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シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」

2010-06-29 | Weblog
シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」
 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
(06.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」

2010-06-29 | Weblog
シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」
 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
(06.10.)
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シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」
 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
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 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
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 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
(06.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」

2010-06-29 | Weblog
シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」
 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
(06.10.)
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2010-06-29 | Weblog
シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」
 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
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 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
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 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
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2010-06-29 | Weblog
シリーズ平成の乱 消費税引き上げ?!「ダラカン内閣」の「乱」
 6月17日、菅首相は、7月11日の参院選を前にして、消費税の引き上げの必要性に言及し、自民党が提案している10%を参考とする旨述べた。その翌日、新経済成長戦力を公表し、500万人の雇用創出などに期待感を表明したが、消費が萎縮している中で、消費税を現在の2倍にして「元気の出る日本」を復活させるとは支離滅裂で“カン違い”もいいところだ。消費税の引き上げは、国民に「広く薄く負担を求める」手法として説明されているが、実際は低所得層への負担が大きいので、恵まれない国民層に厳しい政策となる。しかし消費税の引き上げ論への傾斜は、09年8月の総選挙で民主党を大勝利に導いた原点である「マニフェスト」の根幹を歪めることになることを見逃してはならない。
1、大きく後退する政治主導―「ダラカン政権」
 (1) これで主要与野党とも消費税引き上げを容認したことになるので、消費税引き上げの流れが出来上がったことになり、無駄の排除や節約論は後退するので、財務官僚始め、官僚の大勝利だ。その後首相は消費税の引き上げは、各種の検討が必要であるとして、実施には少なくても2、3年掛かるとしているが、主要与野党が増税を容認することが明らかになった以上、官僚とすれば節約論や“事業仕分け”に2、3年耐えれば済むことで、実質的な改革等には応じないであろう。自民党政権同様、ゆる~い政治主導に逆戻りする結果となる“ダラカン内閣”の「乱」である。
 官僚の大勝利、政治主導の実質的な後退はこれだけではない。
 (2) 公務員制度改革関連法案は、廃案となり、当面は従来通り官僚主導の人事となる。参院選挙の結果ではどのような形となるかも分からない。もっとも“政治主導の人事”も、大臣の好みに偏重し、ただただ“官僚排除”、“民間優先”で、実態的に政党色の強い身内の人脈や情実に頼る傾向が強くなり、有能で意欲のある官僚や官僚経験者他を排除する弊害も見られるので、情実を排し、公平、公正な人事が確保できる選考制度の確立も課題だ。
 (3) 普天間移設問題についても、鳩山前首相の期待は“県外移設”であったと思われるが、主務大臣である岡田外相も北澤防衛相も対米配慮に終始し、“県外移設”に全く努力しなかったし、平野官房長官(当時)も動きは鈍く、結果として辺野古案に戻り、自民党政権下で交渉してきた官僚や安保族の専門家の大勝利となった。「マニフェスト」に“見直す”とし、沖縄県民に期待を持たせたが見事にハシゴを外した結果となった。菅政権は、今回の日米合意を尊重すると共に、“沖縄の負担軽減に努める”としているが、「マニフェスト」で示されている通り見直し論を支持していた鳩山―小沢両リーダーを排除した岡田外相はじめ渡部恒三議員の下のいわゆる7奉行グループが実質的な負担軽減に努力するとは思えない。移設案「見直し」を含む党の「マニフェスト」重視派と「マニフェスト」忌避派の民主党内の“政変”と言っても良さそうだ。
 (4) 縮む「マニフェスト」
 この他、「子供手当て」を半額支給し、残りを保育所増設などの「現物支給」とする流れとなっている。確かに“待機児童”の問題があるので保育所増設は望ましい。しかし「事業仕分け」劇場でマスコミの関心を引いたが、昨年の「マニフェスト」発表時に節約や予算組み換えで財源は捻出できるとしていたものの、結局はそれを諦めたことを意味する。これも官僚の抵抗の勝利と言えよう。
 2、「マニフェスト」とは“国民との契約”か、“公約は破るもの”か?
 昨年の衆院選に臨んだ民主党の「マニフェスト」では、政治主導や地方への権限・財源委譲の促進など、政治姿勢や行政制度を大きく転換するような内容を含んでいる。個々の具体的な政策提案については、情勢の変化や現実性などから若干の修正が行われることは望ましいことであるが、基本的な政治姿勢や行政制度改革の理念まで後退するようでは「マニフェスト」を変質させてしまうことになる。自民党政権下で、05年の総選挙で示した公約が首班の挿げ替えに伴って改革・成長路線から伝統的な制度温存・公共投資依存路線に徐々に変質し、国民の支持を失って行った状況に酷似して来た。民主党内の「マニフェスト」忌避派による事実上の“政変”だ。
 09年の総選挙で国民が民主党に与えた信託は4年間で、個々人により関心事項は異なるが、その原点は「マニフェスト」であり、公約である。従って、現在の衆議院の与党は09年の党の「マニフェスト」に立脚した政策の実現が託されていると言えよう。参議院として党の「マニフェスト」のどのような政策に優先度を置くかを明らかにし、また新たな政策課題を提起することは当然であろうが、党の「マニフェスト」であるので、その基本的な政治姿勢や理念を変質させるのであれば参議院選挙ではなく、総選挙で改めて民意を問うべきであろう。
 今回の参院選においては、民主党の立候補者の内、現実路線と称して党の「マニフェスト」を変質させるような訴えをするのであれば、それは衆議院に託された国民の意思とは異なる「ダラカン」、「カン違い」の訴えと言われても仕方がないかもしれない。
 今回の参院選は、少数政党が連立する状況であるので、恐らく民主党も自民党も現有勢力を維持することは困難であろう。とすると民主党が参議院で多数を占められる鍵は、連立可能な少数政党の獲得議席に掛かっていると言えよう。衆議院での民主党の多数に変わりはない。
 今回の参議院選挙では、国民が昨年の総選挙時で示された主要政党の「マニフェスト」や公約を基本的には良いとした上で候補者や政党を選ぶか、「マニフェスト」や公約の変質をも容認するかの選択になりそうだ。変質を容認すれば、消費税の引き上げや行政制度の温存、改革の後退などが現実のものになる。また実体的に旧政権の合意に逆戻りした普天間移設に関する日米合意を容認するか否かの選択にもなる。いずれにしても国民の日常生活や無駄の多い行政制度に直結する選挙になりそうだ。争点を絞り込むと、選択の基準は“消費税引き上げ”、“沖縄の普天間移設に関する日米合意”とそれらに関連する“政治主導の行政”を容認するか否かとなろう。
(06.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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