ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

メリダとおそろしの森

2012-07-15 23:31:06 | ま行

絵がね、すっごいですよ。

「メリダとおそろしの森」2D版 54点★★★

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スコットランドのある王国の
王女メリダは

幼いころから弓が得意で
自由を愛するおてんば少女。

年頃になった彼女に
母親である王妃は縁談を持ち込むが、
メリダは猛反発する。

母と大げんかして城を飛び出したメリダは
森で魔女に出会う。

「母の考えを変えたいの」と願うメリダに
魔女はある魔法を授けるのだが――?!

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「トイ・ストーリー3」(2010年)
「カーズ2」(11年)に続くピクサーアニメ。

ヒロインのメリダはかわいらしく

特に毛糸のような
クリクリ赤毛のリアルさはものすごいことになっており、
それを見るだけで、この映画の価値の8割はあると思いました。

ほっぺの質感も
ソフビのキューピー人形みたいな、つるつるプニプニですごい!

2Dで見たけど、相当に立体的で
完全に人形アニメを見てる感覚でした。


ただストーリーはあまりいただけない。

王妃教育が嫌いなおてんばお姫様は
キャラとしてはキュートだけど、

もっとおそろしい森での冒険譚かと思ったら
そういう話ではなく

物語の動機も核も
“母親への反発”だけなので、
成長物語として魅力が少ないんですよ。


魔女に教わった魔法が元で
物語が動いていくんですが、

そもそもそこの発端が、
洒落にならなくないか?という(苦笑)

なにより、いくら勇ましいヒロインでも
おとぎ話にはやっぱり
王子様でも登場させないとねえ(笑)


ということで、2Dでも絵は十分楽しめたし、
十分かもしれません。


ただピクサーのお楽しみ、同時上映の短編アニメは
いつもながら見応えあり。


「ニセものバズがやって来た」は未見なのですが、

「月と少年」はドリーミーで王道的な良作。
ラストも気が効いてました。

本年度アカデミー賞の短編アニメ部門
ノミネート作でもありますんで。


★7/21(土)から全国で公開。

「メリダとおそろしの森」公式サイト
コメント
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