジの戦士(とはいっても、清水はアウェイ故に白のユニフォーム)によるボール争い。
その中で前半3分、クリアボールを拾いにいった原が新保に倒され、右サイドからのフリーキックを得た清水。
キッカー矢島が上げたクロスに住吉がヘッドで合わせ、右ポケット奥に流れたボールを北川が折り返してチャンス継続。
混戦のなかブラガ→原ポストプレイ→住吉シュートとフィニッシュに結び付けると、ブロックされた跳ね返りを右からさらに乾がシュート。
これを中村がヒールでコースを変えましたが、密集に引っ掛かってこぼれた末に掻き出され。
いきなりの波状攻撃も、結局ゴールは奪えませんでした。

出だしから清水の強者ぶりを味わった山口ですが、「去年とは違う」という事を見せ付けるべくその後奮起。
7分清水がボール保持による攻撃で、サイドチェンジを使いながら前進していき、乾が右からアーリークロス。
これをブロックで防いだ山口、跳ね返りを拾った山本が高橋祐の腕でのチャージを受けながらもボールキープを果たした末にスルーパス、これによりカウンターに持ち込みます。
新保の切り込みを経て中央でパスを受けた吉岡がミドルシュートを放ち、ゴール上へと外れてしまうも、これにより応戦姿勢は整い。

山口の攻撃は、例によって新保が前に出る左肩上がりへの可変が基本姿勢。
既にリーグも中盤でそのシステムは周知となっているはずですが、対する清水サイドの分析ならびに対応はどうだったのか。
左サイド(清水から見て右サイド)でのトライアングルによるパスワークで、あっさり新保を空けてしまう場面が目立つなど、それは甘かった感があり。
12分の山口は右サイドでの攻めで、キムボムヨン→佐藤ポストプレイ→田邉裏へミドルパスという定番の流れのなかで、吉岡がハーフレーンに位置取り山原をピン止め。
これにより空いたワイドにそのパスが送られ、そこに前が走り込む(ラインアウトで繋がらず)という具合に、あまりボールポゼッションに拘らない姿勢ながらも「相手を引き付けて崩す」意識は十分に持ち併せ。
清水は強者の奢り……という訳では無かったでしょうが、その山口の姿勢に対する準備は全体として感じられる事は有りませんでした。

そして13分、清水の自陣でのパスミスから山口の攻撃、左ワイドでボールを持った新保がポケットへパスを送って自らもパス&ゴー。
田邉のキープからのリターンを受けて奥へ切り込む新保により清水ディフェンスの網は破られ、入れられたグラウンダーのクロスを吉岡が合わせます。
シュートはジャストミートせずも、全体の勢いが勝った結果ゴール内へ転がり、先制に成功した山口。

反撃したい清水ですが、その形を作る事無く時間を浪費していき。
サイド攻撃を仕掛けたいものの、最終ライン→サイドバックに出した所に二度追いを掛ける山口のFWにより、数的優位を作る事はままならず。
原が前に出ての右肩上がりの布陣で、高めに位置取る新保の裏を取りたいという意識は見られましたが、原自体が新保のプレッシャーで詰まる事も多く。
またスタメン復帰した乾も、本調子には程遠いのかトラップ際を奪われるシーンが目立ち、攻撃の流動化を果たせません。

そんな清水を余所にペースを掴む山口。
前述のパスワークでの崩しの他、山本をターゲットとしたロングボールも有効打となり、セカンドボールを拾う事で敵陣でサッカーを展開する時間を増やします。

端的にどちらが順位が上なのか判らないといった内容で、その通りに次にスコアが動いたのが27分。
ここも左サイドから河野がハーフレーンに位置取ってのパスワークで崩しを図り、佐藤→新保戻し→田邉縦パスという流れで、マークが外れた河野を経由して中央へ。
そして若月のポストプレイを経て、起点となっていた佐藤が果敢にダイレクトでミドルシュートを放つと、狙いすましたようにゴール左隅へと突き刺さります。
早期に追加点を挙げ、勝利へのムードを高める山口。

一方の清水、この場面も然りショートパスによりボールを上下動させると、構えていたはずのディフェンスがあっさり前に釣られてしまう性質があり。
それを完全に把握されていたという感じで、前に出た瞬間に1タッチパスを通される事はこの後も目立ち。
前年の熊本戦が思い起こされるこの傾向ですが、それを直す事が出来ないのは根深いチーム特性か、あるいは秋葉忠宏監督以下首脳陣の能力の限界か。

これにより、その後も優位性を保つ山口。
何度か受ける清水の攻撃も凌ぎ、球際での激しいデュエルも制して反撃に持ち込むという具合に、組織的にも全体の流れでも上回ったチームは強く。
清水サイドが前掛かりの意識を高めたのもあり、悉くワイドでフリーとなる新保へとボールが渡り、更なる追加点を狙いにいきます。

41分からCKを3度続け、全て左からでキッカー佐藤は全てニアへのクロスを徹底。(いずれもクリアされ実らず)
神経戦といった前半終盤になると、44分には右スローインから空中戦に持ち込みボックス内を突く流れに。
跳ね返りを逆サイドで拾った新保のクロスが入ると、大外で収めた山本がボールキープを経て反転シュート。
強烈なグラウンダーのボールが間を縫うも、GK権田がこれをセーブと、何とか3点目は許さなかった清水。

結局2-0のまま前半が終了。
苦しい状況となった清水、当然の如くハーフタイムで動き矢島・ブラガ→松崎・千葉へと2枚替え。
北川・千葉の2トップとなり、乾が左サイドハーフに回る4-4-2へシフトと調整を図りました。

SHとなったものの、中央寄りに絞ってトップ下のままのように振る舞う乾。
便宜上のミラーマッチから変化させる、という姿勢で崩しに掛かったでしょうか。
その通りに後半2分、中村の縦パスを受けた乾が奪われるも、すぐさま白崎が奪い返して中央でのパスワーク。
距離感の近い繋ぎを経てチャンスエリアに持ち込み、北川の突撃がこぼされた所を中村がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、幸先良い入りとなり。

しかしその兆しも直ぐに途切れ、4分には山本がドリブルに入った所を白崎が倒してしまい反則・警告。
ここから山口が攻撃権を取り返し、5分には田邉のミドルパスで裏を取った新保が奥を突いてクロスと、相変わらずストロングポイントは全開といった感じ。
このクロスは流れるも、拾った吉岡が右からカットインを経てミドルシュート。(枠外)
続く6分には、新保を囮としつつ田邉が左サイドを持ち運び、中央で受けた若月がエリア内へ突撃。
ディフェンスに遭うも、こぼれ球を田邉がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、多少強引ながらもフィニッシュで終わらせ。
この辺りはカウンター防止の思惑が強く出た格好で、勝利への進撃は既に始まっているといった絵図でありました。

それを崩さんと清水ベンチは早めに動き、8分に白崎→宮本に交代。
しかし流れを変える采配にはならず、10分には乾が左ワイドで詰まらされた末に中盤でボールロスト。
田邉の縦パスを受けた山本が中央からミドルシュート(枠外)と、山口の思惑通りに時間を浪費していく流れを止められません。
その山口も13分にベンチが動き、佐藤→板倉へと交代、板倉が右SBに入って前がボランチへシフト。

15分、清水は長いボールポゼッションを経て乾のミドルパスで左奥を突き、山原のクロスをファーサイドで原が合わせにいき。
両SBが最前線という分厚い攻撃もクリアされ、その跳ね返りを宮本がミドルシュートに持っていき、これがエリア内の北川の足下に収まった事で偶然ながらも混戦に。
横パス→宮本スルー→松崎で何とか混戦を抜け出し、松崎のシュートが放たれるもブロックに阻まれ。
その後2本続いたCKも、高橋祐のヘディングシュートが決まらずと、運を味方にする事も出来ない清水。

盤石に見えた山口ですが、20分に若月が足を攣らせて倒れ込み。
スタミナ限界には早いような気がしますが、アグレッシブにいっていた事もあり消耗も激しかったでしょうか。
これで交代を余儀なくされ、若月・山本→野寄・末永へと2枚替えし、河野がFWへ回ります。

この体力面の不安を見せてしまった事で、一転清水の攻勢に。
24分に再びボール保持による前進で、右奥を突いた末にCKに持ち込むと、キッカー山原のクロスをニアサイドで中村がヘディングシュート。
対角線でゴール左へ向かったこのボールを、ゴール前に居た新保がヘッドでブロックして何とか凌ぎます。
しかしその新保も、可変の肝となる存在故に消耗具合が著しく、その後清水に右サイドの跳梁を許す状況が続き。

これにより原が高い位置を取り続けるなど、暗雲振り払うかのように攻め込む清水。
27分には中央からの前進で、中村の縦パスを乾が間で受けるという具合に、徐々に生まれる相手の綻びを突き。
そして右ポケットで浮き球パスを収めた原がシュート、これが巻く軌道でファーサイドを襲うも、ゴールバーを直撃し惜しくも決められず。
遅まきながら、試合開始時での狙い(原が新保の裏を突く)がようやく形となり。

しかしこの状況を山口ベンチが対応しない訳も無く。
31分に最後の交代を敢行、新保・河野→沼田・シルビオへと2枚替え。
これで3-4-2-1へとシフトし、野寄が右ウイングバック・沼田が左WBとなってワイドを締める対策を施します。(センターバックは右から板倉・ヘナン・キムボムヨン)

この交代後、先に好機に持ち込んだのは山口。
32分沼田のボール奪取から敵陣でショートカウンター、シルビオのポストプレイを経て末永がミドルシュート。
最後はフィニッシュで終わらせるというリスク管理は健在でしたが、ブロックされた結果右CKとなると、ファーへクロス→ヘナン折り返しがカットされて清水のカウンターに。
千葉がドリブルで一気に持ち運ぶも、キムボムヨンが反応良くスライディングで奪い、すると反転して山口がカウンター。
カウンターのカウンターという絵図で、スルーパスを右ポケット奥で受けたシルビオの戻しを経て野寄がシュート(枠外)と、ここでもしっかりフィニッシュに繋げ。

清水も最後のカードを使う段階となり、35分に高橋祐・中村→北爪・成岡へと2枚替え。
古巣対戦の成岡投入以上に、これにより原がCBに回る事となったのが目を惹きました。

その後も攻め続ける清水ですが、ブロックの外側で回すか、距離感の近いパスワークで強引に崩しを図るかの2択を強いられ。
37分には中央で乾がボールを持ち後者の状況となった所、前に反則を受けた事で直接FKの好機。
これを山原が直接狙い、壁を越えてゴール左上を襲うフィニッシュとなったものの、ポスト上部を直撃とまたも枠に嫌われる結果となり。

そうして終盤を迎え、押し込んでクロスを上げる状況には持ち込むものの、守備を固める山口を崩しきるのは至難の業であり。
突入したアディショナルタイム、敵陣浅めで北爪が沼田に反則を受けるも、放り込みは選ばずあくまで徹底抗戦する清水。
そして右サイドを前進していき、得たスローインからの繋ぎで右ポケットを取り、成岡のポストプレイを経て松崎のシュートが放たれ。
しかしこの枠内シュートもGK関にセーブされ、どうしても1点を取る事が出来ません。

これによるCKでGK権田が上がり、総攻撃体制を取ったものの実らず。
その後はシルビオが右奥でボールキープに入るなど、着実に時計を進める山口の前に万事休すとなり。
2-0のまま試合終了の笛が吹かれ、首位チームを下したという歓喜に沸く事となった維新みらいふスタジアム。

快勝した山口を尻目に、またも組織面で後れを取っての敗戦を強いられた清水。
迫る暗雲という状況を、次節のダービーマッチ(藤枝戦)で振り払う事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第18節 ジェフユナイテッド千葉vsファジアーノ岡山

2024-06-04 16:01:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(13節・いわき戦、0-1)
※前回の岡山の記事はこちら(16節・甲府戦、2-0)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 負傷離脱していた鈴木大が6試合ぶりに復帰しベンチ入り。
  • エドゥアルドが14節(横浜FC戦、1-0)で負傷離脱から復帰するも、15節(甲府戦、2-2)で再び負傷交代し以降ベンチ外。
  • 猪狩(産業能率大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり16節(愛媛戦、7-1)から登録される。

<岡山スタメン>

  • JFL・ヴェルスパ大分へ育成型レンタルしていた山田が復帰となる。登録はまだされていない。

前々節・愛媛戦での大勝で、またも得点数を大きく伸ばす事となった千葉。
栃木戦(8-0)と併せて2戦で15得点と、これだけ荒稼ぎをすればリーグトップの数字(37得点)となるのは当然であり。

しかしその2戦があるからこそ、水増しされたかのような錯覚に陥るもので。
そして次の試合である前節(長崎戦、0-1)は無得点で敗戦と、これほどまで綺麗な逆転現象となってしまえば喜劇的でもあります。
やはり昇格のためには、接戦となった試合を拾えるかどうかが問われるもので、こうして乱高下が激しくなれば連勝すら覚束ない。
前年は後半戦の大連勝でプレーオフ圏内に滑り込んだものの、今季も同じ事が出来るかはまだ判らない。
そんな懸念を抱きながらとなった前半戦も残り2試合、挽回の気運を掴めるかどうか。

岡山のキックオフで試合開始となったその刹那、ロングボールに合わせにいったルカオと、それを防がんとした佐々木が交錯。
両者とも痛んで倒れ込み、開始僅か10秒で負傷が危ぶまれるシーンを描く事となり。
ルカオは直ぐに起き上がるも、佐々木は1分程掛けて起き上がりと、体格差がそのままダメージ差という事が表れたのち両者ともピッチ外→復帰。

しかし岡山は怯まず、以降もそのルカオのポストワークを活かす立ち回りを続け。
3分にボールを収めたルカオの前進をメンデスが倒してしまい反則、これで右ハーフレーンからの直接フリーキックとなり、キッカー田上はシュートか縦パスか判別し辛いボールをエリア内へ。
これが壁に当たって右コーナーキックとセットプレーが続き、キッカー早川のクロスをニアで阿部がフリック、これもシュートかどうか区別し辛いボールとなって流れ。
しかしファーサイドで高橋壱がクリアと、何とか凌ぐ千葉ですがさらに岡山の右スローイン。
ポケットへ直接投げ込まれたボールをルカオが収め、そのままバイシクルで裏へ送った所に藤田息が走り込み。
クリアされるもまたもCKと、ひたすらルカオのパワーを活かして押し込みを掛けた岡山。

しかし7分の千葉のゴールキック、短い繋ぎからすぐさま佐々木が低い弾道でロングパスを送ると、収めた横山の縦パスが小森の下へ。
素早い前進を繰り出した千葉に対し、これを田上が反則で阻止してしまい警告を受けるという具合に、パワーを前面に出すが故のツケを支払う格好に。
今度は千葉がエリアからすぐ手前の直接FKで、キッカー田口が直接シュートを狙いましたが壁を直撃して実らず。

岡山がルカオの能力をフルに生かし、千葉が縦に速い攻撃を繰り出すという対抗戦。
こうなると、中々全体の組み立てやペースワークが図り辛い試合展開となり。

そして18分、その流れをモノにしたのは千葉でした。
高橋壱がパスカットしたこぼれ球を拾った横山、中央での前進を経て右へスルーパスと先程と同様に中継役を務めた所に、走り込んだ田中和が奥からクロス。
中央ややファー寄りに上がったこのボールを、田口がバイシクル気味に合わせボレーシュートを放ちます。
すると田上のブロックで軌道が変わり、ゴールバー下を叩いてバウンドした末に上部に突き刺さるという具合に、そのゴールも展開の激しさを象徴するような絵図となりました。

試合が動いた後も岡山は、22分に阿部縦パス→早川フリックによる浮き球を収めたルカオが佐々木に倒されて反則と、変わらぬ立ち回りを貫き。
これによるFKでは、キッカー早川クロス→柳育折り返しを経て、ルカオがボレーにいくも合わずに終わり。

その後の千葉のゴールキック、短い繋ぎから岡山のプレッシングをかわす立ち回りと、リードによる変化を見せ。
GK藤田和から中央を運び、小林縦パス→小森ポストプレイを経て、受けた横山が先制点のシーン同様に右の田中和へスルーパス。
そして田中和から上がったクロスをファーで日高が合わせボレーシュート。(GKブローダーセンキャッチ)
ビルドアップ成功も、敵陣の部分では本質的に変わらない攻め。

これにより、再度縦に速い運びを貫く流れが固まったでしょうか。
徹底的に右の田中和を使う立ち回りで、スローインでも田中和がロングスローを繰り返すという具合に、1分毎に相手エリア内へ運ぶ流れを築きます。

つまりは1-0となった後もどちらも変わらない立ち回りで、ハイテンションぶりが交錯するような状態に。
その所為か29分、またも浮き球を収めて前進するルカオに対する反則で高木俊に警告。
31分にはGKブローダーセンロングフィード→柳貴フリックを収めにいった岩渕が佐々木に倒されて反則・警告と、千葉サイドに立て続けに被害が出る事となりました。

それでも岡山の攻撃は、基本セットプレー頼みの趣があり。
膨らむ反則によるFKや、ルカオの突撃を主としてのCK獲得から、何とかターゲットを活かさんとするも有効打は放てず。
こうなると焦りにより危機も招き、37分には空中戦を経てメンデスがラフに裏へロングパスを送ると、阿部のクリアミスが絡んで横山に繋がる事に。
そして中央からミドルシュート(枠外)と、乱戦模様に拍車が掛かり。
38分にはメンデスの縦パスをフリックした田中和により、裏を取られた末吉が自ら拾わんとした田中和を倒してしまい反則・警告、これにより警告もお互い2度ずつとなります。

相手の混乱が垣間見えるうちに追加点を狙いたい千葉。
42分、前掛かりの相手に対し左サイドから田口が対角線にスルーパスを送ると、これが一気に右ポケットを突くボールとなり田中和が走り込み。
ワントラップからシュートと思いきや逆サイドへクロス気味に流れ、フリーの高木俊が合わせたもののこれは枠に飛ばず。
アディショナルタイム序盤にはまたも左サイドからで、高木俊がカットインで中央に流れてスルーパス、受けたのは当然ながら田中和。
勢いそのままにエリア内へ流れ放たれた田中和のシュート、ブロックされるも拾った横山がミドルシュートと攻め立てるも、GKブローダーセンがキャッチ。
テンションの高さを保ち、果敢に攻め込むも2点目は奪えません。

その後(ATは4分と長め)岡山のCK攻勢が繰り広げられるも、結局1-0のまま前半が終わり。
結局岡山は数多攻撃を浴びながら守護神の好守に助けられるという、前節(仙台戦、4-1)と類似する流れを描く事となりましたが、この日はビハインドなのが相違点。

迎えた後半開始。(ハーフタイムでの交代は無し)
乱戦模様を引き摺るかのように、中々形にならない入りを経て後半3分に最初に好機を作ったのは千葉。
前半とは逆に、左サイドで高木俊を活かすような攻めに舵を振り始め。
今季場数の少ない高木俊により、日高もどう関われば良いのか不透明な面がありましたが、それを解決に掛かったでしょうか。

しかし再び岡山のセットプレー攻勢でそれが途切れ、7分にはスローインからの繋ぎで、縦パスを収めたルカオが反転シュート。(枠外)
直後のゴールキックでは、ロングフィードを収めた横山から田口スルーパス→田中和と、やはり右の田中和を使う攻撃へ転身。
そして右ポケットから上がったクロスをファーで高木俊が合わせにいき、クリアされて左CK。
キッカー高木俊のクロスをニアで田口がフリックし、中央で横山がヘディングシュートに持ち込むもゴール上へ外れ。
独力での突破力に欠ける高木俊故に、やはりこうして右での組み立てに合わせにいく形が理に適うといった所でしょうか。
しかしそうなると縦に速い運びへと傾倒し、結果的に相手の反撃も招く事に。

10分にGKブローダーセンのフィードをカットした田中和、そのままアーリークロスを上げ、ファーで小森がヘディングシュートを放つもGKブローダーセンがキャッチ。
すると今度はスローで右へ投げたブローダーセンから、千葉が戻りきらないうちに柳貴→藤田息縦パス→ルカオポストプレイと素早い運びを経て、竹内のスルーパスで裏を取り。
そして右ポケットからの柳貴の低いクロスを岩渕が走り込んだ末に合わせ、ゴールネットを揺らして仕上げます。
1タッチでの繋ぎの連続(ルカオのみ2タッチ)をモノにし、同点に追い付いた岡山。(キックオフ前に早川→木村へと交代)

一方、何処かで落ち着かせていれば……と悔やむ結果となった千葉。
とは言っても、ハイプレス&カウンター重視のスタイルである以上その切り替えは難しいものであり。

14分の岡山、GKブローダーセンのロングフィードが柳貴を越え、右サイド奥へ流れた所を日高に一旦拾われるも木村が奪い返し。
そして奥でカットインからマイナスのクロス(ニアでカットされる)と、早速投入された木村がその威力を見せ付け。
千葉も15分に高木俊→ドゥドゥに交代し、両翼から推進力を発揮する体制となり。

以降千葉は、中継役の横山が動き回りパスを引き出しに掛かりますが、その横山も早めの勝負に囚われている節があり。
アーリークロスやシュート気味のグラウンダーでのクロスに終始し、中々攻撃権を確保できず。

そんな中で事件は起こり19分、浮き球で裏へ送られたボールに対し、受けにいった小森が田上と激しく激突。
これで田上の反則となり、警告の対象となった結果2枚目により退場処分か下され。
しかし頭部同士の接触で、よりダメージが激しかったのは田上の方で、倒れたままレッドカードを突き出されるという何とも語り難い絵図となってしまいました。(小森は直ぐに起き上がる)
ピッチレベルでも同じらしく、田上のダメージが気になるという状況で、何時もなら退場による異議・反応が見られる所ですがその面は実に大人しく終わり。
無事に起き上がった田上も、大した異議は唱えず素直にピッチを後にする事となりました。

しかし微調整に慌ただしくなる岡山サイド。
岩渕→河野へと交代し、河野が右ウイングバックに入る事で3バックを保つ体制に。(3バックは右=柳貴・中央=柳育・左=阿部)

何とか1-1の状態を保ちたかった岡山ですが、それは直ぐに夢物語となり。
22分の千葉の最初の攻撃で、横山が左サイド奥を取る状況となり、ボールキープを経て日高のクロスが上がり。
そしてファーで田中和が脚で折り返し、中央で受けた小森が、スライディングでブロックに来た柳育を冷静にかわした末のシュートでゴールネットを揺らします。
不利な状況故にどうしても焦りが顔を出してしまう岡山。
それにより千葉サイドもゴール前という直結な部分ながら、ようやく落ち着いた判断が下せたでしょうか。

数的不利で追いかける立場となった岡山。
5-3-1に見せかけて攻撃時では木村が高い位置を取る、3-4-2と言った方が正しいような布陣に掛ける事となり。
一人一人が無理をしなければ苦境は跳ね返せない状況で、その通りのプレーを各個見せ始めます。
26分にはパスに入れ替わる、ルカオのようなプレーを見せた藤田息が田口に倒されて反則。
これで得た右遠目からのFK、キッカー河野はエリア手前中央へ放り込み、木村のフリックでファーへ流れた所に柳育が足から跳び込みましたが合わず。
32分にはロングボールのセカンドボールを拾った木村が右からカットイン、ポケットを突き、クロスがブロックされた後も藤田息・河野が繋ぎ。
同サイドで人数を掛け、何とか崩さんとしましたがこれも実りません。

前後して、29分に最後のカードを切った岡山。
柳貴・竹内→田中雄・齋藤へと交代した事で、4バックへシフトしてルカオ・齋藤が2トップの4-3-2へシフト。

圧力負けしたくない千葉は32分、中盤で小森のボール奪取から素早く前に運ぶと、今度は田中和がスルーパスを出して高橋壱が走り込むという逆の状況に。
そして上がったクロスをファーでドゥドゥが折り返し、GKブローダーセンがパンチングで弾くも高橋壱が拾い継続。
そしてパスを受けた田中和がミドルシュート(ブロック)と、あくまで追加点を狙う姿勢で岡山の流れを切り。
その後35分に小林・田中和・小森→品田・岡庭・呉屋へと3枚替え、運動量の担保を図ります。

どんな形でも好機が欲しい岡山、39分にGKブローダーセンロングフィード→木村を越えた奥でルカオが拾うという、14分と同様の流れから奥に持ち運ぶルカオ。
そして入れられたマイナスのクロスをニアで田中雄が合わせシュートと、細い線を繋いだものの右サイドネット外に終わり惜しくも実らず。

終盤を迎え、有利なはずの千葉にも暗雲が。
41分に横山が足を痛めて(攣らせて?)続行不能となり、最後のカードを切る事に。(林を投入)
しかしその直後GKブローダーセンのロングフィードの跳ね返りを田中雄が拾い、品田をかわしてパスを受けた齋藤に対し、戻った品田がチャージしてしまい反則。
そしてここで、素早くリスタートしようとした田中雄に対し、佐々木がその蹴り出しをクリア。
するとこれが主審(高崎航也氏)に遅延行為と取られる不幸が発生し、警告並びに2枚目による退場処分を受ける事となってしまいました。
どう見ても岡山のリスタートに反応しただけなので、納得し難いのも当然となりましたが、判定は覆らず。

そして仕切り直し、中央やや右寄り・エリアからすぐ手前の岡山の直接FK。
これを田中雄が直接狙い、右から巻いてゴールを狙ったものの外れてしまい同点ならず。
そのままATへ突入し、本格的な10対10の戦いが始まりました。
千葉は高橋壱が佐々木の代わりにセンターバックに回り、右サイドバックに岡庭・右サイドハーフに林が一列ずつ下がって穴を埋める格好に。

スローインを受けにいったルカオがメンデスに倒されて反則となるなど、最後までセットプレーの流れは変わらなかったこの試合。
これによる放り込みを中心に押し込む岡山ですが、千葉もそれが途切れた際、ゴールキックで一気に裏を狙って岡庭のシュートに繋げる(枠外)など背後を脅かし。

その流れに伴い、敵陣まで入り込んでボールを持ったGKブローダーセンが細かいタッチでのドリブル、呉屋を剥がしてからのパスで好機を作り出し。
そんなイレギュラーなシーンを経て、田中雄のミドルパスがエリア内を突きますが、木村・ルカオが跳び込むその手前でGK藤田和が抑えて実りません。

そして7分という目安時間が過ぎ、自陣ボックス付近でボールを奪ったドゥドゥから、スルーパスの連続でボールを受けた林。
そのまま右ポケットに持ち込みシュートチャンスを迎えるも、そこで試合終了の笛が鳴り響き。
ゴールテープを切るかのような絵図で、千葉が勝利に辿り着きました。

冒頭で述べたように接戦を制する事に成功したものの、内容は「当たるも八卦」的なものなのは否めず。
連勝を果たすにはもっとゲームコントロールの術が欲しいという風に映りましたが、今後はどうなるか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第17節 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟

2024-06-03 16:02:56 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 町田ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前年初の昇格を成し遂げた町田。
しかしその戦いぶりは、とうとう夢のJ1の舞台でその初々しさを前面に……とは真逆の状況となっており。
まあ成績的には首位を快走しているという、前途洋々なものなのですが。

何しろ開幕戦(ガンバ戦、1-1)から、そのホームのアクセスの悪さがJ1という土俵によって可視される事で、大いに物議を醸す入りとなり。
その後はパワーサッカーを前面に押し出し、並み居る強豪をなぎ倒しながらあっという間に頂点に最も近い位置に登り詰め。
それによりラフプレーとも異なる、「審判に見えない部分での接触」「試合が止まればすかさず時間を使おうとする姿勢」といった事象が(悪い意味で)話題となり。
そうした新興勢力の跳梁を許す既存クラブ、という要素もあり一層混迷を極めている今季のJ1リーグ。

さて、この日そんなクラブと相対する事となった新潟。
開幕前には町田・黒田剛監督が「足元でチャカチャカやるサッカー」と、ポゼッションスタイルを全否定するかのような発言をしたとの事で、俄然注目の的となった感のあるこの試合。

しかし目下降格圏の方が近い状況となっている今の新潟では、まともにぶつかっては黒田監督の思う壺となるのは自明の理であり。
前半1分のゴールキック、普段の短く繋ぐ姿勢から、蹴り出しを受けたGK小島はロングフィードを選択。
そのフィードも鈴木孝をターゲットとするもので、続く2分にも秋山のラフな蹴り出しを鈴木孝が収め、デュエルを強いられながらキープを果たし。
まずは1トップ(yahooスポーツナビでは、長倉との2トップという表記)のポストワークを前面に出し、神戸戦のような「スタイルを封じられて何も出来ない状態」の回避に努めました。

そんな相手の変節を見ても、町田は4分に早速(林が)ロングスローを放り込むなど普段のスタイルを貫く構えを取り。
しかし5分には敵陣でボール確保したのち、チャンミンギュのサイドチェンジも絡めながら繋ぐも、結局戻して作り直しといったポゼッションサッカーの姿勢に。
慎重な姿勢の新潟に合わせるというシーンが、今後の様相を暗示するものとなってしまったでしょうか。

それでも、8分にはGK谷のロングフィードがオセフンを越えて藤尾に渡り、左奥を突く好機。
ここからロングスローを2本続け、2本目の二次攻撃から生まれた混戦で、平河の中央からのシュート(小見がブロック)にまで持っていき。
得点は奪えずも、こうした神経戦のような立ち回りで、相手へのダメージを蓄積させていく。
その徹底ぶりがこれまでの成績に繋がっており、この日もその効果は見られ。
16分新潟が自陣でボールを持つも、例によって町田のプレッシャーを受けた事で左→右へと苦し紛れのサイドチェンジ。
これを藤原が(鈴木孝と?)お見合いしてしまう格好となり、受けられず仙頭に拾われた末に彼を倒してしまい反則、町田にフリーキックを与える事に。
このFKからはフィニッシュに持ち込めずも、失点に直結するミスが生まれる危惧が高まり始めます。

しかし直後の17分、右サイドから奥を突かんとした平河、タッチを割ったのちも勢いが余った末にコーナーフラッグと激突。
その結果無残にも根本から破壊されてしまったフラッグを受け、交換のため試合が中断される事となりました。
いかにも町田のサッカーが織り成す絵図だな……と考えさせられるとともに、相手にも余裕を与える結果に繋がったでしょうか。

新潟の自陣深めでのスローインで再開(20分)すると、町田のプレッシャーを受けながらもデンがキープからのミドルパスでそれを脱出。
これを収めた長倉からの繋ぎも、町田の素早い寄せを受けながらのものながらでしたが、こぼれ球も巧く拾って前進を果たした末に谷口が(鈴木準に)反則を受け。
(その後のFKからも)好機にはならずも、町田のサッカーに対する耐性を見せ始めた事で試合が動く切欠となり。

24分こぼれ球を拾った藤原から前進を始めると、秋山はここもポストの姿勢から浮き球のパスと変化を付け。
受けた小見が持ち運び、長倉にパスを出したボールを林がクリアするも、これが逆方向へ流れてスルーパスのようになってしまい。
走りを止めなかった小見がこれを拾った事で、エリア内でGKと一対一に近い状態へ持ち込んだ末にゴールネットを揺らし。
あろう事か自身のミスも絡んで先制を許すという、町田の目論見とは真逆の結果となりました。

先制した新潟は、尚もその直後に決定機。
ここも中盤でのボール争いから、秋山のダイレクトパスでの脱出を経て、跳ね返りを拾った小見が右奥を突く状況に。
そして上げられたファーへのクロスに、動揺を隠せない町田はGK谷が跳び出すも、遅れてしまい谷口のヘディングシュートを許し。
無人のゴールに吸い込まれる……と思われましたが、ゴール前に戻った昌子がカバーし、辛うじて追加点は防ぎます。

コーナーキックを得て一気呵成といきたかった新潟ですが、その意識が仇となり。
キッカー秋山はライナーでファーへのクロスと変化を付けるも、早川折り返し→長倉のポストプレイが繋がらずにカウンターを招いてしまい。
藤本のドリブルは小見が遮断するも、拾った鈴木準を経由し平河がドリブルに入った事で一気に数的優位の状態で敵陣へ。
そしてエリア内へ切り込んで右へと横パスが出されると、藤尾がワンタッチでゴールへ蹴り込んで完遂させます。
綺麗なロングカウンターで、同点に追い付いた町田。

一方新潟サイドは、中盤でデンが主審(川俣秀氏)と交錯したために鈴木準のカバーを遮断出来ずとなったため不満を露わにする結果に。(判定は覆らず)
30分には自陣で柴戸に奪われてのショートカウンターで、またもエリア内での横パスから藤尾のシュートに繋げられ。(右サイドネット外)
折角奪ったリードも直ぐにフイとなり、再度精神面からの建て直しを余儀なくされます。

しかし町田サイドも、普段とは違う新潟のスタイルにリズムを掴めなかったか。
35分に新潟のゴールキック、蹴り出す前に藤尾がエリア内に入ってしまったためやり直しという珍しいシーンを招き。
短く繋ぐ相手にハイプレス、という格好のシチュエーションに中々入れず。
全体としてアンカーの位置取りをする秋山に対し、2トップが切るという姿勢に落ち着く事となります。

自身のストロングスタイルを見失ったような町田は、結果最終ラインからの繋ぎによる攻めに入らざるを得なくなり。
そして新潟がそれを遮断して攻撃権を掴むという、逆の展開が発生。
その末の45分、早川のパスカットから攻める新潟、谷口のスルーパスを左ワイドで受けた長倉が溜めを作りながらカットイン。
そして中央への戻しを経て放たれた谷口のシュート、鈴木準がブロックするもエリア内へこぼれた所を詰めたのは藤原。
長倉・谷口の2名に引き付けられた結果防ぐ手段は町田に無く、ゴールネットが揺れて新潟が勝ち越し点に辿り着き。
本来のスタイルでは無い、相手のペースを捻じ曲げる立ち回りの末に前半リードに成功しました。

1-2で迎えたハーフタイム。
今季の新潟が前半でリードする事はこれが2試合目(HTの時点では初)と、普段のサッカーの残像を利用するのは予想以上に有用となり。
逆に前半ビハインドはこれが3試合目の町田、過去2試合はいずれも敗戦に終わっており。
手を打たざるを得ないと言わんばかりに、このHTで藤本→ナサンホへと交代して後半に臨みました。

ペースを確保したい町田は後半2分、藤尾のドリブルが舞行龍にこぼされるも、その際交錯して動けなくなった舞行龍を余所にナサンホが拾って継続。
そして舞行龍不在の隙を突いて前進し、再度藤尾の持ち運びからエリア内へラストパス、平河がダイレクトでシュートを放ちましたがGK小島がセーブ。
マリーシア染みた町田の姿勢が発揮されたような好機となりましたが、舞行龍はその後4分、報復と言わんばかりに藤尾に対し激しいチャージを敢行。
藤尾は頭部を痛めて倒れ込むも反則の笛は鳴らずと、やられたらやり返すといった姿勢(もちろん偶然でしょうが)で、この日の新潟は対抗姿勢を示します。

そんな相手に対し町田はペースを握るどころか、逆に傷口を広げる事となり。
6分敵陣でボールポゼッションと久々に本来の姿勢を発揮する新潟、左サイドで繰り広げるパスワークに対し、町田は谷口に対し鈴木準が反則を犯してしまい。
これで得た左ワイドからのFK、キッカー秋山は(前半の失点に繋がったCKを踏まえてか)素直に右足でゴールに向かうようなクロスをニアへと上げ。
合わせにいった谷口との競り合いを経て、チャンミンギュのヘッドでのクリアがゴールへと向かう事となってしまい、ネットを揺らす結末に。
偶発的故に誰も責められないオウンゴールで、リードが2点に広がります。

これで積極性が必要なくなった新潟により、町田は一層主体的な攻撃を余儀なくされる状況に。
守備を固める相手の前に、必然的にパス主体での崩しを迫られるという具合に、皮肉にも自身が「足元でチャカチャカやるサッカー」をしなければならない事となりました。

それでも11分、新潟のパスミスを鈴木準がダイレクトで繋いだ事で、薄い守備を突ける状態に。
左からの林のクロスがクリアされて左CKとなるも、ショートコーナーで変化を付けた末に入れられた鈴木準のグラウンダーのクロスがカットされて新潟のカウンターと、前半とは真逆のシーンを生む結果となってしまいます。
長倉のドリブルを遅らせて何とかフィニッシュには持ち込ませずも、既にそのアイデンティティは喪失状態に。

状況打破のためベンチも動き、14分に3枚替えを敢行。
鈴木準・仙頭・オセフン→望月ヘンリー海輝・荒木・エリキへと交代します。
以降、類まれな身体能力を有するサイドバック・ヘンリー(J2では、長崎のモヨマルコム強志に類似か)を前面に押し出すスタイルで反撃体制に掛かる町田。
それに合わせるように、柴戸が最終ラインに降りる事で右肩上がりとなるビルドアップの形。

決定機は18分に訪れ、後方でのパスワークから中央での繋ぎを経て、ナサンホのミドルパスが直接エリア内を突くものとなり。
右寄りで受けた平河が放ったシュート、GK小島を抜いたものの左ポストを直撃。
跳ね返りをすかさず荒木が詰め、決まったかと思われたものの早川のブロックに阻まれ。
さらにエリキが詰めにいった結果、スライディング同士の激突で早川を削る格好に。(反則無し)
ゴールまであと一息という状況も、結局はその攻撃性によるラフプレーで終わる事となってしまいました。(早川は何とか無事でピッチ外→復帰)

一方の新潟は、ポゼッション能力を守備面で発揮するなど2点リードを存分に活かす立ち回り。
こうした状況にどうやって持ち込むか(つまり如何に先にリードを奪うか)の課題と向き合う、あくまで最初からその立ち回りを押し出すガンバとは違うチームだな……という事を認識させられる流れにもなります。
町田のボール保持に対してはリトリートの構えも見せるものの、24分には右ワイドで受けた柴戸に対し奥村が釣り出されるなど、その練度は未熟であり。

何とか突破口を開きたい町田、27分例によって高い位置でミドルパスを受けたヘンリーから好機を作り、平河のエリア内中央へのパスを荒木がスルーして左のナサンホに渡り。
切り返しからのシュートを狙ったナサンホでしたが、読みきった藤原に切り返す所で奪われ、折角の地上からの崩しもモノに出来ません。
この直後に藤尾→ミッチェル・デュークに交代と、早くも5枚のカードを使いきったのに対し、新潟サイドはこの時点で交代無しとこの面でも苦しさが滲み出る事となり。

しかしその新潟も蓄積ダメージは隠せず、32分には秋山が足を攣らせてしまい、担架で運ばれる事となりベンチワークの堰が切られ。
秋山・早川→島田・堀米へと2枚替えし、その後守備重視の立ち回りの色はさらに強まります。
それでも40分に敵陣深めでの右スローインから、長倉が浮かせたままのボールキープによるカットインでポケット奥に切り込む(そのままゴールラインを割る)という具合に、要所で発揮される技も勝利へのムードを高めるのに一役買う事に。
さらに41分には鈴木孝→ダニーロへ交代し、谷口がFWへシフト。

敵陣でボール保持する事で、時間と攻撃機会を町田から奪うのに成功する新潟。
45分に得た左CKでは、ダニーロがコーナーでキープの体勢に入り、掻き出しを長倉が拾った事で好機。
奥村が左ポケット奥で持つ状況となり、そのままシュートが放たれるも流石に角度が足りずサイドネット外に終わり。
売り出し中といった奥村でしたが、この日はゴールを奪う事が出来ず。

町田はこの直後のゴールキックで、GK谷のロングフィードを収めにいったデューク、マーカーのデンを軽く押した事で外した末に確保するという具合にその姿勢自体にブレは見られず。
ここから攻撃権を支配する状態となった町田でしたが、既に時間もアディショナルタイム。
唯一のフィニッシュは、左サイドからの前進で林がクロスを上げ、ファーサイドで合わせたヘンリーのヘディングシュート。
ターゲット型SBの本領発揮といったフィニッシュでしたが、これもGK小島のセーブで防がれどうしても2点目を奪えません。

一方相手が相手だけに、そのプレッシャーで最後まで気が抜けないという新潟。
ATに入り、アウェイ側スタンドに詰め掛けたサポーターによる、ホーム側を凌駕するその声援で勝利への実感を強めるといった絵図に。

その後押しを受けながら1-3で試合終了の時を迎え、ようやく5勝目を挙げる運びとなりました。
相手に合わせるようなスタイルでもぎ取ったその勝利は、窮地での一時凌ぎという色も強いものとなりましたが、その姿勢が浮上のためには不可欠なのも確かであり。
この後の中断期間を経て、両面をミックスさせた進化を遂げる……なんて事はあるかどうか。

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