馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

創業30年記憶(3)

2012-11-12 16:56:12 | 日記

取引先顧客によく訊ねられるのが商売をした動機だ。

30年前、高度成長に伴いサラリーマンの独立志向が雑誌で取り上げられ

脱サラのノウハウ本が書店に並んでいた。

 

殆どの方は私が脱サラして独立したと思い込んでいる。

私はいつも曖昧な笑いで答えるだけだ。

余ほど、親密になり苦境を互いに助け合うようになり

酒を飲んだ時に古井戸に溜まったメタンガスが突如

アルコールが導火線になってしゃべってしまう。

しゃべって後で酔い醒めと共に後悔の念に落ち込む。

しょせん、理解などしてくれないのに

自分への慰めにもならないのだ。

 

昭和57年8月 勤めていた会社を退職した。

8月のお盆に組合全国大会を半蔵門会館で開催。

労組書記長としての総括をして去った。

退職日は8月30日付け

8月は暦では末は31日なのだが

会社からの離職表を持って市役所に社会保険変更の手続きに行った。

役所の係員から「8月30日の日付の退職日で間違いありませんか」と再確認された。

担当者から驚くべき回答があった。

「8月は31日まで勤務していません、1日欠けているので

8月分から国民年金と医療保険に加入しなければなりません」

私は理解できなかった。

その場で立ち尽くした。

担当者は「ひどいことする会社ですね」困惑していた。

8月分の給与は社会保険、福利厚生費等は既に抜かれていたのだ。

こうして、組織から外れてしまえば冷たい仕打ちがあることに

初めて気付いた。

一人で生きてゆくための過酷な現実を思い知らされた瞬間だった。

その夜 寝床で涙が止めどなく流れた。

いったい、なぜこんなことになったのだ。

 

私は思想的に問題有り、破壊者としてのレッテルを貼られて

退社に追い込まれたのだ。