ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

サバービコン 仮面を被った街

2018-04-30 20:11:22 | さ行

 

ジョージ・クルーニー監督×コーエン兄弟脚本。

 

「サバービコン 仮面を被った街」59点★★★

 

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1950年代、郊外に開発された

美しい新興住宅地サバ―ビコン。

ここには

理想の暮らしを求めて、さまざまな人がやってきている。

 

サラリーマンのガードナー(マット・デイモン)も

妻ローズ(ジュリアン・ムーア)と、息子(ノア・ジューブ)と

夢の暮らしを求めて、ここに住み始めた。

 

脚が不自由なローズは車椅子生活だが

家にはローズの妹マーガレット(ジュリアン・ムーア、二役)が一緒に暮らし、

家族の世話を焼いていた。

 

だが、平和なガードナー家の日々は

ある事件で一変することに――?!

 

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ハリウッドの“兄貴”(確かに。笑)ジョージ・クルーニー監督作品。

 

「グッドナイト&グッドラック」(05年)よかったし

マット・デイモン主演×コーエン兄弟脚本ということで期待大!だったんだけど

案外、中身はフツーだった(笑)。

 

宣伝イメージも「なんか、この街に、問題があるのか?」というムードが感じられたので

そっち方面を想像していたんだけど、

不倫や殺人、そしてドロ沼……という

割にオーソドックスなノワール劇だったのですわ。

 

お話は1950年代に郊外の住宅地で起きた

実際の事件をモチーフにしているそうで

なるほど

ヒッチコックっぽいクラシックさを狙っているのかな、という感じ。

 

 

ただねー、まず一番の残念要素は

ジュリアン・ムーアが、マット・デイモンの現在の妻ローズと、

ローズの妹の二役をやっているところ。

 

これが、そもそも混乱のもとなんですよ。

最初にローズとマーガレットが2ショットで登場するシーンとか

「母娘なの?」とか思っちゃうし、

関係性がわかりにくい。

 

さらに、彼らの隣人に越してくる黒人一家の話との絡みも不完全だし。

 

 

まあ、次第に状況はわかってくるんですけどね。

 

画一化され、偽善の空気が漂う不自然な“街”の描写は

同じマット・デイモン主演の「ダウンサイズ」のほうがよくできてたなーとか。

 

ただ、よかったのは

「ワンダー 君は太陽」(6/15公開)で印象的だった少年、

ノア・ジューブ君が夫婦の息子役で出てたこと。

彼はいいですよー。

 

★5/4(金・祝)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開。

「サバービコン 仮面を被った街」公式サイト

コメント
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