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医学部を目指す理由 最多は「患者を救いたい」でも「成績が良かった」でもなく…目指すのが自然な環境

2024年05月20日 21時05分05秒 | 医学部と医師の育成のこと
国立の医学部は、それほではありませんが、私立医学部の学生の7~8割は親また近親者に医師がいる学生ですね

医学部を目指す理由 最多は「患者を救いたい」でも「成績が良かった」でもなく…目指すのが自然な環境 (msn.com) 

>これは、本音の理由で、
面接で、「親が医者だから医師を目指した」というと即不合格ですが、


NEXER社はこのほど、医進予備校「太宰府アカデミー」と共同で実施した「医学部を目指したきっかけ」に関するアンケートの調査結果を公開。「最難関」というイメージを持つ人も多いであろう医学部を目指したきっかけ、その最多回答は「患者を救いたい」でも「成績が良かった」でもないことが分かった。


同調査では、全国の男女980人のうち「自分自身や家族・友人などに医学部に進んだ、もしくは目指していた人がいる」と回答した305人に「目指したきっかけ」を聞いた。


最も多く挙がったのが「親が医者だから」で23.3%という結果に。次いで「たくさんの患者を救いたい」(21.3%)、「学業の成績が良かったから」(14.1%)、「医者という存在に憧れて」(12.1%)が続いた。


親が医者の場合、自分も医者を目指すのが自然という流れもあり、「親が開業医なので、医者を目指すのが自然になっている友人が多くいた」(30代男性)、「5代100年以上続く医者の家系だが、長男の自分が医学部に進学しなかったので、弟が代わりに医者になった」(30代男性)、「親が医者だった同級生の多くが医学部に進学した」(40代女性)など具体的なエピソードが寄せられた。


また、医学部を目指し始めたタイミングは半数近く(41.3%)が「15~18歳未満」と中・高校生の時期であることが分かった。


・医進予備校「太宰府アカデミー」公式サイト:https://dazaifu-academy.jp/






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高校からの入学で医学部「進学率90.1%」 日本唯一の医科大学付属高のメリットとは?

2024年05月04日 21時03分17秒 | 医学部と医師の育成のこと



高校からの入学で医学部「進学率90.1%」 日本唯一の医科大学付属高のメリットとは?(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース 


高校からの入学で医学部「進学率90.1%」 日本唯一の医科大学付属高のメリットとは?

5/13(土) 9:06配信
94コメント94件
写真はイメージ

 日本で最も難易度の高い医学部受験。大手進学塾講師時代に5000人以上の生徒たちを難関校合格に導いてきたMIRAINO教育グループ代表の野田英夫氏が、著書『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』(講談社)で提唱しているのが「医学部3.0」だ。これは「中学受験で大学付属校を受験し、内部進学で医学部を目指す」スタイルである。


 ホリエモンvsカリスマ教育ママ…噛み合わない「チャットGPT論争」がどこまでも不毛なワケ 


 ◇  ◇  ◇  

医学部を目指している人たちでなければ、あまり知られることのないのが、川崎医科大学附属高校。日本で唯一の医科大学の付属高校です。 

 高校の定員はひと学年20~30人で、3年間の寮生活を送ることになります。学校は岡山県にありますが、全国から生徒が集まってきます。認知度こそ低いですが、高校からの推薦で毎年9割近い生徒が川崎医科大学に進学しており、医師免許の合格率も9割超となっています。医者というスペシャリストを、高校から養成するための教育をしています。「寮生活で医師になる覚悟を決めた子が入ってくる」学校です。 


 ちなみに、進学先である川崎医科大学は、日本で最も高い授業料を設定している大学で、偏差値は「60」と医学部では比較的に入りやすい学校です。

「国公立大学の医学部でなければ……」といった親のプライドにこだわるケースが多いですが、「どんな医者になるか」のほうが大切なこと。まずは医師になる夢を実現する選択肢の一つとして、取り入れてもよいかと考えています。 

 ほかに、医学部がある大学付属校にはどんなところがあるのでしょうか。

  まず関西エリアで狙い目の医学部付属校は、近畿大学附属高等学校・中学校です。毎年、医学部へ4~5人が内部推薦で進学しています。中学受験の入試問題は、基本問題が多く、解きやすい出題になっていますので、受験対策も立てやすくなっています。九州エリアには、医学部付属校として久留米大学附設中学校・高等学校があります。ただし、この学校は内部推薦で大学に上げるよりも、一般で外部受験させる傾向の強い学校になっているので、入学しても大学付属校としての恩恵は受け取りづらいようです。

  関東エリアの場合は、獨協医科大学と、東海大学医学部の付属校が狙い目です。獨協医科大学の系列校としては、獨協中学・高等学校と獨協埼玉中学・高等学校の2校があり、そのうち獨協医科大学医学部への内部進学者数は6名。しかし、2022年度からは医学部の系列校推薦枠が10名に増加しています。 

 一方東海大学の付属校からは21名が医学部へ内部進学しています。東海大学の付属校は、全国各地にあります。全付属校一斉に高1~高3の例年4月頃、実施される基礎学力定着度試験で上位100番以内に入っていることが東海大学医学部の内部進学への基準となります。 

 また、医学部の大学付属校としては日本大学も忘れてはいけません。付属校は全国にありますので、地方エリア問わず、中学からでも高校からでも受験が可能です。  さらに、医学部のなかった早稲田大学も、日本医科大学との連携によって、早稲田大学付属校ならびに系属校からの医学部推薦の道が開けています。 (内容は著書を再編集しています)





https://news.yahoo.co.jp/articles/83b11f83d86642842594d329f60c557e7b3372a5
コメント (1)
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学費の安い「私大医学部」ランキング! 2位は「順天堂大学」、1位は?

2024年04月13日 08時05分26秒 | 医学部と医師の育成のこと
学費の安い「私大医学部」ランキング! 2位は「順天堂大学」、1位は?(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース 



学費の安い「私大医学部」ランキング! 2位は「順天堂大学」、1位は?
4/5(金) 9:30配信




ねとらぼ
画像:写真AC


 数ある大学の学部の中でも、特に学費の高いイメージがある医学部。私立大学の医学部において、学費が最も低いのはどの大学なのでしょうか。


【画像:ランキング31位~1位を見る】


 本記事では各私立大学が公表しているデータを基に、学費の安い私立大学の医学部をランキング形式で紹介します。どのような大学がランクインしているのでしょうか。さっそくランキングを見ていきましょう!


 なお、諸会費や委託徴収金は金額に含まず、修学資金貸与制度のある自治医科大・産業医科大は、制度適用前の金額で算出しています。


●第2位:順天堂大学(2080万円)
 第2位は「順天堂大学」で、医学部の6年間における学費は合計2080万円でした。東京都文京区に本部を置く順天堂大学は、1838年に創立されたオランダ医学塾(和田塾)を前身とし、1951年に開学した私立大学です。


 順天堂大学医学部は圧倒的な医師国家試験合格率を誇り、医学分野におけるトップランナーを育成。1年次の学費合計は290万円と、全国私立大学医科大学の中で最も安くなっています。


●第1位:国際医療福祉大学(1850万円)
 第1位は「国際医療福祉大学」で、医学部医学科の6年間における学費は合計1850万円でした。栃木県大田原市に本部を置く国際医療福祉大学は、1995年に日本初の医療福祉の総合大学として設置された私立大学です。


 国際医療福祉大学では「チーム医療・チームケア」を実践する独自のカリキュラムを構築していて、学部・学科の垣根を越えたチームで実践しながら学ぶのが特徴。一般入学者の入学金は150万円、授業料は年間190万円となっています。



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東大蹴って医学部ってあり?」現役医学生が語るリアル

2024年03月07日 20時03分07秒 | 医学部と医師の育成のこと

「東大蹴って医学部ってあり?」現役医学生が語るリアル(3) (msn.com) 



『Dr.Eggs ドクターエッグス 』(集英社)より/©︎三田紀房
©リセマム
 大学の医学部に入ってからの生活を描いた漫画、『Dr.Eggs』。漫画のタイトルどおり「お医者さんの卵」たちのストーリーを描いたものだ。


 本記事では、筆者(全国で教育支援事業を行っている東大生集団 カルペ・ディエム代表 西岡壱誠)が、実際に医学部に通う大学生たちとこの漫画を読み、話を聞いた医学部の実情を共有する。


 今回取材に協力してくれたのは、前回に引き続き、慶應義塾大学(以下、慶應)医学部2年生のSKさんだ。彼は、東京大学理科一類と慶應医学部の両方に合格し、慶應医学部を選んだ「東大を蹴った人」だ。なぜ彼は東大ではなく、慶應を選んだのか? 話を聞いてみた。


自分は「医者に向いていないのでは?」と思っていた
 九州で育った彼は、小さい時に自分の祖父が脳震盪で倒れた時に、お医者さんがそれを助けてくれた経験から、ぼんやり「医者になりたい」と考えるようになった。医者という職業が、その人個人だけでなく、その家族や近しい存在のことも癒してくれる存在だと感じたからだ。


 しかし、その選択肢を長い間、排除していたそうだ。その理由は意外なものだった。


 「自分、血が苦手だったんです。医者になったら血を見ることになるから、自分は医者にはなれないなって」


 なので、高校1年生までは東京大学理科I類志望で、医学部は考えていなかった。漠然と、誰かの役に立つ仕事がしたいとは思っていて、その最たる例はお医者さんだと考えていたけれど、それでも医者にはなれないと考えていた。「医者以外の職業で考えると、まだ決めきれないな」と考えた結果、選択肢の多い東京大学を目指したのだそうだ。


 さてそんな時に、彼は知り合った医師に対してその話を打ち明けたところ、意外なことを言われたそうだ。


 「『血が苦手、というのは、医者にならない理由にならないと思う』って言われたんです。どうせ血になんて慣れる。そんなに医者に憧れているのなら、医者になるべきだって」。


なぜ東大理一と慶應医学部を受けたのか

 この話を聞いて、「やっぱり医者になるのも良いな」と思った彼は、慶應医学部の入試と東大の理科一類の試験を受けることを決めた。さすがに学力的に理科三類は難しいと考え、2つの大学を受けたのだそうだ。その結果、東大の入試が終わった段階で、慶應医学部の1次試験に合格していることがわかった。それも、特待生として認められる上位10人に入った形での合格だった。九州に住んでいた彼は、同級生の何人かが九州に帰る中、ひとりで東京に残り、慶應医学部の2次試験を受けたという。慶應医学部の2次試験は面接で、あまり面接の準備をしてきていなかった彼だったが、方言バリバリで話したところそれが逆に先生方から「純粋で良いね。君みたいな子に入ってもらいたい」と言ってもらえたそうだ。


  その結果、慶應医学部に見事合格した。その結果が出たのは東大の合格発表はまだ先だったが、慶應医学部に行くことを決めたのだそうだ。


 「受験中は『どういう道に進むかは、大学に合格してから考えよう』と考えていたので、受かってから悩みました。でも、やっぱり僕の中で、いちばん人の役に立てる選択肢って、医者だったんですよね。東大ももちろん良い大学だし、東大のシステム的に、理科一類でも後から頑張れば医学部に行くこともできるかもしれないけれど、やはり医者に『君みたいな子に入ってもらいたい』って言われたところに行きたいな、と。」


 蓋を開けてみたら東大も合格できていたが、慶應を選んだことに後悔はないそうだ。


入学後も学び続ける医学部生の日常
 彼のように、医者に憧れる理由のひとつとして、「誰かの役に立ちたい」と考える人は多い。逆に、あらゆる選択肢の中で、「いちばん誰かの役に立つ仕事」は医者だと考えているからという理由で医者になろうとしている人は多いのだ。Dr.Eggsにもこんなシーンがある。

以下はリンクで、








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開業医の新規開業戦略>「ドカーンと患者さんが来ますよ」と煽る営業…患者は知らない"開業医の意外な資金調達方法"

2024年03月05日 22時03分23秒 | 医学部と医師の育成のこと
「ドカーンと患者さんが来ますよ」「もう、爆発!」と煽る営業…患者は知らない"開業医の意外な資金調達方法"(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース 


「ドカーンと患者さんが来ますよ」「もう、爆発!」と煽る営業…患者は知らない"開業医の意外な資金調達方法"
2/10(土) 6:17配信

>で、懸案の借金であるが、これは計画以上に順調に返すことができた。はっきり言えば繰上げ返済で返した。当初はドカーンというほど患者さんは来なかったが、春に開業して秋には行列のできるクリニックになっていた。何がよかったのだろう? 自分ではよく分からない。




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プレジデントオンライン
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/uchar


資金がいくらあればクリニックを開院できるのか。小児科医の松永正訓さんは「資金はゼロでも大丈夫である。お金を貸してくれて、コンサルタントのように開業までのステップを支える企業があるのだ」という――。(第1回/全3回)


【この記事の画像を見る】


 ※本稿は、松永正訓『開業医の正体 患者、看護師、お金のすべて』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。


■資金はゼロでも大丈夫である


 資金がいくらあれば開業できるか? これはゼロでも大丈夫である。担保もなしで大丈夫である。少なくともぼくの場合はそうだった。ぼくは19年間、大学病院の医局に在籍したが、開業を決意したときのぼくの貯金はおよそ200万円くらいだった。この200万円を全部つぎ込んでしまうと生活ができないので、自分は開業医になれないのではないかと思った。


 ところが、ちゃんとお金を貸してくれる人がいるのである。おまけにコンサルタントのように、開業までのステップをすべて支えてくれる。ぼくがクリニックの経営を安定させれば、貸したお金と利子を回収できるから。言ってみればウインウインの関係だ。


 ぼくが開業するまでの経緯をちょっと振り返ってみよう。


 開業を決意する数年前に、ぼくは生命保険に加入するために、ある内科クリニックで健康診査を受けた。そのクリニックは自宅から車で30分くらい行った所にあるショッピングモールの中にあった。


 クリニックの扉を開けて、まず驚いた。待合室がとても狭い。長椅子が数個並んでいて、そこに患者さんが肩を寄せ合って座っている。すし詰めという感じである。ぼくは自分の名前が呼ばれるまで待合室の隅で立っていた。


 看護師さんに呼ばれて診察室に入ると、そこも狭かった。おまけに薄暗かった。医師は、そんなに年配という感じではなく、中堅といった年齢に見えた。簡単な問診と聴診が終わると、その医師は診断書にペンを走らせ始めた。


■「裸足で足、ゆらゆら」にカルチャーショック


 ぼくはその様子を眺めていた。そして何気なく視線を下に向けると、あることに気づいた。その医師は素足なのである。サンダルも脱いで、足をゆらゆらさせていた。ぼくはその姿を見てこう思った。


 (ああ、この人は、今の仕事が好きじゃない。狭くて暗いビルの一室で、楽しくもない仕事をしているんじゃないかな)


 ぼくが大学病院で患者家族と相対するときに、「裸足で足、ゆらゆら」は絶対にない。もっと真剣に患者に接している。言っては悪いけれど、この先生は倦(う)んでいるなと感じたのである。


 この光景は強烈だった。当時のぼくは大学病院で最先端の医療をやっていたので、こういう医者人生もあるのかと、ちょっとカルチャーショックを受けた。決して見下したという意味ではなく、違う世界だと感じた。ちなみに、ビルの一角のテナントになって診療所を運営することを「ビル診」という。

■開業コンサルタントも引き受けるリース会社がある


 しかし人生、どう転ぶか分からない。体が弱かったぼくは、44歳の春に開業しようと決めた。それしか選択がなかった。その辺の事情は『患者が知らない開業医の本音』(新潮新書)に詳しく書いた。そうすると、自己資金が200万円のぼくは、ビル診しか選択肢がない。土地を買って、建物を建ててなどは、到底できるはずもない。


 そうか、あのときに見た先生のように、狭く、暗い所で裸足で診療するのか……と思うと、強烈に憂鬱(ゆううつ)になった。でも諦めるしかない。ビル診でも何でも、とにかくどういう手順で準備をすればいいか全然分からない。そこで友人の開業医たちに、開業するための準備の仕方を教わった。


 開業の第一段階は資金調達。医療に特化したリース会社があり、開業コンサルタントも同時に引き受けてくれるということが分かった。ぼくはまずZリース会社の人に話を聞きに行った。


 Zリースの支社に行くと3人の若手営業マンがいた。彼らは、いきなりお金の話を始めた。ビルを借りるのにいくら、内装工事にいくら、医療器具を揃えるのにいくら、患者が何人来て収入がいくら……そうすれば何年後にはこれだけのお金がドカーンと貯まりますよという話がどんどん進んでいく。「もう、爆発!」とか煽(あお)ってくる


■「ドカーンと患者さんに来られても困る」


 ちょ、ちょっと。これではまるで洗脳セミナーではないか。ぼくは別にお金が欲しいわけではない。金持ちになりたくて開業医になりたいわけではない。これはちょっと違うなと思い、ぼくはZリースとの話に積極的になれなかった。


 自宅に帰って妻と話し合ったが、やはり妻も「儲け話」には興味がなかった。この話は放っておこうと思った。ところがしばらくすると、Zリースからメールが来た。そこにはこうあった。


 東京都杉並区で今度新規に産婦人科クリニックを立ち上げる。この地域は、人口に対して産婦人科が少ない。かなりのお産の数が見込まれる。その産科の先生は、1カ月健診をやってくれる小児科の先生を探している。どうですか? その産院の隣のビルで開業しませんか? ドカーンと赤ちゃんが来ますよ。


 東京かあ。ぼくは千葉市在住。千葉市から杉並区まで一体どれくらい時間がかかるんだろう。若いうちはいいかもしれないけど、やがて歳を取ったらとても東京まで通えないんじゃないかな。それに、ドカーンと患者さんに来られても困る。ぼくは地に足をつけてゆったりと仕事をしたかった。妻と話し合ったが、その話は断った。Zリースさんとは相性がよくないのかもと思った。


■「建て貸しという方法があります」


 先輩の開業医に紹介されたのは、コピー機で有名なR社のRリースだった。Rリース社の営業の青年は夜遅くに大学病院まで説明に来てくれた。フットワークも軽いし、話してみると明朗快活で、若いが自信をみなぎらせている印象だった。


 Rリースさんが尋ねる。


 「開業までのタイムスケジュール感は分かりました。で、先生はどんな感じのクリニックを希望していますか?」
「希望も何もお金がないので……ビル診しかないと思っています」
「建て貸しという方法もありますよ」


 初耳である。


 「なんですか、それ?」
「先生が希望の土地を選んで、地主の大家さんにクリニックを建ててもらうんです。そして先生は大家さんに家賃を払って診療するんです。クリニックは先生の望み通りの大きさ、間取りになります。ビル診より楽しく仕事ができますよ」
「ちょ、ちょっと待ってください。それって一体いくらかかるんですか? 本当にお金がないんです」
「ビル診よりかは少し出費が多いかもしれませんが、自分で土地を買って、自分で建物を建てるよりはるかに安いですよ」


 なんと。そんなシステムがあったのか。あの狭くて暗いクリニックが脳裏に浮かぶ。うう、いやだ。穴蔵のような狭いスペースで一生仕事をしたくない。


■借金が返せるくらいは患者さんが来てくれるのだろうか


 しかしぼくの心配は、Rリースさんに借りたお金を返せるかどうかにあった。開業医というのは、自分のクリニックを始めるときに、それまで働いていた病院に通ってくる患者をごそっと自分のクリニックに連れてくるという話をよく聞く。


 だがぼくの場合、大学病院で診ているのは、小児がんとか、先天的な異常に基づく内臓の病気の手術後とかばかりで、小児科を標榜する予定のぼくのクリニックで診るのは無理がある。いや、診てもいいのだが、それって患者のためにならないのではないか。それよりゼロから始めた方がいいような気がする。


 となると、ぼくが始めるクリニックは、地域の人たちにとってまったく未知の医療機関になる。ドカーンと患者が来なくてもいいが、全然来なくて潰れそうになるのも困る。借金が返せるくらいは来てくれるのだろうか。全然分からない。



■懸案の借金は繰り上げ返済で返すことができた


 Rリースさんは悠然としている。


 「大丈夫ですよ。失敗した人、見たことありません」
「……でもぼくが最初の人になるかもしれませんよ」
「まあ、千葉大の先生ですから大丈夫でしょう」

「担保もありませんよ」
「大丈夫です。貸します」


 迷った。迷ったが、建て貸しというワードの魅力がまさった。ぼくはその夜、妻と相談してRリースさんの話に乗ることにした。


 話をしていると、Rリースさんはこういった建て貸し方式に慣れているらしく、クリニックを建てる業者もすでに決めてあった。全国的に有名なハウスメーカーだった。こうして、まず土地探しから始まった。紆余(うよ)曲折はあったが、ぼくの自宅から車で20分くらいの所に広い土地が遊んでおり、地主さんにお願いをしてクリニックが建つことになった。


 で、懸案の借金であるが、これは計画以上に順調に返すことができた。はっきり言えば繰上げ返済で返した。当初はドカーンというほど患者さんは来なかったが、春に開業して秋には行列のできるクリニックになっていた。何がよかったのだろう? 自分ではよく分からない。岬の突端にぽつんとあるクリニックを目指したが、そうはならなかった。






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松永 正訓(まつなが・ただし)
医師
1961年、東京都生まれ。87年、千葉大学医学部を卒業し、小児外科医となる。日本小児外科学会・会長特別表彰など受賞歴多数。2006年より、「松永クリニック小児科・小児外科」院長。13年、『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』(小学館)で第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。19年、『発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年』(中央公論新社)で第8回日本医学ジャーナリスト協会賞・大賞を受賞。著書に『小児がん外科医 君たちが教えてくれたこと』(中公文庫)、『呼吸器の子』(現代書館)、『いのちは輝く わが子の障害を受け入れるとき』(中央公論新社)、『どんじり医』(CCCメディアハウス)などがある。







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