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シリーズ平成の本音―迷走する東京オリンピック用新国立競技場

2015-06-27 | Weblog
シリーズ平成の本音―迷走する東京オリンピック用新国立競技場
東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
 しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
 キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
 2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
 デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
 どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
 3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
 大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―迷走する東京オリンピック用新国立競技場

2015-06-27 | Weblog
シリーズ平成の本音―迷走する東京オリンピック用新国立競技場
東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
 しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
 キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
 2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
 デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
 どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
 3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
 大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)
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東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
 しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
 キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
 2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
 デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
 どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
 3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
 大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)
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東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
 しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
 キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
 2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
 デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
 どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
 3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
 大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)
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東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
 しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
 キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
 2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
 デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
 どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
 3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
 大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―米国の属国化する日本

2015-06-27 | Weblog
シリーズ平成の本音―米国の属国化する日本
 米国国防総省は、5月11日(日本時間12日未明)、米空軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ(CV22)を、東京都下の米軍横田基地(福生市など)に配備する旨発表した。
 これを受けて中谷防衛相は、米国政府(国防省)の決定としつつ、オスプレイの横田基地配備予定を発表し、「日米同盟の抑止力・対処力の向上に資するというほか、アジア太平洋地域の安定にも資する」などとした。外務大臣、官房長官も同様のコメントをしている。
また防衛相は、「わが国においても、首都直下型地震とか、南海トラフ地震、こういった大規模災害が発生した場合に、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができる」旨付言した。
 日本側の発言は、米国の説明と類似するが、そのような抑止効果などはあるであろう。しかし米国の配備決定だから日本はそれを容認するということは、日本の防衛という観点からは主体性がなく、属国のようだ。
オスプレイ(CV22)は、米空軍の特殊部隊に属し、2017年後半に3機、2012年までに7機、合計10機配備予定であるが、他国を侵攻する際に上陸作戦に投入される。島嶼の多い日本では、島嶼防衛にも有効であろうが、このような攻撃的な機種、部隊が投入されれば、相手国も対応措置を取るだろ。それ以上に不測の紛争、武力事態においては、首都圏に隣接する横田基地が初期の攻撃目標となる可能性が強くなるので、首都圏防衛という観点からは重大な問題だ。そもそも米国の前方展開基地の日本などへの展開は、第一義的には米国本土の攻撃を防ぐ目的であるので、米国のとっては死活的な利点があるが、日本にとっては初期の段階から攻撃の目標となり、盾となるので、危険は高くなると見られる。もしこの首都圏地域に配備するとすれば、高性能レーダーや迎撃ミサイル、防空力などの防御施設であり、オスプレイのような攻撃的部隊、機材ではなさそうだ。
 また首都圏に隣接する住宅密集地にわざわざオスプレイを配備することは、それでなくても騒音問題や事故などの問題で住民生活に大きな影響を与えているので、追加的な負担や危険となることは否定できない。更に首都圏を起点としてわざわざ日本本土で飛行訓練する必要があるのか、大いに疑問だ。飛行訓練をするなら、グワムや国土の広い米国本土で行えば良いことであろう。
 そもそもオスプレイを、ニューヨーク市やワシントンD.C.近郊の住宅地域に配備し、飛行訓練も行うとすれば、米国民から強い反対が起こるであろう。事実、ハワイ島では配備を反対されている。それを首都近郊の横田基地に配備することを決定した米国軍事当局の配慮の無さ、無神経さに驚かされるが、日本の関係閣僚が支持、評価する姿は、宗主国米国の立場を優先する属国の擁護者のようにも見えるのではないだろうか。
 日本では、日米安保条約の下で米軍施設などの地位を規定する日米地位協定において、米兵が暴行等の罪を犯しても裁判権は米国側にあり、いわゆる治外法権扱いとなっており、日本は未だに属国扱いとなっている。
 それに対し改善を申し入れるどころか、自・公政権下の関係閣僚がオスプレイの横田配備をあっさりと認め、評価しているとは情けないところではある。
 また「大規模災害が発生した場合に、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができる」としているが、それは日本が主体的に取り組むべきことである上、首都直下型地震や南海トラフ地震などの大規模災害が発生すれば、横田基地自体が多大の被害を受ける可能性があり、救援どころではない可能性があり、気休めの付けたしのようにも見える。
(2015.5.14.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―米国の属国化する日本

2015-06-27 | Weblog
シリーズ平成の本音―米国の属国化する日本
 米国国防総省は、5月11日(日本時間12日未明)、米空軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ(CV22)を、東京都下の米軍横田基地(福生市など)に配備する旨発表した。
 これを受けて中谷防衛相は、米国政府(国防省)の決定としつつ、オスプレイの横田基地配備予定を発表し、「日米同盟の抑止力・対処力の向上に資するというほか、アジア太平洋地域の安定にも資する」などとした。外務大臣、官房長官も同様のコメントをしている。
また防衛相は、「わが国においても、首都直下型地震とか、南海トラフ地震、こういった大規模災害が発生した場合に、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができる」旨付言した。
 日本側の発言は、米国の説明と類似するが、そのような抑止効果などはあるであろう。しかし米国の配備決定だから日本はそれを容認するということは、日本の防衛という観点からは主体性がなく、属国のようだ。
オスプレイ(CV22)は、米空軍の特殊部隊に属し、2017年後半に3機、2012年までに7機、合計10機配備予定であるが、他国を侵攻する際に上陸作戦に投入される。島嶼の多い日本では、島嶼防衛にも有効であろうが、このような攻撃的な機種、部隊が投入されれば、相手国も対応措置を取るだろ。それ以上に不測の紛争、武力事態においては、首都圏に隣接する横田基地が初期の攻撃目標となる可能性が強くなるので、首都圏防衛という観点からは重大な問題だ。そもそも米国の前方展開基地の日本などへの展開は、第一義的には米国本土の攻撃を防ぐ目的であるので、米国のとっては死活的な利点があるが、日本にとっては初期の段階から攻撃の目標となり、盾となるので、危険は高くなると見られる。もしこの首都圏地域に配備するとすれば、高性能レーダーや迎撃ミサイル、防空力などの防御施設であり、オスプレイのような攻撃的部隊、機材ではなさそうだ。
 また首都圏に隣接する住宅密集地にわざわざオスプレイを配備することは、それでなくても騒音問題や事故などの問題で住民生活に大きな影響を与えているので、追加的な負担や危険となることは否定できない。更に首都圏を起点としてわざわざ日本本土で飛行訓練する必要があるのか、大いに疑問だ。飛行訓練をするなら、グワムや国土の広い米国本土で行えば良いことであろう。
 そもそもオスプレイを、ニューヨーク市やワシントンD.C.近郊の住宅地域に配備し、飛行訓練も行うとすれば、米国民から強い反対が起こるであろう。事実、ハワイ島では配備を反対されている。それを首都近郊の横田基地に配備することを決定した米国軍事当局の配慮の無さ、無神経さに驚かされるが、日本の関係閣僚が支持、評価する姿は、宗主国米国の立場を優先する属国の擁護者のようにも見えるのではないだろうか。
 日本では、日米安保条約の下で米軍施設などの地位を規定する日米地位協定において、米兵が暴行等の罪を犯しても裁判権は米国側にあり、いわゆる治外法権扱いとなっており、日本は未だに属国扱いとなっている。
 それに対し改善を申し入れるどころか、自・公政権下の関係閣僚がオスプレイの横田配備をあっさりと認め、評価しているとは情けないところではある。
 また「大規模災害が発生した場合に、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができる」としているが、それは日本が主体的に取り組むべきことである上、首都直下型地震や南海トラフ地震などの大規模災害が発生すれば、横田基地自体が多大の被害を受ける可能性があり、救援どころではない可能性があり、気休めの付けたしのようにも見える。
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 米国国防総省は、5月11日(日本時間12日未明)、米空軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ(CV22)を、東京都下の米軍横田基地(福生市など)に配備する旨発表した。
 これを受けて中谷防衛相は、米国政府(国防省)の決定としつつ、オスプレイの横田基地配備予定を発表し、「日米同盟の抑止力・対処力の向上に資するというほか、アジア太平洋地域の安定にも資する」などとした。外務大臣、官房長官も同様のコメントをしている。
また防衛相は、「わが国においても、首都直下型地震とか、南海トラフ地震、こういった大規模災害が発生した場合に、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができる」旨付言した。
 日本側の発言は、米国の説明と類似するが、そのような抑止効果などはあるであろう。しかし米国の配備決定だから日本はそれを容認するということは、日本の防衛という観点からは主体性がなく、属国のようだ。
オスプレイ(CV22)は、米空軍の特殊部隊に属し、2017年後半に3機、2012年までに7機、合計10機配備予定であるが、他国を侵攻する際に上陸作戦に投入される。島嶼の多い日本では、島嶼防衛にも有効であろうが、このような攻撃的な機種、部隊が投入されれば、相手国も対応措置を取るだろ。それ以上に不測の紛争、武力事態においては、首都圏に隣接する横田基地が初期の攻撃目標となる可能性が強くなるので、首都圏防衛という観点からは重大な問題だ。そもそも米国の前方展開基地の日本などへの展開は、第一義的には米国本土の攻撃を防ぐ目的であるので、米国のとっては死活的な利点があるが、日本にとっては初期の段階から攻撃の目標となり、盾となるので、危険は高くなると見られる。もしこの首都圏地域に配備するとすれば、高性能レーダーや迎撃ミサイル、防空力などの防御施設であり、オスプレイのような攻撃的部隊、機材ではなさそうだ。
 また首都圏に隣接する住宅密集地にわざわざオスプレイを配備することは、それでなくても騒音問題や事故などの問題で住民生活に大きな影響を与えているので、追加的な負担や危険となることは否定できない。更に首都圏を起点としてわざわざ日本本土で飛行訓練する必要があるのか、大いに疑問だ。飛行訓練をするなら、グワムや国土の広い米国本土で行えば良いことであろう。
 そもそもオスプレイを、ニューヨーク市やワシントンD.C.近郊の住宅地域に配備し、飛行訓練も行うとすれば、米国民から強い反対が起こるであろう。事実、ハワイ島では配備を反対されている。それを首都近郊の横田基地に配備することを決定した米国軍事当局の配慮の無さ、無神経さに驚かされるが、日本の関係閣僚が支持、評価する姿は、宗主国米国の立場を優先する属国の擁護者のようにも見えるのではないだろうか。
 日本では、日米安保条約の下で米軍施設などの地位を規定する日米地位協定において、米兵が暴行等の罪を犯しても裁判権は米国側にあり、いわゆる治外法権扱いとなっており、日本は未だに属国扱いとなっている。
 それに対し改善を申し入れるどころか、自・公政権下の関係閣僚がオスプレイの横田配備をあっさりと認め、評価しているとは情けないところではある。
 また「大規模災害が発生した場合に、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害救援活動を行うことができる」としているが、それは日本が主体的に取り組むべきことである上、首都直下型地震や南海トラフ地震などの大規模災害が発生すれば、横田基地自体が多大の被害を受ける可能性があり、救援どころではない可能性があり、気休めの付けたしのようにも見える。
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シリーズ平成の本音―甘い情勢認識と‘積極的平和主義’の代償   (総合編)

2015-06-27 | Weblog
シリーズ平成の本音―甘い情勢認識と‘積極的平和主義’の代償   (総合編)

 1月20日午後(日本時間)、“日本政府及び日本国民へ”として「イスラム国」(ISIS)からと見られるビデオメッセージがインターネット動画YouYubeに投稿され、人質としている日本人2名(湯川、後藤両氏)をひざまずかせ、“身代金2億ドルを72時間以内に支払わなければ殺害する”旨表明した。動画に映る男は、背丈や、左手にナイフを持ち、拳銃をホールダーに吊るしており、手の動きや、喋る時に首を左右にかしげる仕草、英語のなまりなどから、昨年米国人や英国人を前にして同様の通告をし、その後殺害した人物と酷似している。営利目的にせよ、政治的な目的にせよ、許し難い国際犯罪行為だ。
 この戦闘員姿の人物は、“日本の首相よ”と呼び掛け、“「イスラム国」から8500キロ以上も離れているのに、自ら進んでイスラム国に対するこの十字軍に参加した”としつつ、2人の命は2億ドルとした。更に日本国民に呼び掛け、“日本政府はイスラム国に対する戦いに2億ドルを払うという愚かな選択をした”とし、命を救うための金額を2億ドルをとした理由に言及しつつ、期限は72時間などと迫った。
 安倍首相は、1月16日から1月21日までの予定でエジプト、イスラエル、パレスチナ等の中東諸国を訪問中であった。そして1月17日、最初の訪問国エジプトの経済合同委員会において演説し、「中東全体を視野に入れ、人道支援、インフラ整備など非軍事の分野で、25億ドル相当の支援」を新たに実施することを表明すると共に、イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためとしつつ、「人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援」することを約束した。
 その2日後に、「イスラム国」側から首相に宛てた2人の日本人人質に対する上記の身代金要求と殺害予告が行われた。
 そして「イスラム国」(ISIS)側は期限までに身代金は支払わられないとの心証を得たのだろうか、1月24日、後藤氏が湯川氏の遺体と見られる写真を持つ映像をインターネット動画サイトで公開しつつ、後藤氏が英語で、身代金ではなく、ヨルダンの首都アンマンで連続ホテル自爆テロ事件に関わった‘サジダ・リシャウィ死刑囚’を釈放するようにとの「イスラム国」側の要求を伝えた。次いで1月27日午後11時頃、後藤氏が2014年12月にISの捕虜となったヨルダン軍パイロットと見られる男性の写真を手にし、“私には24時間しか残されていない”と述べ、‘リシャウィ死刑囚の釈放’を求めた。1月29日、「イスラム国」側は、リシャウィ死刑囚(ヨルダンで収監中)を29日日没(現地時間)までにトルコとIS支配地域との境界に連れてくるよう要求する声明をインターネットに公開した。しかしヨルダン政府側は、捕虜となっている同国パイロットとの交換を優先しつつ、同パイロットの安否の確認が得られない限り応じないとしていた。しかし2月1日午前5時過ぎ、「イスラム国」側は、“日本政府へのメッセージ”として、最初に登場した戦闘員と見られる男が“日本が有志連合に加担していること”を非難した後、後藤氏を殺害したとする映像をインターネットに公開した。そして男は、“日本の愚かな決定”により後藤氏は死ぬが、“今後日本の国民は何処にいても殺戮されるだろう”と結んだ。日本は今回の事件の対応で、2人の尊い命を失った上、世界における日本人の安全を著しく低下させる結果となった。
日本人2名の「イスラム国」側による人質事件は、大変残念ながらこうして最悪の結末となった。
 このような犯罪行為が許されて良いものではない。しかし同時に次のような課題もある。
 1、甘い国際情勢認識と危機管理意識の欠如
 昨年8月に湯川氏がいわゆる“イスラム国”領内で捕まっていることや米国や英国のジャーナリストが捕まり、米、英が要求に応じなかったため処刑されたことなどは広く知られていたところであり、また、その救出のために昨年10月に後藤氏が“イスラム国”領内入って捕まり、11月頃より家族に対し10億円、或いは20億円にのぼる身代金を要求されていたことも外務、首相官邸サイドは知っていたとしている。
 このような状況にありながら、首相が中東に出向き、いわば“イスラム国”の面前で「ISIL(“イスラム国”)と闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援」することを約束すれば、“イスラム国”を刺激し、人質となっている2人の日本人の命を危うくすることは十分想定出来たはずである。
 日本が、国際テロとの戦いに各国と協力することは当然であろう。しかし“イスラム国”に対し、米、英両国を始めジョルダンなど50カ国近くの有志連合が“イスラム国”掃討のため連日のように空爆している最中に、日本が米国との同盟関係を強化し、集団的自衛権行使の実現を推進すると共に、中東での反“イスラム国”諸国を支援することを表明すればどのような結果を招くかを十分認識すべきであろう。
 事前の地域情勢判断の甘さと危機管理意識の欠如を指摘されても仕方がない。
更に後藤氏殺害の映像を受けて、安倍首相は安保関係閣僚会議の後、記者団に対し、これを非難すると共に、「テロリストたちを決して許さない。罪を償わせるために国際社会と連携する」としつつ、「食糧支援、医療支援などの中東への人道支援を更に拡充する」とした。テロを容認出来ないことについては全く同感であるが、「イスラム国」側が、後藤氏を殺害した後、“今後日本の国民は何処にいても殺戮されるだろう”としており、日本人への危険が高まっている時に、「中東への支援を拡充する」との趣旨を何故この時点で表明するのだろうか。日本は今回の事件の対応で、2人の尊い命を失った上、世界における日本人の安全を著しく低下させる結果となった。もう少ししたかな熟慮があって良いのかもしれない。世界における日本人の安全確保において政府首脳の言動が大きな影響を与えるものと予想され、日本が今後どのように外交を展開し、対外説明して行くのかなど、課題が残った。
 2、「積極的平和主義」等の犠牲と代償
 安倍政権は、ベトナムからインド、トルコに至る諸国を‘自由と繁栄の弧’とし、これら諸国との関係を増進すると共に、世界の平和と安定に積極的に貢献するという‘積極的平和主義’を推進しようとしている。今回の中東訪問もその一環と見られ、これら諸国に総額25億ドルの支援を表明すると共に、「ISIL(イスラム国)と闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度の支援」を約束した。
 このような外交姿勢は日本にとって一つの選択肢であろうが、‘積極的平和主義’には国民の大きな犠牲や代償が必要となることを国民は認識すべきであろう。今回の事件からそれが国民の目に明らかになった。
 また安倍政権は、日米同盟関係の強化を図り、更に集団的自衛権の行使を可能にし、海外での軍事行動には参加しないまでも、世界の平和と安全に米国と行動を共にし、‘積極的平和主義’を推進する方針としている。日米同盟関係の強化も日本にとって選択肢の一つであろうが、そのような対外姿勢により、日本は米国の外交、安全保障政策と同一視され、犠牲や代償を強いられることになろう。国民はそれを十分に認識すべきであろう。それ以上に、自・公政権は、このような国家目的の遂行のために、国民に犠牲、代償を強いることがあることを説明する責任があろう。同時に国民の生命、財産に大きな犠牲を強いる以上、政権側には結果責任を取る覚悟が必要であろう。
 そして日本がどのような対外姿勢をとるかは、最終的には国民が選択することになるので、国民の一人一人が日本の取るべき道を選択し、明らかにする必要があろう。
 なお、1月20日に“イスラム国”側から身代金要求がなされてから、日本政府は米国を含む関係各国と連絡を取り合ったが、米国が早い段階から‘テロとの戦いに日本と連携し対応する’旨表明する一方、国務省報道官が‘イスラム国側の要求に応じるべきではない’ことを再三にわたり内外に表明していたことは、心強かった反面、自国民なら兎も角、日本国民の生命が掛かっている時に、他国の手を縛り、日本人の命を危うくするような言動を表明することは踏み込み過ぎではなかろうか。日本側が、「イスラム国」が“有志連合による十字軍”と非難し、敵対関係にある諸国に協力や情報提供を求めることは良いとしても、それを公にし、米国が‘連携’を約束することにより、日本の反「イスラム国」色が際立つ結果となったと言えよう。
 またシリア、イラクに隣接し、日本と友好関係にあるヨルダンに現地対策室を設けたことは一見適切のように見えるが、ヨルダンが‘有志連合’による空爆に参加しており、「イスラム国」にとっては敵対国であるので、情勢判断の甘さが指摘されても仕方がないであろう。
 3、国民の側の危機管理意識と自己責任
 同時に、“イスラム国”の支配地域に足を踏み入れた2人の日本人についても、地域情勢の認識の甘さや危機管理意識の欠如、安易さが指摘されると共に、後藤氏自身が同地域に向かう前にビデオで表明していた通り、無謀な行為に対する自己責任意識をより強く持つことが望まれる。
 今回犠牲になられた日本人及びそのご遺族には、心から哀悼の意を表したい。このような残虐な国際犯罪を遂行する“イスラム国”の行為を容認することは出来ない。
 しかし“イスラム国”域内は内戦やテロ活動が続く一方、米英などの‘有志連合’による空爆が連日のように行われている戦闘地域であり、著しく危険な地域であることは分りきっていることである。そのような地に赴く行動の責任は重く、今回のような行為は容認出来ないが、残念ながらその結果は本人自身が受けていることを認識すべきであろう。
 なお、湯川氏が設立した‘民間軍事会社’とは一体どのような目的があるのか疑問だ。湯川氏自身も、自動小銃を保持して“イスラム国”領内に入り捕虜となったと見られている。民間戦闘要員や民兵の派遣・訓練、軍事物資の提供を“イスラム国”などに行うためなのか。警備会社ならともかく、‘民間軍事’事業の内容如何では非社会性も疑われるところであり、日本において認めて良いのか疑問は多い。また後藤氏については、家族へ身代金要求が来ているなどが明らかにされているが、湯川氏については‘民間軍事会社’へのこのような要求があったのか、或いは昨年8月以降救出のための努力はなされていたのかなど一切明らかにされていない。会社側に説明責任があるのではなかろうか。
 4、余り語られないもう一方の攻撃
 “イスラム国”の残酷、非人道的な犯罪行為を容認できない。世界のイスラム教信者は13億とも16億人とも言われているが、多くのイスラム教信者は‘公正’を尊重し、このような行為を支持はしていないと考えている。
 他方、殺戮行為は“イスラム国”やイスラム過激派だけが行っているものではない。米国を中心とする有志連合は、“イスラム国”支配地域を‘2000回以上空爆した’としており、空爆により多くの一般市民を殺傷し、各種の非軍事施設を破壊したと見られている。しかしその詳細はほとんど報道されておらず、知られていない。
 “イスラム国”圏外においても、アルカイーダ・グループなどの米国を中心とする‘国際テロとの戦争(War against Terror)’は行われている。2001年の米国での9.11同時多発テロ以降、主としてアフガニスタン、パキスタン北部、イラク、イエメンなど、イスラム過激派への攻撃は続けられて来た。
 その詳細は余り伝えられていないが、多くの子供を含む民間人が巻き込まれ、殺害されている。米、英の民間組織が情報を集め、公表している。
 ロンドンのジャーナリズム検証事務局(BIJ)によると、2015年1月現在、米国の無人飛行機による爆撃は413回、死者は2,438から 3,942人、その内民間人の死者は416から959人で、168から204人の子供が含まれるとしている。
 アフガニスタンでは、米国の無人飛行機による爆撃は2002年以降1000 回以上行われており、民間人も巻き添えになっていたため、当時のカルザイ大統領は懸念を表明した。最近でも、2014年6月にパキスタン北部を無人飛行機が2度に亘り爆撃し、モスレム戦闘員とされる少なくても16人が死亡したとされるが、いずれも詳細は明らかにされていない。
 またイエメンでは、2014年11月、米国の無人飛行機による爆撃により、シャブワ州の訓練サイトとされる場所より戻っていたトラックが破壊され、アルカイダ戦闘員と疑われる10人と3人の労働者が殺害され、他2名が負傷したとされる。イエメンには、アルカイダ・アラビア半島グループ(AQAP)が存在し、戦闘員訓練センターがあるとされるが、トラックの乗員を確認し、民間人の被害を避けることが困難など問題が指摘されている。
 このように米国を中心とする多国籍軍や有志連合によるイスラム過激派に対する攻撃は各地で行われており、民間人や子供が巻き込まれて多くの死傷者が出ていることも事実であり、イスラム過激派にも言い分があるのであろう。またアフガニスタンなどで捕らえられたアルカイーダ分子などが、キューバにある米国のグアンタナモ刑務所に収容され、取り調べを受けていたが、その間各種の屈辱行為が行われたと報道されており、これに対する批判等があっても仕方がない。テロ行為を容認する気は毛頭ないが、過激派によるテロ行為や暴力は許さないが、欧米等による空爆や無人機爆撃により民間人、子供を巻き込んで殺傷するは容認するということであれば、心情論は別として、フェアーさを欠く。空爆等による被害内容の詳細はほとんど伝えられていない。ジャーナリズムを含め、物事を見る時は、或いは物事を解決しようとする場合は、双方の状況を見極めないと公正な見方や解決策とはなり難い。
 中東の情勢は、歴史的にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教という3つの宗教と部族集団が絡み、そしてフランス、イギリスの植民地支配を経て今日に至っており、複雑な歴史的背景がある。また一方で石油という戦略物資が存在し、他方で長期化するイスラエル、パレスチナ間の中東紛争を抱えており、経済的にも政治的にも国際情勢に全体に大きな影響を与えている地域である。
 従って「イスラム国」の問題は、第一義的には周辺のイスラム教諸国の問題であろう。これら諸国のイスラム教最高指導者レベルが会合し、イスラム教はこのような残虐なテロ行為や暴力を容認しないことを表明すれば、世界のイスラム教への誤解をとけるだろう。
 このような中で、米国は2001年9月の同時多発テロの後、アフガニスタンのタリバンとその庇護下にあったアルカイーダに対するいわゆる‘テロとの戦争’を開始した。また化学兵器など大量破壊兵器を保持しているとの情報に基づき(その後この情報は誤情報と判明)、サダムフセイン政権下のイラクに侵攻したが、米、英両国を中心とする多国籍軍の10年以上の軍事行動や支援にも拘らず、アフガニスタンについてもイラクについても樹立された政権が未だに全土を掌握出来る状況にない。更にイラクについては、シーア派(多数派)を中心とする政権を樹立させたものの、処刑されたサダムフセイン大統領の出身母体であるスンニ派(少数派)の支配地域(バクダッド以北)からシリア北部に掛けて「イスラム国」の出現を許している。
 また当初から恐れていた通り、アルカイーダなどのイスラム過激派は、イエメンやアフリカ中央部等に拡散している。またチュニジアからエジプトに掛けての‘アラブの春’と言われた民主化の波も、リビア、エジプトなどではイスラム過激派が浸透しており、安定していない。
 このようにイスラム過激派は中東、アフリカを中心として世界に拡散し、ボーダーレスの脅威となっている。また欧米諸国には第2世代の過激派や共鳴者も出現しており、米国、英国、フランスなどでテロ行為が行われている。
 2001年末から開始された‘国際テロとの戦争(War against Terror)’は、14年間継続され、アフガンとイラクに政権を樹立したものの、過激派テロ集団は押さえ込みに成功はしておらず、逆に世界各地に拡散、拡大しているのが現実だろう。
 一定の軍事行動による抑止と制圧は必要ではあるが、これまでのような軍事力と武力による制圧だけで良いのであろうか。アフガニスタンとイラクだけでも10年以上の月日を費やし、未だに先が見えないのに、更に「イスラム国」壊滅に向けて戦争を継続するのだろうか。テロ分子は世界各地に拡散しており、これから何年、何十年このような武力と暴力の連鎖を続けることになるのだろうか。
 「イスラム国」の問題は、まず周辺のイスラム教諸国の問題だ。中東情勢は、歴史的、宗教的、政治的に複雑で、周辺諸国を除けば、英、仏など旧植民地国、及びイスラエル、パレスチナ問題と石油資本に深く関わってきた米国等がより良く知っているだろう。従ってこれら欧米諸国と周辺イスラム教諸国と協議して、今後の対応を進めることが望まれる。
 日本は、石油をこの地域に依存してはいるが、歴史的に中東に足を踏み入れたことは無く、また人口の70%以上がブッダ教関係であり、神道を含めると宗教的にもイスラム教諸国との接点は少ない。しかし人道支援や難民支援を行うのは良いが、今回の事件の対応の仕方で、日本は欧米諸国を中心とする反「イスラム国」‘十字軍’に加担している国とのラベルを貼られてしまった。この地域での石油関連ビジネスもこれまで以上に危険にさらされることになるので、石油の確保、エネルギーの安全保障にも反するマイナスとなった。
国連の動きも鈍い。安保理は「イスラム国」の残虐な行為を非難したが、事務総長は仲介努力をしようともしていない。シリアのアサド大統領政府と反政府グループとの仲介も中途半端で放棄し、その後も難民問題を含め注目すべき動きはない。関係国に任せており、機能不全のようにも見える。国連事務総長の役割が課題となろう。
 いずれにしても米国により始められた‘国際テロとの戦争(War against Terror)’は、一定の効果はあり、心情的には成功を祈りたいが、国際テロの根絶どころか縮小にも成功していない。これまでの軍事力や武力に頼る政策から、イスラム教諸国との対話や協議を通じ一層の信頼醸成を図ると共に、法に基づく公正な対応も考えて行くべきではなかろうか。
(2015.2.5.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―自公政権は老齢者、庶民の敵か!?

2015-06-27 | Weblog
シリーズ平成の本音―自公政権は老齢者、庶民の敵か!?
 厚生労働省は、厚労相の諮問機関の一つである社会保障審議会の医療保険部会に、高齢化に伴い増加する医療費の対応策として、75歳以上の年長者の医療保険料を含め、保険料を引き上げることを柱とする国民の負担増や医療費の抑制策を示したと伝えられている。
 医療費に関連して、自・公政権は既に診察料を引き上げている他、第2の医療費とも言える介護保険料を設け、年金受給者からは介護保険料を天引きしているが、それも引き上げている。
 更に同省は公的年金についても、年金給付額の一層の引き下げなどの抑制策や年金保険料の引き上げなどの負担増を検討している。あたかも悪代官と政商が‘お主も悪よのう’との高笑いが聞こえて来そうだ。
 4月の消費税増税は何のためだったのか。消費税収入は福祉関連に充当するとした上で、社会福祉制度改革を行うことを、民主党政権(当時)と合意し、国会の場で約束したのではないか。国会の場での約束であり、国民への公的な約束と言える。
 その答えが、保険料を引き上げることを柱とする国民の負担増や医療費の抑制策ということか。公的年金についても、年金給付額の一層の引き下げなどの抑制策や年金保険料の引き上げなどの負担増が行われ、更なる改悪が検討されている。
 財源難で、8%への消費増税を行っても財政難が解消しないのであれば、まず行うべきことは歳出、特に人件費を含む管理費の削減であろう。これは中央省庁だけでなく、地方公共団や国会、地方議会を含む人件費を含む管理費の削減がまず行われなくてはならない。今後3年間で3割減などという具体的な目標が必要だ。
国民への更なる負担増や給付の削減であってはならない。ところが現自・公政権は、実質的な無駄の削減などの行財政改革や政治改革には不熱心であり、実績がない。それどころか、現政権は、2年間実施されていた公務員給与の平均7.8%削減を4月に元に戻した上、公務員給与の引き上げを閣議決定している。更に、議員報酬についても13%程度削減されていたものを4月末で元に戻している上、着実な人口減が予想されているのに議員定数の削減については非常に不熱心だ。それどころか、政務調査費の不適正な使用やネギの購入なども政治資金として計上しているなど、政治資金の乱脈振りが報道されている。
 それにも拘らず、更に国民の負担を求めるのだろうか。耳障りの良いことばかりを言っているが、それだけでは責任ある政権政党とは言えそうにない。(2014.10.17.)
(All Rights Reserved.)
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