大空を見上げて

日頃感じていること

春との旅

2010-07-09 | Weblog
 私達夫婦は余暇を見てよく映画に行く。

先週の土曜日、以前より見たいと思っていた「春との旅」を観て来た。
名優、仲代達也が高齢者問題を考えさせる役を見事に演じている。
親族(兄弟姉)を訪ね歩く旅。気まずい再会等。
帰り際、妻は両方の気持ちが良く分かると言っていた。
親族と言えどそれぞれが家庭の事情、問題を抱えての生活あり、「遠い親戚より近くの他人」と昔からのことわざもある。

私はこの映画を見て幼い頃を思い出していた。
終戦時、外地から日本に帰国(引揚者)した父親は、私達子供三人を連れて大分、福岡、広島、山口のそれぞれ親類、親戚を渡り歩いた。
しかし、皆家族子供をかかえ、自分達が生きるのが精一杯で気の毒そうな顔で見送られた。大きなリュックを背負った父親の後を夜汽車に揺られ、不安な気持ちで旅をしたのを思い出していた。
子供心に「これからどうなるのだろう?」泣きそうになったが姉達は笑顔でいつも明るくしていたのを思い出す。
その後山口の叔父の家で少しお世話になったが、それはそれなり大変だった。
その頃私は5歳で、叔父の家の前の道路を通る子供達に、毎日のように「家が決まったらのし上げるどう!(ぶっとばす)」山口弁で言っていたらしい。
放浪の旅のあげく、親戚の家にお世話になる肩身の狭さが、幼い私にも気持ちの不満としてあったのかも知れない。

その後、父は無事就職が決まり私達は会社の家族住宅の社宅に入居できた。
      *本当に「春との旅」だったような気がする
コメント
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