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DAZN観戦 2024年J2リーグ第3節 愛媛FCvsロアッソ熊本

2024-03-14 16:01:14 | サッカー視聴記(J2)

<愛媛スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 水曜(3/6)にルヴァン杯1回戦が挟まる。(長崎戦、延長3-4)敗退したため、そこで退場(警告2度)になったパクゴヌがこの試合出場停止に。
  • そのルヴァン杯からの継続出場は、小川・尾崎・深澤・石浦の4名が連続してスタメン。山口・谷本が途中出場。

<熊本スタメン>

  • 竹本は開幕前に故障して離脱中。

今年から全クラブが参加、その代わりに予選はトーナメント制となったルヴァン杯。
どのカテゴリもリーグ戦と並行して戦う事となるなど斬新さが生まれましたが、反面天皇杯と似たり寄ったりな感もあり。

1回戦は3/6と3/13の2週に分けて行われ、先んじて挑み、そしてその戦いを終える事となったのは愛媛の方。
同じJ2の長崎と死闘を繰り広げ延長戦の末に敗退、かつ退場者(パクゴヌ)を出してリーグ戦に出場停止が持ち越されるという具合に、新たなレギュレーションを存分に味わう事となりました。
リーグ戦のレギュラー選手も少なからず起用したため、120分間戦った影響が心配されたこの日の試合。

それを突かんとしてか、あるいは普段からの姿勢か。
相手の熊本は立ち上がりから積極的なサッカーを繰り広げ、そんな愛媛を押し込みに掛かり。
勢い余り、前半2分にはべジョンミンが小川に対するアフターチャージで反則、早くも警告を貰う事態となりましたがそれにより減衰するという訳でも無く。
保持時は愛媛ディフェンスの間を通すパスを連発するビルドアップ。
非保持時は果敢に最終ラインにまで詰めにいくプレッシングで、ペースを奪いに掛かります。

そんな熊本に対しても、愛媛はゴールキックからショートパスを繋いでそのプレッシングをかわしに掛かるなど、徹底抗戦の構えを見せ。
GK辻→センターバック→GK辻→降りてきたボランチという流れでのパスワークで剥がしたのちに前進に移るというその姿勢は、J2に再昇格して1年目という立場の違いを感じさせません。
しかし前進に成功しても、ポイントゲッターの松田には江﨑がほぼマンマークのように付き纏うので、彼へボールを集める余裕は無く。

そして魔の手に捕まる事となり、11分に敵陣での伊東のカットから好機に繋げる熊本。
パスワークを経て阿部が右からアーリークロス、クリアするも小さくエリア内で岩下が拾いシュート。
ブロックされた跳ね返りをさらに豊田がシュートするも、味方のべジョンミンに当たりラインアウト。
ホッとしたのも束の間、ゴールキックは例によってショートパスでの再開なため熊本のプレッシングで息もつかせぬという状態に。
ここもGK辻→森下→GK辻とのパス交換から前進しようとしますが、(この試合3度目なため)流石に読まれたか小長谷に2度追いで詰められてしまう辻。
そして至近距離でカットされた末の、小長谷のシュートがゴールネットを揺らします。

積極性を見事にスコアに結び付けた熊本。
その後はボール保持中心に、反撃したい愛媛の気勢を逸らしに掛かります。
大木武監督により変則フォーメーションも、今季はさらにマイナーチェンジし前年の3-3-1-3から、3-4-1-2へシフト。
2000年代に流行っていたこの布陣ですが、「トップ下が守備ブロックに入る際、何処に位置取ればいいのか」という問題を抱える事となったため時代遅れのものにとなり、以降は3-4-2-1か3-3-2-2(3-1-4-2)が主流に。

しかし熊本は果敢に前からいくスタイルなうえに、便宜上トップ下の石川が、ポストプレイヤーとして振る舞う役どころのため実質3トップという布陣。
そして攻撃の際は、2トップの片割れがボールサイドの方のワイドに張り出すのが特徴で、特にドリブラーの小長谷がベッタリと左ワイドに張る姿はウイングといっても差し支えないものであり。
端的に言えば、前年までの布陣から、安定性を求めてドイスボランチにしたという感じの変更だったでしょうか。

そんな特異な相手に立ち向かわなければならない愛媛。
18分、熊本の攻撃終了でGK辻がボールを足下で抑えると、繋ぐと見せかけて素早くキャッチ→スローを経て前進。
先程の失点シーンの残像を逆手にとり、受けた小川も持ち運びから縦パスと素早く縦に運び。(ここから一旦奪われるも奪い返し、左から山口クロス→松田もオフサイド)
26分には再び小川が持ち運び、左を窺う姿勢からの直進でべジョンミンを釣って剥がすなど、あくまで最後方からのビルドアップで抗戦する構えは崩しません。

しかし熊本も、プロ初ゴールを挙げた小長谷がその後羽を伸ばすかのようにプレー。
21分にパスワークを経て左ワイドで受けると、エリア内の豊田とのパス交換からカットイン、そして中央ペナルティアークから切り返しの末にシュート。(GK辻セーブ)
24分にも左奥の位置からカットインを仕掛ける小長谷、そして左ポケットからクロス気味にシュートを放つ(GK辻キャッチ)という具合にエンジン全開と化し。

それでも一進一退感が強かったこの時間帯ですが、31分に愛媛は縦パスを受けた石浦が転倒するという形でのボールロスト。
この機を逃さない熊本、石川が右ポケットへ進入してシュート(ブロック)と素早い攻め、防がれた後も繋いでコーナーキックに持ち込み。
この際に石川が鼻血を出してしまったためピッチ外へ出る運びとなり、一時10人となってしまいますがその間もボール保持に努める熊本。

やはり名将の下、確固たる姿勢を磨き上げたクラブの力量は、J3から上がりたてのクラブが止めるのは厳しいものがある。
そんな戦評が過るなか、37分の愛媛は再度GK辻からの前進で、ボックス中央に降りてきた谷本へのパス。
そしてさらに降りてきた松田へパス→松田ポストプレイ(レイオフ)と、前線の選手も組み立てに参加させる事で前進を図ります。
自陣に降りる松田に対しても江﨑は喰い付いて来るので、この手段は割と有効となり。

この前進を成功させたのち38分の右スローイン、尾崎がロングスローと見せかけて右奥へと投げ入れ。
受けた窪田の戻しから尾崎のクロスが上がり、跳ね返りを谷本が果敢にミドルシュート。
強烈に伸びる軌道を描いてゴール左上へと突き刺さる、目の覚める一撃で同点に追い付きます。
フィニッシュはゴラッソながら、前進の工夫でスコアに繋げる事に成功した愛媛。

その後も、ワンタッチプレイ中心での前進で熊本のプレッシングと相対し。
それでも熊本は、41分には大西のロングパス一本で、走り込んだべジョンミンがワンバウンドののちダイレクトで合わせシュート(枠外)と長短を使い分ける事も出来る(今の愛媛にとって)強敵なのは変わらず。

ここからスローイン・CKで押し込む熊本の攻撃を凌いだ愛媛、反撃に転じたのが45分。
GK辻が今度はロングフィードを選択、松田が収めて攻撃開始と「俺達も長いボールでの攻撃は出来る」という事を見せ付けると、その攻撃で事件は起こり。
左サイド奥を突き、茂木のスルーパスを経て最奥から山口がクロスを上げると、ブロックに入った阿部の右腕に当たった事でハンドを告げる笛が鳴り響き。
エリア内なため当然PKであり、阿部も腕を上げていたため言い訳が効かない絵図となり、終了間際に絶好機が訪れます。

キッカーは当然松田で、助走の際に減速するフェイントを入れたのちゴール右へとシュートしましたが、このフェイントがまさかの運命の分かれ道に。
シュートはGK田代のダイブも届かない位置に決まりましたが、松田のフェイントにより山口が蹴る前にエリア内へ駆け込むという事態になってしまいます。
慌てて引き返した山口でしたが間に合わず、無情にもやり直しを告げる笛が鳴り響き仕切り直しとなり。
そして松田は2度目も右へとシュートしましたが、これをGK田代も同様に、そして先程より鋭く(そう映った)飛び付いた末にセーブ。
完璧に防ぎきり九死に一生を得た熊本に対し、愛媛は非常に悔いが残る失敗となりました。
そして1-1のまま前半が終了。

ハーフタイムで熊本の方が動き、先程ハンドしてしまった阿部に代えて岡崎。
アクシデントでは無さそう(現に後日のルヴァン杯1回戦には出場した)なので、懲罰の意味合いか、ないしは故障明けの岡崎の試運転か。

後半の立ち上がり、後半2分に窪田のドリブルが岩下に倒されて反則、愛媛の右サイドからのフリーキック。
キッカー茂木がファーにクロスを上げると、森下が飛び込んでヘディングで合わせきり、ゴールネットを揺らし。
しかし大西の後方から強引に飛び込んだ事で大西を倒してしまった事で、反則が取られたためまたも幻のゴールとなってしまいます。

めげない愛媛は5分、パスカットした谷本が縦パス、受けた石浦がスルーパスと素早い縦の運びで裏を突くもGK田代が跳び出してクリア。
続く6分には熊本の攻撃、上村周がミドルシュートを放つもGK辻がセーブ。
すかさずクリアで防ぎ、尚も熊本に押し込まれるも遮断してカウンターに持ち込む愛媛、またも石浦のスルーパスによる攻めを展開します。(走り込んだ窪田がクロスもブロックされる)

熊本の前掛かりな姿勢を突くように、カウンターの姿勢が目立った後半の愛媛、それに伴いゴールキックもロングフィードの選択が多くなり。
しかし両サイド奥を突いてクロスに辿り着いても、上記のように熊本ディフェンスのブロックでエリア内まで届かないシーンを量産してしまい。
それによりポイントゲッターの松田も苛立ちが目立ったか、10分に繰り返し反則による警告(ないしは過剰反応が異議ととられたか)を受ける事となり。

相変わらず主体的な攻めは衰えない熊本。
9分に右→左へのサイドチェンジから小長谷→岩下の2人で崩し、上がったクロスを石川がニアでヘディングシュート。(枠外)
11分にはFKから、クロスの跳ね返りを伊東がヘッドで左ポケットへ送り、岩下が走り込んでシュート(枠外)と攻め立て。
しかしゴールを奪えずにいると、直ぐに「上手くいかない時間」がやって来てしまい。

16分に縦パス攻勢で攻め上がる愛媛、熊本のディフェンスに遭うもしぶとく繋いだ末に、左サイドに持っていき茂木がクロス。
そしてニアに松田が合わせにいく(クリアされる)という、前年の得点源の攻めを繰り出した事でペースを掴み。
18分には熊本があろう事か、岡崎がボールに乗ってしまい転倒でボールロストという失い方をしたのに乗じて攻める愛媛、素早く右へ展開して窪田がドリブルで持ち込み。(ポケットに進入するも大西に阻まれる)
続く19分、ドイスボランチ(谷本・深澤)+トップ下(石浦)のトライアングルによるパスワークで熊本の寄せを剥がしきり、左サイドへ展開して茂木がクロス。
そしてこれをファーサイドで松田が合わせ(枠外)、とうとうホットラインによるフィニッシュを生み出しましたがゴールは奪えず。

好循環が巡って来たかのような愛媛ですが、時間の経過は無情なもので交代カードを余儀なくされる時間帯に。
熊本が先んじてカードを切る(伊東→大本・19分)も、それに続くかのように21分に2枚替え。(茂木・石浦→曽根田・菊地)
後半はパス出しが冴え渡っていた石浦だけに、ペースを減衰させる交代となってしまった感があり。

それでも応戦する愛媛ですが、中々フィニッシュに辿り着かないのを尻目に熊本はしっかりとそこまで繋げてくる攻撃。
25分には左→中央→右への展開を経て大本がドリブル、奥へ切り込んだ末のクロスが中央のべジョンミンを越えるも、その奥で合わせた岩下のヘディングシュートが脅かし。(ゴール左へ外れ)

そしてその差が表れたのが28分で、先程の右サイドアタックに、主にターゲット役だったべジョンミンが絡んでの前進。
右奥を突く姿勢からマイナスのクロスを入れるべジョンミン、これをニアで石川がフリックでコースを変えると、フリーの小長谷に渡る絶好機となります。
そしてワントラップで尾崎のブロックを剥がし、放たれた強烈なシュートがゴールに突き刺さり。
今度は主体的なシュートで得点した小長谷により、再び勝ち越した熊本。

それでもホームの場で諦められない愛媛、30分に熊本の自陣でのパスミスを拾った曽根田が岡崎に反則を受けた事で警告と、まだ運気は残っている事を示し。
このFKからクロス→折り返しを経て森下が跳び込む好機を作る(GK田代が手前でキャッチ)事でそれを証明します。
33分にさらに2枚替え、窪田・松田→佐藤諒・ダンカンへと交代。

しかし攻撃の手を緩めない熊本、35分に得たCKから、クリアボールをダイレクトで上村周がミドルシュート。
これが当たり損ねて上空へ上がるも、落ちて来たボールがゴール上部を襲った事でGK辻が辛うじてセーブ。
こぼれ球をさらに石川が詰めにいき、触れられる前に辻が何とか弾くという具合に冷や汗ものの絵図となります。

愛媛はクロスまでは辿り着くものの、熊本を脅かす一撃は中々放つ事が出来ず。
それでも38分には攻撃を凌いだ熊本が、バックパスの連係ミスでGK田代が受けられずにCKとなるなどその後方に揺らぎが見え隠れし。
そして39分に熊本が、この日のヒーロー(仮)というべき小長谷を退かせ。(松岡と交代)
すると40分に愛媛が最後のカードを切り、谷本→舩橋。

これにより菊地がボランチに回るなど、攻撃の駒が溢れるような布陣となった愛媛。(とはいえ大宮時代にボランチをやった経験はあり)
その執念が実ったか、42分に尾崎の反則気味のボール奪取から攻め上がり、ダンカンが右奥を突くも戻したのち佐藤諒のカットインも挟んで逆サイドへ。
そして山口の手前からのクロスをファー奥でダンカンが折り返し、クリアしきれずこぼれた所をすかさず菊地が詰めてシュート。
最前線まで上がってターゲットとなっていた菊地が結果を出した愛媛、これで再び同点となります。

またも追い付かれた熊本は、キックオフの前にべジョンミン→大﨑へと交代。
その後は俗に言うオープンな展開に突入も、追い付いてかつホームの立場である愛媛は気分的にハイとなっていたでしょうか。
44分に熊本のCKを凌いでカウンターに持ち込むと、佐藤諒のスルーパスに走り込んだダンカンが大西に倒されて受けられず。
しかし反則の笛は鳴らずそのまま続行されると、熊本の前進を反則で阻んだ事でその不満を噴出させた結果、尾崎が異議により警告を受け。

これでムードが悪くなった、というよりはサッカーの神の裁きを受ける立場となってしまったか。
自陣からのFKとなった熊本ですが、既にアディショナルタイム目前だったため放り込みを選択。
ロングパス→大本落としを経ての右からの(上村周の)クロスは流れるも、逆サイドで拾った松岡が魅せ。
尾崎を剥がして左ポケット奥に進入すると、中央を固める愛媛に対しバックパスを出し、フリーで走り込んだ大西が果敢にダイレクトでシュート。
強烈にニアサイド上を打ち破る(ゴールバー内側に当たってゴールイン)、FW顔負けのシュートを炸裂させた事で三度の勝ち越しに成功した熊本。
ピッチ脇に選手総出での歓喜の輪が出来上がります。

痛恨の失点となってしまった愛媛、諦めずに森下を最前線に上げて攻めの姿勢を見せた残り時間。
それでも、長短交えてその手段を有効にさせるには決定的に時間が足りず。
最後はFKでのクロスをGK田代が直接抑え、次の瞬間試合終了の笛が鳴り響き。

3-2という競り合いを制した熊本。
内容的にも、シュート数で圧倒した(14対4)うえでニューヒーロー誕生を匂わせるものとなり、今後に期待させる1日となったでしょうか。

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