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「東大合格」はいくらで買える?アンケートで見えてきた東大入学までの金額

2024年05月18日 15時05分11秒 | 受験のこと

「東大合格」はいくらで買える?アンケートで見えてきた東大入学までの金額 (msn.com) 





 わが子を東大生にするために、いくらの出費が必要か。受験に頭を悩ませる首都圏では喉から手が出るほど欲される情報だろう。


 そもそも、どこから東大受験と定義するかも難しい。わが子を東大に入れるために一番手っ取り早いのは、開成中学や灘中学、桜蔭中学などの名門私立中高一貫校に入学させることだ。これによって、高い東大合格率を誇る名門校の指導が受けられるし、東大医学部専門塾の鉄緑会に優先的に通わせることが可能になるからだ。


 ただ、そのためには少なくとも小学校4年生の段階から受験の準備をする必要がある。中学偏差値71(四谷大塚調べ)は伊達ではない。たった1年や2年詰め込んだだけでは到底、太刀打ちできない。


 少なくとも、小学校4年生の段階で、塾の進学クラスで好成績を収める必要がある。すると、さらに遡って、小学校入学時からの通塾も検討事案になるだろう。これらが東大合格の値段をわかりにくくしている。


 筆者は、東大生100人にアンケートをとり、「東大合格までにいくらの資金投資が行われたか」を調査した。塾に通っていたか、なんという名前の塾か、塾以外の習い事はしていたか、特待生待遇を受けていたか…果ては東大生の親の年収の平均は、学歴は、など考えうる限りすべての教育に関わる要因を質問している。


 今回は、そのアンケートから見えてきた「東大合格を買えるリアルな値段」についてお伝えする。


東大合格を買えるリアルな値段は?

 結論から言えば、東大合格には1,380万円が少なくとも必要との結論に達した。これは、子供の才能を過信しないうえでの想定だ。


 たしかに、才能あふれる子ならば、自学自習だけで県内トップの高校に進み、そこから塾なしで東大に合格するケースもある。だが、ここではそういったイレギュラーを扱わない。小学校4年生から塾に通いつめて、無理やりにでも東大に入れるケースを考えている。ちなみに、「少なくとも小学4年生時点で進学塾の特進クラスに入れる」想定であるから、その時点での学力に不安が想定されるならば、プラスで500万円程度はかかる可能性がある。


 内訳は、小学校で300万円、中学校で500万円、高校で580万円。進学ルートは次の通りだ。



 まず小学校は公立で、4年生から塾に通い、名門私立中高一貫校に入学する。中学校に入学したら鉄緑会に入会し、中学3年生までに高校履修範囲のすべてを修了する。高校に入っても鉄緑会を継続して、3年間勉強を続ける。すると、だいたいこれくらいの金額になってしまう。


 このルートは「理想」の進み方をした場合だ。実際には学校や塾の勉強についていけずに補習用の塾に入ったり、家庭教師を雇ったりするケースもあるし、勉強以外の習い事(ピアノや水泳など)をさせればさらに出費は増えていく。


 つまり、子供に受験勉強だけをさせる人生を歩ませるならば、1,380万円の出費と引き換えに、東大合格ガチャが回せるのだ。アタリの確率は50%。これは「鉄緑会の東大現役合格率が約50%」とする説に則っている。


東大生の親の年収は?
 10歳から18歳までの9年間で1,380万円の出費。実際には傾斜がかかるが、平均をとれば年間150万円以上の教育投資を行う計算になる。月当たりにすれば12万5,000円。これだけの金額を支払う余裕があれば、無理やりにでもあなたの子供を東大に合格させられる可能性が出てくる。


 では、その投資を可能にするだけの原資が東大生の世帯にはあるのだろうか。2021年に実施された東京大学の学生生活実態調査では、以下のような年収分布になっている。


(n=1,510)


 450万円未満:10.8%


 450万円以上750万円未満:11.2%


 750万円以上950万円未満:13.2%


 950万円以上1,050万円未満:10.2%


 1,050万円以上1,250万円未満:12.1%


 1,250万円以上:18.6%


 わからない:24%


 わからないと回答した24%を除いた、76%のうちの45.4%もの家庭、すなわち半数以上が世帯年収950万円を超えている。2022年に厚生労働省から発表された「国民生活基礎調査の概況」によれば、2021年時点での全国の世帯年収の平均値は545.7万円。また、総務省が2019年に行った「全国家計構造調査」によれば、47都道府県のうちで一番世帯年収の平均が高いのは東京都で、その金額は629.7万円。


 すなわち、東京大学に通っている学生の親は、その大半が全国平均のおよそ2倍、世帯年収平均額が一番高い東京に絞っても、その1.5倍以上の収入を得ていることがわかる。比較的裕福な世帯が多いことは間違いがないだろう。


 また、東大生の親の学歴についても調査を行った。一般的には中卒よりも高卒が、それよりも大卒の年収が高くなる傾向にあるが、今回とったデータでは、ほとんどの学生が両親ともに4大卒と回答した。ついで多かったのは、父が四大卒であり、母が短大卒であるケース。具体的な大学名についてはプライバシーの観点から伏せるが、いわゆるGMARCH、早慶上智、旧帝国大学と呼ばれる大学群出身者の割合が多く、ほとんどの父親は有名大出身者であった。


 これらを総合すると、「有名四大卒の父親(母親)が、豊富な収入と自らの成功体験から自身の子供にも同じルートを歩ませるために、ふんだんな教育投資を行い、教育を通じた社会階層の再生産がおこなわれている」シナリオが見えてくる。


 ここでは習い事のみを教育投資としていたが、実際は「地域のプログラミング教室」や「年に何回かある数泊する家族旅行」などの体験が原資となって、好奇心を育んでいるとする見方もある。実際、筆者が東大で付き合った人間の中には、年に数回以上海外旅行に行ってスラムや貧困街の実態を視察したり、海外から貴重な動植物を個人で輸入して生物に関する知識を深めたりして、大学の推薦入試に合格した人もいた。


 何をもって教育投資とするかは難しいが、岡山大学准教授の中山芳一氏によれば「子供がやりたいことを後押ししてあげることが大事」だという。好奇心の目覚めの時期に、自主性を後押ししてくれるような親のはたらきかけがあったかどうかは、重要なファクターになっているのかもしれない。







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中央大学の誇り「法学部」の都心移転が巻き起こす私大文系の乱

2024年05月14日 21時05分05秒 | 受験のこと
中央大学の誇り「法学部」の都心移転が巻き起こす私大文系の乱

中央大学、郊外移転のワケ


1・21・2020
 
 少子化に伴い、大学間での学生獲得は熾烈(しれつ)を極めています。そのため、1980(昭和55)年前後から押し進められたキャンパスの郊外移転は近年、変革のときを迎えています。東洋大学は2021年に朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)からの学部撤退を表明し、文系学部のほとんどが都内のキャンパスに集約されることとなりました。

【画像】アクセス抜群! 中央大学法学部の移転先を見る

 都心回帰の動きはMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の中で唯一、大学本部を郊外に持つ中央大学(八王子市東中野)でも見られます。同大は2018年12月、看板学部である法学部を2023年に都心キャンパスへ移転することを発表しました。

 中央大学が八王子にキャンパスを移転したのは、1978(昭和53)年です。その理由は、1960年代から1970年代初頭にかけて盛り上がりを見せた学生運動を遠ざけるためだったと言われています。

 私立大学の最古参にあたる中央大学は学生運動が盛んで、当時、講義を行うのもままならない状況でした。そのため、騒ぎとは無縁の新しい場所を求める必要が出てきたのです。

  それ以外にも、ベビーブーム世代以降の大学志願者の急増も影響しています。大学側が定員増加で対応しても、既存のキャンパスでは収容が間に合わない状態に。近隣で新たに土地を取得しようにも、都心の土地価格は高騰し、簡単に手が出せません。そこで郊外である八王子に、広々とした大学施設を新築することになったのです。
     
中央大学・多摩キャンパスの位置(画像:(C)Google)        
 


アクセスの悪い大学は受験生から敬遠される
 
 八王子の多摩キャンパスが開校してから40年以上が経過し、時代背景は当時と異なってきています。少子化の現代、受験生は中央大学が第1志望でない限り、通いやすさを重視して、都心にある早稲田大学や慶応大学、中央大学を除くMARCHの法学部を進学候補としてしまう可能性もあります。

 そのような背景から、中央大学は看板学部の法学部を丸の内線「茗荷谷駅」からほど近い文京区大塚1丁目に移転し、優秀な学生の受験増加を狙っているのです。

 このような試みは、もちろん他の大学から注目されています。特に文系学部は実験棟や研究室が必要な理系学部とは異なり、大規模施設が必須ではありません。そのため受験者数の増加や優秀層の獲得などといった、大学の思惑は成功する確率が高いと言えます。

  中央大学にならい、郊外から都心部への流れが加速するのは自然の流れかもしれません。しかし、都内の私立大学の定員を国主導で増やせない状況下では、やみくもに都心回帰をしても、受験生のニーズに合う学部でなければ意味はありません

偏差値上昇が予想される法学部
 
 中央大学の新キャンパス2023年度開校にともない、東京大学の文科I類、早稲田大学や慶応大学、上智大学、明治大学の法学部を志望する受験生は、これまで以上に中央大学を併願することは間違いないでしょう。看板学部の都心回帰のインパクトは大変大きく、今後数年間は受験生や保護者の注目を集めるはずです。

 一方、多摩キャンパスに残った他の学生との交流は減少し、サークル活動の選択肢が狭まったり、活動が限定的になったりするなど、キャンパスライフが満喫できなくなることも考えられます。

  都心回帰といえど、学生にとってメリットばかりとは言い切れません。大学側は単にキャンパス移転というハード面に目を向けるのではなく、学生のキャンパスライフといったソフト面で起こりうる変化も十分に考慮すべきです。
     
法学部の移転を告げるポスター(画像:中央大学)        
 


地元経済への打撃をどう考えるのか
 
 多摩キャンパスから移転するのは現段階で法学部のみですが、その分、学生は少なくなるため、少なからずとも地元経済に影響を与えるでしょう。法学部の在学生数は2019年5月1日(水)時点で、5800人を上回っています。学生向けのアパートや飲食店、または学生のアルバイトに頼っていた塾や飲食店は、人手不足に陥ることも考えられます。

  郊外キャンパスは、これまで築いてきた地元との関係性を無視できません。大学側の判断だけではなく、地元自治体と話し合いの場を設けて、地元住民にきちんと説明することが求められます。
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医学部に進む理由は「偏差値が高いから」…元東大教授・養老孟司がみた「日本型エリート」の本末転倒

2024年05月10日 15時05分33秒 | 受験のこと

医学部に進む理由は「偏差値が高いから」…元東大教授・養老孟司がみた「日本型エリート」の本末転倒

4/21(金) 9:17配信 2023




※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mizoula
この数年、医学部の人気が高まっている。東京大学名誉教授の養老孟司さんは「偏差値が高いという理由で医学部を選ぶ学生が多いのだろう。それでは本末転倒だ」という。エコノミストの藻谷浩介さんとの対談を収録した『日本の進む道』(毎日新聞出版)から一部を紹介する――。 

【写真】養老孟司さん(右)・藻谷浩介さん(左)

 ■いい教育とは教育しないこと 

 【藻谷】何だか論語の問答みたいになってきましたが、先生のお名前は孟子にちなんでいるわけですから、弟子になった気分でどんどん聞きます。先生は、いい教育とは何だと思われますか。  

【養老】小学生くらいなら何もしないことですよ。有機農業の不耕起と同じようにやったほうがいい。高等教育についても「教育」しないことです。東大の伝統は結局は「自分でやれ」と言うことです。モチベーションのある人が自分でやる、それを周りが手助けする。それだけですよ。  


学校は、基本的に子供に好きなことをさせる場にして、大人は見守るだけでいい。「この学年ではこれを覚えなさい」なんてナンセンスだと思います。  

【藻谷】たしかに、皆で同時に同じことを習って同時に覚えると褒められ、どうせあとで完全に忘れてしまうのにそのときには責められない。これでは何一つ血肉として定着しませんよね。 

 私は、当時はお受験勉強が盛んではなかった田舎で育ったために、そのころは受験に出ることのなかった日本地理や英会話やディベートの類に好きに注力できた幸運な人間でして、それがその後にどれだけ役に立ったことかと思うのです。 

 しかし大学で受けた法学の教育は、まさに同時に覚えて一斉に忘れるの典型で、苦痛でしかありませんでした。教養課程はとても面白かったのですが、専門課程の卒業には1年余計にかかりました。 

■偏差値の大学ランキングは意味がない  

【藻谷】何でそんな大学のそんな学部に行ったのかと言えば、当時世に登場して間もなかったところの「偏差値」が高い学部であるがゆえに、通るというのであれば通っておけば、そういう数値を絶対視するような連中にも後々足元を見られずに済むだろう、という実に受動的な考えからでした。  

その後ますます社会に深く浸透している、受験時の偏差値によるランキングはどう思われますか。  【


養老】全く意味がないですね。あれは、いまの大学システム

――同じ大学に入りたい人をどうやって選別するかという問題が生じてしまったために便宜的にやっているだけでしょう。だから僕は、現役の時に入学試験を通ったら卒業証書を出せと言っていました。そうすれば、本当に勉強したい学生だけがお金を払って残りの4年間学びますから。  

【藻谷】卒業証書だけ欲しい人は入学したらすぐにもらう!

  それでも勉強したい人だけが残って勉強しなさいと。最高の皮肉のようにも聞こえますが、圧倒的に偏差値の高い東大医学部でずっと教授をされていた上でのご実感であり、つまり真実をついている。  

私も、偏差値が基準の大学名で人を判断することは、本当に一切しないで生きています。ですが世の大半の人は、教育の主目的を偏差値による能力のランクづけみたいに思っている。  

【養老】そう、それが日本的な教育の在り方だと思います。

■東大医学部には医学に興味のない学生がいっぱいいた  

【藻谷】日本のいろいろな地域の親、特にお母さんたちと話していて、いちばん認識が時代遅れだと感じているのは教育の話です。東大医学部で、偏差値だけは高い困った学生といっぱい向き合ってきた養老先生が、どういう認識でおられるかなんていうことに、彼らは興味はない。それこそ入学と同時に卒業証書を持って帰ってきたら、そんな親御さんたちは大喜びで、「東大に行ってよかった」なんて言うのでしょうね。  


【養老】大学で新たに医学を学ぶモチベーションがなくても、偏差値が高かったからというだけで入学してくる学生はいっぱいいますから。  

【藻谷】偏差値が高いだけで、大学で学ぶモチベーションがなければ、大学に来る意味はないはず。なのに日本の教育は、そういう生徒を「優秀」として選抜してしまう。自分がそうだったのを棚に上げて言いますが、これでは本末転倒ですね。  

【養老】そうです。  

【藻谷】入試の時点でモチベーションがなくて、あとから急に湧いてくる人もいますが、それが専門課程に進学する時点だとは全く限らない。  

【養老】そういう人はその時に勉強を始めればいい。  

【藻谷】そうですよね。僕は、子供をいい大学に行かせようと言っている親には「そうではなく、あなたが行けばいいのに」と言っています。いま、あなたがそういう気になったのならあなたが勉強すればいい。実際に、いわゆる「いい大学」にも、社会人入学のコースはいろいろありますから。 

■「みんなで考える教育」に対する違和感  

【藻谷】まあそうはいっても、子供に幼いころから受験をさせて、学歴エリートにしようとする親御さんは、エリートになるとよほどいいことがあると信じているのでしょう。いや、エリートになれないとよほど損すると信じているのかな。 

 そう言っている本人には、よほど損したという自覚があるのでしょうか。よく成功した芸能人が子供にお受験させるという話がありますが、年間数千人も卒業する東大生の中で、その芸能人ほど成功する人が何%いると思っているのでしょうか。  

日本のどこかの「エリート校」でも行われているという「エリート教育」とは、いったい何なのでしょう。西洋でエリートと言えば「自分で考えて判断し、自分の責任で行動する人」だと思いますが、日本もそういう人を教育しようとしていると、言っている人もいますね。  

【養老】それは嘘ですよ、全部違います。私はさきほどお話しした、髙橋秀実さんの『道徳教育』(ポプラ社)をみんなに薦めていますが、彼は、戦後の日本の教育――特に道徳教育は「みんなで考えましょう」というフレーズがよく出てくると書いています。  

小さいときから「みんなで考えましょう」とやってきました。でも、どうやってみんなで考えるのでしょうか(笑)。僕は「考える」というのは一人でやることだと思っていますから、「みんなで考えましょう」には引っかかります。




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開成の国公立医学部合格者が大幅減少した納得の理由…今年は東大理Ⅲにわずか「3人」>OBたちはそのことを世間が思っているほど、気にしていないのかもしれない

2024年04月30日 03時05分54秒 | 受験のこと
>42年連続で東大合格者数トップの座を死守する開成。OBたちはそのことを世間が思っているほど、気にしていないのかもしれない。

 

すべての東京大学新入生が、4月から勉学に励む教養学部の正門です☆


開成の国公立医学部合格者が大幅減少した納得の理由…今年は東大理Ⅲにわずか「3人」(田中幾太郎)(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース 


4/1/2023


開成の国公立医学部合格者が大幅減少した納得の理由…今年は東大理Ⅲにわずか「3人」(田中幾太郎)
4/1(土) 9:06配信
10コメント10件

開成中学の入試に向かう受験生と保護者たち=2月1日(写真)田中幾太郎
【開成vs麻布の真実】#9 

開成は医学部に強いというイメージがあり、医者の子弟も多かったが、最近は昔ほどではない」と話すのは開成OBの千葉大医学部の教授。同学部の教授の半数近くが開成出身者で占められていた時代もあったという。 

開成野球部なのに…岸田首相WBC始球式ヘタレ投げでSNS大荒れ!
栗山監督にサインまで貰う  

東大合格者数と並んで進学校のバロメーターとされる国公立医学部の合格者数に異変が起きている。まだ数字が出揃っておらず、今後変わる可能性があるが、開成が冴えない。

  昨年の44人から26人と大きく減らした。東大理Ⅲの合格者数も17~21年は5年連続で2ケタだったが、昨年6人、今年は3人となった。同様に医学部志願者が多い麻布の国公立医学部合格者は28人、うち理Ⅲは開成と同じく3人だった。 

医学部を狙う生徒が集まる中高一貫校としては名古屋の東海、京都の洛南、神戸の灘が有名ですが、首都圏の1番人気は男子では海城、女子では桜蔭」と話すのは大手学習塾スタッフ。海城の今年の国公立医学部合格者数は51人。その人気は開成を凌駕(りょうが)する勢いだ。

 「さらに凄い」といわれる桜蔭の国公立医学部の合格者は52人で首都圏トップ。理Ⅲは11人で灘に次ぐ2位、東京医科歯科大医学部も11人でこちらは全国トップである。私大も含めた医学部合格者は153人にも及ぶ。1学年の生徒数は235人前後。重複がかなりあるにしても、

「今や医学部に特化した学校という印象」と医系進学塾経営者は話す。

  一方、開成は「なんとしても医者を目指す生徒は以前より減っている」(同校関係者)という。今年の東大合格者148人のうち、理Ⅰ(83人)と理Ⅱ(20人)の2つで約70%を占める。

 「官僚も多く輩出してきた開成ですが、元々は理系が強い学校。その選択肢のひとつとして医学部があった。でも最近はさらなる可能性を求め、医学部以外の理系を受験する生徒が増えている」(同)

 ■OBが誇るのは進学実績より結束力 

 受験の段階で医師という固定した進路に縛られたくない生徒が増えてるのだ。「昔も理系で最も優秀なのは理Ⅰに進んだ」と振り返るのは77年卒業のOB。岸田文雄首相の1年後輩だ。自身は地方の国立大医学部に入り医師の道に進んだ。 「僕はテレビドラマのベン・ケーシーに憧れて脳外科医になった。単なるミーハーなんです。勉強が好きでたまらない連中は医学部より理学部で研究をしたいという気持ちが強かった」  

このOBは開成で一番誇れるのは進学実績より結束力だと強調する。運動会で高2と高3が参加する棒倒しは同校最大のイベント。8チームに分かれ、熱戦を繰り広げる。その激しさは「ニューヨーク・タイムズ」に取り上げられたほどだ。 

「何年たってもこの時のことが話題になる。僕はいまだに『白組の○○』と呼ばれ、卒業生同士の絆を再確認するんです」 


 42年連続で東大合格者数トップの座を死守する開成。OBたちはそのことを世間が思っているほど、気にしていないのかもしれない。 

(田中幾太郎/ジャーナリスト)



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「中学受験はコスパが悪い」納得の理由。“高偏差値の私立中学”を目指すのは有益な投資ではない

2024年04月19日 22時06分25秒 | 受験のこと

「中学受験はコスパが悪い」納得の理由。“高偏差値の私立中学”を目指すのは有益な投資ではない (msn.com) 






 みなさんは、学歴には意味があると思いますか? 学歴社会を否定する声は数多く上がりますが、私の見ている限りでは、未だにその効力は強い。その証拠として、特に首都圏を中心とした受験ブームは衰えを知りません。


 早くは幼稚園入園以前から受験の準備は始まります。私立の幼稚園に入れて勉強をさせ、私立の小学校に入学。特別なカリキュラムを通して学力を高め、そのまま付属の中高一貫校に進学、さらに上位の大学を目指す……。


 こういった教育を施す親の真意は、「少しでも子どもに良い学歴を身につけさせたいから」だといいます。どこまでが本音かはわかりませんが、根幹をなすのは「子どもに幸せになってほしいから」なのでしょう。


 となれば、中学受験は子どもに幸せになってもらうために最適な手段かを考えなくてはいけません。ただ、私が見る限りでは、どうやらそうも考えられない。


 私は、2月20日に『東大合格はいくらで買えるか?』を上梓しています。本書では、東大生(卒業生含む)100人にアンケートを行い、そこから得られた生の東大生データを元に、様々な角度から東大受験を分析しています。


 今回は、「コスパがいいとは言えない中学受験」についてお伝えします。


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『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)

◆中学受験の結果と大学受験の結果は関係がない


 そもそも、中学受験の結果は、大学受験に影響しているのでしょうか?


 今回、私が東大生に取ったアンケートでは、100人中38人が中学受験をしていないと回答しています。確かに、60%は中学受験をしており、これは高い数字でしょう。


 ですが、そもそも東大には毎年3,000人しか入れません。中学受験時の偏差値や、その人口を考えると、もしも中学受験と大学受験に強い相関があるのであれば、東大合格者のほとんどが中学受験経験者になってもおかしくはない。


 では、なぜ40%もの中学受験未経験者が東大に入学できているのか。それは、中学受験時の偏差値、学力と、大学受験には何の関係もないからでしょう。


 実際に、これを証明する研究もあります。現在、東大教授を務められている近藤絢子先生が2014年に発表した研究「私立中高一貫校の入学時学力と大学進学実績―サンデーショックを用いた分析」によれば、中学入学時の、その中学校の偏差値と、大学受験の結果には、何の相関関係もないことが示されています。


 近藤先生は、大学進学実績を決めるのは、中学受験時の偏差値ではなく、中学進学後の教育によるものが大きいと予想されています。そのため、逆説的に進学校進学の有用性が示されていると考えられています。


◆進学校に通うメリットはあるけれど


© 日刊SPA!
 私も、大学進学実績を決めるのは、中学校進学以降の学習内容に大きく依存すると考えています。だからこそ、進学校に進学することはひとつの大きな手段であることは認めざるを得ません。


 ただ、それが中学受験によって行われるべきかは、また別の話です。進んだ学習カリキュラムを手にするだけなら、進学塾に通えばいい話。開成や灘で東大受験特化型のカリキュラムを行われているわけではない以上、東大進学を目指すのであれば、むしろ進学塾に通わせた方が効率はいいでしょう。


 そして、これらの進学校は、多くが私立校です。進学塾に通えば済むだけの話なのに、さらに私立校に追加でお金を落とすのは、本質を見失い、中学校や高校のもつブランドに目がくらんでいるだけであると言わざるを得ません。


 こういった要素を加味すれば、中学受験で高偏差値帯の学校を闇雲に目指し続けることに意味はなく、むしろ中学校進学以降で教育資源を投下したほうが効果的と考えられるのではないでしょうか。


 私は、高い学歴を身に着けたいならば、中学校進学以降で勉強にいそしみ、各都道府県トップクラスの公立高校に入学するべきだと考えています。中学生にもなれば、ある程度子ども自身も物事の分別がつく歳であり、過酷な「受験戦争」に対して主体的に取り組んでいける可能性があると考えているためです。


 自我や認知能力が未発達な小学生の段階から、あまりにも多くの情報を詰め込んで優劣を決める中学受験は、子どもの将来を捻じ曲げてしまう可能性があります。首都圏に渦巻く異常な中学受験ブームですが、はやく悪い夢から覚めてほしいと願うばかりです。


【布施川天馬】


1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Twitterアカウント:@Temma_Fusegawa)









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