プチコミ情報局

生活に直結した新鮮で興味ある情報を発信します。
皆様からも面白く参考になる情報(正しい情報)をお寄せ下さい。

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-09 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-08 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。無論党組織間の問題であるのでいろいろなレベルでの探り合いが行われようが、実務者レベルの接触では、仙石官房副長官と大島自民党副総裁との話し合いのあと大連立の空気が一挙に冷え込んだように、どうしても党利が先行した事務的なものになり、速やかな復旧・復興、国家、国民の利益のため、この国難に一丸となって取り組む大連立という大所高所の視点が埋もれてしまう。党利、私利を抑え、国家、国民の利益のため、国難に一丸となって取り組む大連立を実現することに政治生命を掛けて話し合える者が早く、静かに話し合うことが必要だ。ポスト菅が誰になるかはその次の話であろう。マスコミや与野党の議員の中には、ポスト菅が誰になるかと連日大騒ぎしているが、それぞれ実務者レベルでの見方であり、国家、国民の利益という大所高所の視点が理解できていないからであろう。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!

2011-06-08 | Weblog
シリーズ平成の本音 一定期間の大連立を緊急提案する!
 国会の会期末が迫り、6月2日、野党自民・公明両党他が菅首相に対する不信任決議案した。これに対し小沢グループの他、鳩山グループなど相当数の民主党議員は、自発的辞任の意思がないと見て、不信任決議に賛成する姿勢を示していたが、2日の衆議院本会議を前にして急遽開催された同党代議士会で菅首相が復旧・復興に「一定のめど立ち、一定の役割が果たせた段階で」若い人達に引き継ぐ意向を表明し、これがTVのテロップで「辞意」として報道されたことにより、小沢、鳩山両グループ他の議員は反対に転じ、不信任採択をかろうじて回避した。
 しかしその後、菅首相は辞任時期について、福島原発沈静化のための工程表でステップ2の冷温停止の達成を目途にしたい旨表明し、また周囲を困惑させている。鳩山前首相と菅首相の最終会談に同席した同党岡田幹事長は、菅首相は「辞任」とは言っておらず、時期も復興に一定のめど立ったらとしか言っていないなどとしており、民主党内の混乱を一層拡大させている。当の鳩山前首相は「うそである」としており、民主党の政権トップが仲介者の信頼を裏切る結果となっている。そもそも岡田幹事長は、2009年9月に成立した鳩山内閣で外相に就任したが、沖縄普天間の辺野古への移設につきマニフェストで「見直す」とし、また鳩山首相(当時)自体は「県外移設」を示唆していたものの、岡田外相(当時)は沖縄を訪問し説得することも、県外移設につき米国と協議するでもなく、ハシゴを外した結果となっている。また同幹事長は、本会議を欠席した小沢議員や賛成投票した松本議員の除名を提案するなど、小沢グループの更なる切り崩しを図っており、鳩山前首相の努力、意向に反する行動を取り、同党を原理主義的縮小均衡の方向に向かわせている。
 そうではないのだ。今回の鳩山前首相の意図は、党分裂の回避と国家危機の中で党が一致して対応し、野党とも協力出来る環境を造ることが大きな目的であったと見られる。小沢元代表の意図も同様で、参議院で民主党が過半数を失った以上、野党の協力を得られない菅政権では、予算関連法案や復旧・復興に関し速やかな国会の承認は得れないと見ており、菅首相を退陣させて野党との協力が得られる体制にし、この国難を何とか乗り切ろうとしているのであろう。かたくなに権力にしがみつく菅―岡田ラインはそれを全く理解していないかのようだ。不信任案に反対に回った民主党議員の中には、不信任案を可決させて置けばよかったと後悔している者も少なくない。小沢元代表の読みが正しかったと言えよう。
 現在の国難に国家、国民が一致して対応して行くためには、次の理由で、菅政権の速やかな退陣と大連立政権の成立を緊急提案したい。
1、更に困難になった菅政権の国会運営
菅政権では、今後予算関連法案や復興基本法など今国会中に処理しなくてはならない各種の措置についても国会の承認を得られそうにない。野党との対立が更に先鋭化した現在、関連法案の参議院通過は更に困難になったと言える。菅政権は政策面で2009年総選挙の際のマニフエストから乖離し、いわば「政策難民」のごとく漂流状態である一方、今
回小沢、鳩山グループ等の信頼を裏切った形となっているので、党内を纏めることも更に困難になった。
 その意味からすると、菅首相の国会での役割は事実上終わっていると言えよう。今通常国会の会期末までに、与野党の協力を得て予算関連法案や復興基本法などを優先的に処理し、復興への枠組みにめどをつけて速やかに退陣することが望まれる。それ以上の同政権継続は国家、国民の利益になりそうもない。
 菅首相は、参議院での多数確保の観点から、2010年秋に野党自民党等との大連立を模索したが失敗している。また東日本大震災後、復興促進の名目で自民党よりの入閣など協力を模索したが、延命策、保身と見られ、これも失敗しているので、大連立の核とはなり得ないことが明らかになっている。
2、野党自民党も選挙で過半数を制することが出来るか疑問
野党自民党が公明党と連携しても単独で復権するためには解散、総選挙しかないが、国
民はこの時点で解散、総選挙は望んでおらず、それを強行したとしても党利党略としか映らず、同党が過半数を制することが出来るか疑問だ。
そもそも今回の地震、津波の規模が「想定外」とされているが、あれほど大きな被害を招いたのは、戦後自民党政権の下で築かれて来た防災対策が不十分であったためと言える。
1960年5月のチリ地震の際、三陸沿岸に津波が襲来し死者142名を出し、三陸沿岸の津波への脆弱さが現実のものになった。更に2004年12月のスマトラ地震に際する津波被害の大きさから、三陸沿岸など太平洋沿岸の脆弱さが各方面から強く指摘されていたので、自・公政権下での地震、津波対策や海に面している原子力発電所の防災対策上の責任が問われても良い。同党は、現政権には復興は任せられないとしているが、自・公両党はスマトラ地震以降の太平洋沿岸地域の防災対策が福島原発を含め十分でなかったことについて説明責任があると言える。本来であれば、旧政権と行政関係各部は、原子力委員会及び関係県を含め、防災対策の不備と想定の甘さにつき国民、県民に詫びるくらいの気持ちが欲しい。
 自民党は、菅政権には復興は図れないとしているが、それでは同党に任せられるかというと、過去の甘い政策や権益、官僚依存の体質を擁護する可能性が強く、国民としては躊躇する可能性がある。
3、国難を切り抜けるためには大連立以外の選択肢は無い
衆議院議員の任期は2年も残っており、現在は一刻を惜しんで、復旧、復興に取り組
み、東北3県を中心として不自由で不安な生活を強いられている被災地域の人々のために英知と具体的な努力を傾注すべきであろう。それが日本経済の支えともなる。
このような状況から、取り敢えず任期が残っている2年間、国民新党を含む政権与党と
自民、公明などの主要野党との大連立結成を前提として、菅首相が辞任し、新たな首班を指名し、大連立の下でこの内外の難局に日本が一つになって当たることを強く提言したい。
大連立協議でコアーとなるのは、大連立を視野に入れて行動している民主党の小沢元代表、鳩山前首相と最大野党の自民党谷垣総裁であろう。小沢元代表については、これまで野党や一部保守系マスコミ等から壊し屋などと言われているが、同代表は必ず新しい枠組みを作り上げている。同人は、既存政党の枠を超えて政権交代がある民主主義の枠組み、政治行政の枠組みの構築を模索している唯一の国会議員と言える。その抜群の政治的センス、洞察力と実行力は、今一番日本に必要とされている。それだけに既成政党や一部保守系マスコミの反発も強いが、それに目を奪われてはいけない。国難に直面している現在、この能力を使わない理由はない。同議員の政治資金記載問題での裁判が進捗していないようだが、司法が国民から選ばれた議員の立場をいたずらに制約し、不安定な状態にして置くことは非常に望ましくないので、どちらにせよ、速やかに結論を出すべきであろう。鳩山前首相についても、育ちの良さから弱さや淡白な面があり、更に経験を積む必要はあるが、日本を何とかしたい、政治を何とかしたいという誠意は伝わって来る。谷垣総裁は最大野党の総裁であり、強固な大連立には欠かせない存在である。誰が大連立の首班となるかは政治そのものの問題であり、マスコミや政治学者や評論家などの問題ではないので、この3者の協議に委ねたら良い。
 野田蔵相や海江田経産相などを挙げている学者、評論家もいるが、これらの者が大連立を率いることは全く無理であろう。海江田経産相については福島原発問題でも精彩を欠く。前原前外相や枝野官房長官についても同様だ。仙石官房副長官については、枝野長官同様弁護士としては有能かもしれないが、09年9月の中国船の尖閣沿岸侵入事件で大失態を演じているし、自衛隊を“殺人装置”などと言う始末で、国家のリーダーとしての能力に欠ける。また長老に期待感を示す者もいるが、長老は党利・私利や旧体制を擁護することになると予想されるので、長老未満、若手以上が現実的であろう。必要なのは政治力であり、既成政党や一部マスコミ、既成評論家などから多少の批判があっても、迅速に判断を下し、それを実行し結果に責任が取れる人物であろう。
(2011.6.4)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする