ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ロンドン、人生はじめます

2018-04-18 23:49:27 | ら行

 

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(06年)(いい映画!)の

ダイアン・キートンによる、“人生と暮らし”の映画。

 

「ロンドン、人生はじめます」69点★★★★

 

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自然も街並も美しい

ロンドン郊外、ハムステッドの

高級マンションに暮らすエミリー(ダイアン・キートン)。

 

夫に先立たれ、空虚な日々を送る彼女は

ある日、向いの森に小屋を作って暮らす

ホームレスの男性(ブレンダン・グリーソン)の存在を知る。

 

まったく違った世界に生きる彼に

エミリーは興味を示すのだが――?!

 

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まず

美しい景色を堪能して、ヘルシーな気分になれる!

これは完全に請け合いです。

 

ロンドンのハムステッド地区って

高級住宅地らしいけど、自然がいっぱいで

こんなに美しい街なんだ…は~…(憧れのため息)。

 

で、その高級マンションに暮らすエミリー(ダイアン・キートン)が主人公。

一見、なに不自由なさそうに見える「いい暮らし」なんだけど

彼女は夫に先立たれ、しかも死後に夫が浮気をしてたことが発覚し、

内面はモヤモヤ~としている。

同じマンションに暮らすセレブ妻たちとのうわべの付き合いにも

なんとなーく心地悪さを感じている。

 

そんなとき、彼女は向いの森に暮らす

ホームレス男性(演じるはブレンダン・グリーソン。ハリポタの“目玉の”あの人!)の存在に気づき、

彼と交流を持つんだけど――?という展開。

 

 

このお話、

実際にイギリスの国立公園で暮らしていたホームレス男性の

ある実話にヒントを得ているそう。

 

シニア世代を代弁するかのような

主人公二人はそれぞれ魅力的なんです。

 

でもね、逆に現実味ありすぎるというか(苦笑)。

 

主人公たちは、まったく別の“エリア”に生息してきた人たちで

ゆえにお互いに興味を持ち、ちょっと惹かれてもいるんだけど、

なにせ、60年以上別々の歴史を重ねてきたわけで、

そう簡単に、自分の領域から踏み出せないんですよね。

 

歳を重ねた彼らならではの

人生の軌道修正のしづらさ、それゆえのもどかしさもあって

それが最後の最後まで続くんですね。

 

リアルと言えばそうなんだけど、

こういう色調の映画としては

もっと“映画っぽい”ハッピーで彩られてもいいのになーとも思ってしまった。

 

でも、とにかく風景に癒やされるし

「老年になってもなんやガタガタ、ドタドタしとるんや」ってことに

なーんか安心感をもらった気もしました。

 

★4/21(土)から公開。

「ロンドン、人生はじめます」公式サイト

コメント
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