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元号強要は国民への追加的負担ー低労働生産性の象徴的要因ー!!

2022-09-29 | Weblog
シリーズ本音トーク―元号強要は国民への追加的負担ー低労働生産性の象徴的要因ー!!
 4月1日、政府は新元号が「令和」となる旨発表した。4月末で「平成」は終了し、5月1日に新天皇となるに伴い新元号となる。これをビジネスチャンスと捉え各種の商品やサービスが提案されており、経済効果が期待される。もっとも5月2日の早朝のスポーツニュースで、令和初のホームラン、令和初のヒット、令和初の盗塁などなど、何かにつけて´令和初’を付けて報じていたが、野球と元号は関係はないので耳障りでチャンネルを変えた。ニュースにしたいのだろうが、無節操な報道姿勢の体質は変わっていない。
 新元号のネーミングについての評価はいろいろあると見られるが、元号で物事が変わるものではなく、その後為政者がどのような時代にしていくかに掛かっている。
一般国民にとっては、新元号になろうとなるまいと、増え続ける規則や慣例、慣行に縛られることなく、出来るだけシンプルで、ストレスが少なく、豊かで希望の持てる社会となることを待望している。
新たな時代に取り組むためには、新元号に期待を持たせるだけでなく、「平成」がどのような時代であったかも謙虚に評価することが必要だろう。その評価無くして進歩も改革も期待できない。
 新元号への変更については、政府、政府関係機関で各種申請書、文書、許認可証等の年号が円滑に進められるよう膨大な作業が行われている。地方公共団体や民間企業、団体でも元号使用に関連し各種の対応策が行われている。
 政府は、4月1日に新元号を公表し、混乱なく改元が進むよう対応が進んでいるとしているが、元号の決定プロセスの不明瞭性と共に、改元や元号使用に伴う国民生活や経済活動に追加的な負担となり、また犯罪の種ともなっている側面を見落としてはならない。
 改元に伴いキャシュ・カードなどの交換が必要として巧みにカードを盗む‘元号詐欺’が横行している。元号が使われる限り、今後もあの手この手で‘元号詐欺’は続くことが懸念されている。
 国民生活にとっては、元号が変わること時代計算や各種の申請書、履歴書類の作成などで作業を複雑にし、追加的な負担となっている。特に超高齢化している現在、明治、大正、昭和、平成、新元号と5元号を経ることになり、何年前だったかなど分からなくなってきている。NHKなどでも、元号でニュースを伝えることが多いが、何年前だったかなどが直ちには分からない場合がある。
多くの国民にとっては複数の年号を経るので元号表記は煩雑で、そのために費やす手間暇は可なりのもので、超高齢化の時代では更に煩雑な計算が必要となる。時間の喪失感は無視できないほどで、社会的な損失も大きい。
 元号は、一般国民の生活、各種活動において使用が強制されるものではないので、国民、企業、諸団体自らが西暦年号表記の使用を促進することが望ましい。
 日本にはこの種の伝統や慣習や時代と共に旧弊が多なる上、法律、規則、更には‘通達’などで公的機関への提出文書を細部まで定めていることが多い。一方日本人は良く働き、残業も多く、夏季休暇が以上に短い上休暇も返上して働くのに、労働生産性は欧米諸国が加盟するOECD 35カ国中20位(37年連続という醜態)、先進7カ国中では40日程度は夏季休暇を取るイタリア、フランスよりも低く最下位だ。
 要するに日本人は労働時間が長いのに反して賃金、役員報酬がおしなべて低いということに尽きる。では何故そんなに労働時間が長いのか。その大きな原因の一つが、元号の換算や箸の上げ下げまで規定する規則、‘通達’ずくめの制度にある。米国はじめ多くの国が、日本は市場参入が難かしい、投資が難しい、非関税障壁があるのではないかなど、市場の開放性に疑問に思っている。確かに日本人でありながら新規に何かをしようとすると制度や申請書類などが細かく複雑で大変だ。その上元号記載となることが多い。行政書士や代行業が流行るのもうなずける。  
古い慣習や制度、規則、通達類を、例えば10年ごと、20年毎など、一定期間で廃止することを義務付けるなど、簡素化して行かないと、労働生産性も上がらないし、市場参入などへの阻害要因がアルバム式に増えることになる。
 古い制度や規則を時代の変化に伴い漸次廃止していく意識と努力が必要だ。元号はその一つで、西暦年号の使用を一般化すべきだ。少なくても、地方公共団体を含め、行政への申請書類は西暦年号記載を認めるべきであろう。
 新元号の選定についても不明朗だ。政府は‘新元号選定委員会’を設け、数名の委員を任命しているが、明治天皇時代への復古的思想の強い日本会議のメンバーである女性作家はじめ財界の長老格やなどが中心で、偏向が強く、これが日本国民を代表しているとも思えない。
 元号の使用(その場合必ず西暦年を併記)は、宮中行事の他、憲法に規定されている天皇の「国事行為」に限定すべきではないか。それ以外については、元号使用は任意とし、西暦年号を認めるべきであろう。元号は日本独自の文化であり、伝統であるので、それを保存して行くことは大切であるが、世界がグローバル化し、各種の度量衡、基準、標準などが国際基準で統一されている今日、日本だけが「元号」表記を強要することは、ジャパン・オンリーの独りよがりであり、日本を更に‘ガラパゴス化’して行く恐れがある。現在、世界の人々は、日本の文化や伝統的な技能、技術、建築、日本食などを個々の目で評価しており、ジャパン・オンリーをことさらに強要する必要はなくなって来ていると言えよう。
(2019.5.2.再改定 )
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石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか?

2022-09-29 | Weblog
シリーズ本音トークー石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか?
 石油高騰により、レギュラーガソリンが170円/リッターに迫る中、政府(経産省)は、レギュラーガソリンが170円を超えた場合、卸売業者にリッター当たり5円の補助金を出す方針を明らかにしている。
 それにより少しでもガソリンが安くなれば多くの国民、運送業者、物流業者等にとって喜ばしい。しかし補助金分だけガソリン代が下がるとは限らない上、
補助金の財源は所詮国民の税金であるので、税を徴収して配るという施し政治、金権政治をまた行うことになる。所得960万円以下を対象にして、18才以下の子供に10万円給付という施し政治についても、その目的の不明朗さを含めて批判が多い。
 ガソリンには、消費税の他、いわゆるガソリン税が課されている。その1つが「特別税率」(道路財源確保のための旧暫定税率)で、ガソリン税の約半分の25.1円となっている。旧暫定税率は1970年代の高度成長期に、自動車の普及と共に国中で道路建設が行われていた時代の名残りで、「暫定」と言いながら2011年ころまで継続していたが、東日本大地震を契機に批判が高まり、民主党政権時代に一時廃止されたものの、福田(康)自民党政権で「特別税率」と看板を変えて復活された。財源確保のためでしかない。
「特別税率」については、トリガー条項があり、ガソリン価格が3カ月連続でリッター160円を超えた場合、上乗せ分25.1円の課税を停止することが出来る。
現在正にトリガー条項を適用すべき時期ではないだろうか。ところが松野官房長官は11月16日の記者会見で、財源確保の観点から否定的意見を表明した。
コロナ禍で経済が停滞する中で、一部野菜や小麦、牛肉などが値上がりし、カソリン代の高騰で多方面に亘り困っているのに、法律で決められていることを拒否する政府というのは一体どういう政府なのだろう。
もっとも日本の経済全体を見るべき日銀総裁が、ガソリンや一部価格の上昇の影響は、余り大きくないなどとしているのも違和感を覚える。
 明年夏の参議院選挙を前にして、補助金や給付金等の施し政治、金権政治を継続する空気が自・公政権内に強いことを受けてのことであろうが、何時までこんなことを続けているのだろうか。(2021.11.18.)
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北朝鮮の脅威、やはり票目当ての誇張か!? (再掲)

2022-09-29 | Weblog
北朝鮮の脅威、やはり票目当ての誇張か!? (再掲)
 政府は、10月17日、トランプ大統領が11月5日から7日に訪日することを発表した。
 同大統領、安倍首相ともグルフ好きのことから、訪日中に安倍首相とゴルフをすることも報じられている。世界的なプロゴルファーとなった松山プロも参加するとも伝えられ、選挙中のさなか、日・米の緊密振りをアッピールした形だ。
 日本の首相が就任するとまず米国訪問することが恒例となっているが、米国大統領が、就任10か月以内に訪日するのは初めてでもあり、同大統領の訪日と配慮を歓迎したい。
 しかし日本は現在衆院総選挙中であり、厳密にいえば安倍首相の下で自民党が勝利するか否かの国民の審判は下されていない内にこのような公表をすることは、外交を選挙に利用しているとも言え、フェアーではなさそうだ。
 それ以上に、安倍首相の下で、自民、公明両党は、‘北朝鮮の脅威’を大々的に主張し、国民を守れるのは自・公連立政権しかないと訴えている。そのような脅威があるのに、北の最大の敵となっている米国大統領とゴルフするのは、勇気があるというべきか、緊張感に欠け、やっぱり‘北朝鮮の脅威’は国民の恐怖心をあおり、票をまとめるための誇張、嘘であるのか。
 外敵の脅威を煽り国民の団結を図る手法は、よく独裁者がとる手法として知られている。北朝鮮自体がそうであり、米・韓と休戦状態にはなっているが、戦争は終結していないのでそれを梃子として軍事優先の‘専軍主義’を取り、最大の敵米国の脅威を大々的に誇張し、政府、国民の団結を図って来ている。 
自・公両党も、やっていることは類似だ。それ以上に、日本が北の脅威をかきたて、北の最大の敵米国との緊密振りを宣伝すればするほど、少しは票は取れるだろうが、北朝鮮の日本への敵対心は増幅され、日本国民の安全は害されることになろう。既に北朝鮮は、‘日本列島を核で沈める’などと脅しをかけている。これまで初めてである。
 その中で安倍首相と米国大統領とゴルフするの??
 やはり‘北朝鮮の脅威’は票をまとめるための嘘に近い誇張であるのだろうか。現在マスコミ力が低下しているので、新聞、テレビの報道に左右されず、国民は冷静に客観的に情勢や日本のあるべき道を判断する必要がありそうだ。
(2017.10.21.)
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韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲

2022-09-29 | Weblog
 韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲
 韓国の康京和(カン ギョンファ)外交部長官は2017年10月30日、議会での外交関係の国政監査において、対北朝鮮防衛強化のため配備された米国の迎撃ミサイルTHAADを巡り悪化している中国との関係について、中韓首脳会談開催への期待を表明しつつ、次の3つの立場を明らかにした。
・THAADの追加配備は行わない。
・米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない。
・韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない。
 これはTHAADの配備を巡り悪化している中韓関係の‘復元’、正常化を狙った発言と見られており、‘三不’政策とも言われている。
 これに対し中国外務省は、同日午後に報道官が康長官の発言に関連して、「韓国側のこうした3つの立場を重視する」とし、韓国側がこれを実際に行動に移すことを願う旨述べた。しかし中国側が、韓国外交部長官の発言を‘約束’との表現を用いたため、韓国内でも議論となっている。
 中国側は、韓国におけるTHAAD配備と共に、米韓日の軍事同盟化を強く警戒していると見られ、中国が10月の全人代で習体制を固めて以降、日本との関係を改善する姿勢になっているのはこれを阻止するためとも思われる。
 韓国が、米韓日の軍事同盟を望んでいなければそれに参加する必要はない。日本側がそのような意向を表明したこともない。もっとも軍事同盟については、一方の同盟国への北朝鮮を含む第三国からの攻撃は日本への攻撃とみなされ、参戦しなくてはならなくなるので、日本の現行憲法ではそのような軍事同盟に参加することは困難であろう。従って韓国側から言われるまでもない。
 そもそも朝鮮戦争は1953年の休戦協定により軍事対決こそ回避されているが、米韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にあり、北の核、ミサイル開発は基本的に米韓への対抗措置として進められているものである。日本は、朝鮮戦争の当事国でもない。また第二次世界大戦後、北朝鮮とは平和条約を締結していないが、2002年9月に小泉首相(当時)と金正日総書記(当時)とで調印された日朝ピョンヤン宣言において、拉致家族問題の他、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれており、この宣言は自・公連立政権において破棄はされていない。
従って政策論としても、朝鮮半島有事の場合には米軍への必要な後方支援は行うことになろうが、日本及び日本国民の安全のためにも、米韓との軍事同盟に参加しないことが賢明な選択肢と言えよう。
(2017.11.23.)
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「国葬」に法令上の根拠は無い

2022-09-26 | Weblog
シリーズ本音トークー「国葬」に法令上の根拠は無い
 <はじめに> 政府は、故安倍議員(元首相)の「国葬の儀」を内閣が決めるとしている。その法的根拠として内閣府設置法(第4条第3項第33号)を挙げ、「国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること(他省の所掌を除く)」と規定してあるとしている。これは単に内閣府は、内閣で決めた儀式の事務を致しますとしているだけで、内閣が国葬を決められるとは一切言っていない。内閣法制局は、あとは内閣で故安倍議員(元首相)の国葬の儀を行うことを決めて下さいと言っているようだ。しかし全額国民の税金を使う以上、「国葬」を内閣が決定して良いという法的根拠が必要だろう。(2022.7.20.追記)

 岸田首相は、故安倍晋三元首相の国葬を行うことを明らかにしたが、9月に武道館で行われるようだ。
 同元首相の死を悼みご冥福を祈ると共に、同夫人に心からのお悔やみを申し上げたい。しかし増上寺で葬儀は行われ1,000名内外の関係者も参列し、別途一般国民向けの献花台が設けられ多くの国民が献花し涙した。
 悼む気持ちに変わりは無いが、今更国葬と言われても、一体あの国民の涙は何だったのだろう。「国葬」となると全額政府予算で国民の税金が使われることとなるが、国葬について法令上の根拠はない。旧帝国憲法のもとで大正天皇により「国葬令」が出されたが、現行の新憲法となった後、1947年12月に失効し、それに代わる法令はない。
 法令上の根拠のない「国葬」を内閣だけで決定することは出来ないと見られ、また法令上の根拠無く税金を使ってよいのだろうか。少なくても国会の承認が必要と思われるのだが。国葬となるとコンセササス承認が望ましい。
 戦後、1967年に故吉田茂元首相に例外的に国葬が挙行された。吉田首相は1953年のサンフランシスコ平和条約などを実現し、戦後の米国を中心とする米国による占領統治が終わり、新憲法の下で独立国として国際社会に復帰した出発点となった。例外的な措置も理解できる。
 安倍元首相と業績を比較するわけではないが、同元首相は在任期間が最長とされるものの、その間の政策においてアベノミクスは成功とは言えず、家計所得も年金も減少し、金利はマイナスとなり公的債務が1,200兆円に膨れ上がり、そのレガシーは現在物価の高騰と円安として現れている。外交面では精力的に外国訪問され、日米関係は促進されたが、北朝鮮拉致問題、北方領土問題などは何ら前進せず、靖国参拝問題などで中国と韓国の関係悪化を招くなど、評価は分かれる。他方同元首相は、森友学園への国有地安値払い下げ問題で同元首相夫妻の名が記載されている公文書書き換えと書き換えを指示された担当公務員が自殺しており、民事訴訟では公文書書き換えが認定されている。また「桜を見る会」への多数の地元有権者の招待と前夜祭での参加費肩代わり問題などに関係し、各種の訴訟が提起されている。卓越した政治家だが、評価が分かれても仕方がないように見える。(2022.7.15.)
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石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか?

2022-09-26 | Weblog
シリーズ本音トークー石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか?
 石油高騰により、レギュラーガソリンが170円/リッターに迫る中、政府(経産省)は、レギュラーガソリンが170円を超えた場合、卸売業者にリッター当たり5円の補助金を出す方針を明らかにしている。
 それにより少しでもガソリンが安くなれば多くの国民、運送業者、物流業者等にとって喜ばしい。しかし補助金分だけガソリン代が下がるとは限らない上、
補助金の財源は所詮国民の税金であるので、税を徴収して配るという施し政治、金権政治をまた行うことになる。所得960万円以下を対象にして、18才以下の子供に10万円給付という施し政治についても、その目的の不明朗さを含めて批判が多い。
 ガソリンには、消費税の他、いわゆるガソリン税が課されている。その1つが「特別税率」(道路財源確保のための旧暫定税率)で、ガソリン税の約半分の25.1円となっている。旧暫定税率は1970年代の高度成長期に、自動車の普及と共に国中で道路建設が行われていた時代の名残りで、「暫定」と言いながら2011年ころまで継続していたが、東日本大地震を契機に批判が高まり、民主党政権時代に一時廃止されたものの、福田(康)自民党政権で「特別税率」と看板を変えて復活された。財源確保のためでしかない。
「特別税率」については、トリガー条項があり、ガソリン価格が3カ月連続でリッター160円を超えた場合、上乗せ分25.1円の課税を停止することが出来る。
現在正にトリガー条項を適用すべき時期ではないだろうか。ところが松野官房長官は11月16日の記者会見で、財源確保の観点から否定的意見を表明した。
コロナ禍で経済が停滞する中で、一部野菜や小麦、牛肉などが値上がりし、カソリン代の高騰で多方面に亘り困っているのに、法律で決められていることを拒否する政府というのは一体どういう政府なのだろう。
もっとも日本の経済全体を見るべき日銀総裁が、ガソリンや一部価格の上昇の影響は、余り大きくないなどとしているのも違和感を覚える。
 明年夏の参議院選挙を前にして、補助金や給付金等の施し政治、金権政治を継続する空気が自・公政権内に強いことを受けてのことであろうが、何時までこんなことを続けているのだろうか。(2021.11.18.)
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自・公連立政権の7つの失政!? (再掲)

2022-09-26 | Weblog
シリーズ平成の本音―自・公連立政権の7つの失政!? (再掲)
 安倍首相の下での自・公連立政権は、2012年12月の総選挙で大勝し、5年弱になる。自・公両党で、衆議院で3分の2を上回る多数を占め、また参議院でも多数を占めているので、どのような施策でも実現出来る状況にありながら、この5年弱で3回目の衆院総選挙が実施されるという異常な事態になっている。
 自民、公明の両党は、この間の経済回復を中心とする‘実績’を強調しているが、輸出、観光産業など円安メリットで局部的な経済回復が見られるものの、国民の将来不安は増大し、消費は低迷するなど、国民が期待する改善、改革はほとんど行われておらず、7つの失政が行われている。
 1、モラル失政―政府・行政の内部統制崩壊
 森友学園問題、加計学園問題と防衛省日報問題では、首相や閣僚が事実を語らず、その上官邸の人事権を背景として、官僚幹部は嘘をつき、記憶を失い、公文書の隠ぺい、廃棄を行わざるを得ない状況になっている。この3つの問題で起きていることは、行政組織、公務員管理職等の基本的な倫理、内部統制の低下にかかわることであり、短期的な問題ではない。このままでは、行政各部が時の政権を擁護するために嘘をつき、関係資料やデータを隠し、廃棄することが容認されてしまう。口先でもっともらしことを語っても、嘘っぽく聞こえる。行政への信頼を著しく失わせ、モラル失政とも言うべきであり、その意味で戦後最低、最悪の政権と言えよう。
 首相は、国民の背後で、なぜ森友学園の復古的教育方針に当初好意的であったのか、なぜ加計学園の獣医学部を新設すべきなのかなどを説明し、国会を通じ国民の理解を求めるべきであった。そうすれば賛否はあろうが、国民の背後で何をしているのか分からないという不信感は生まれなかっただろうし、今日のような政府中枢部におけるモラルの失墜はなかったであろう。
 これは、安倍政権による憲法軽視の姿勢にも繋がる。安保法制についても、一部規定については多くの憲法学者も疑問を呈しており、‘強行採決’は避けるべきで、もっと良く国民の納得を得る努力をすべきであったのではなかろうか。
また臨時国会についても、憲法は‘いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなくてはならない’(憲法第53条)と規定しており、これは内閣の義務であり、開催自体に内閣の裁量権はない。2016年11月にも要求があったが開催されなかった。今回も、審議もせず、冒頭解散となった。権限の乱用とも言える。
 衆院解散権についても、首相の‘専権事項’とされているようだが、議員は4年の任期で国民に選ばれているので、基本は4年間の任期をまっとうするのことが国民の信託に応えると言えるところであり、首相が恣意的に頻繁に解散し、議員の任期を縮めて良いものではない。こんなことをしているから、国政は停滞し、議員が育たないのであろう。マスコミやコメンテーターなど有識者が、首相の解散権に注文を付けないことは奇異であり、昨今指摘さているマスコミ力の低下、マスコミの商業化の結果とも言えるのではないだろうか。国民が、首相の解散権行使にノーを突きつけるのも国民の意思表示の一つとなろう。
 今回の総選挙で自・公連立政権側に票を与えることは、内閣が嘘をつき、それを擁護するため、官僚が嘘をつき、公的文書を隠し、廃棄することを容認することにも繋がることに、有権者は危機意識を持って臨む必要がありそうだ。

 2、安全保障・外交失政―前のめりの‘積極的’軍事優先姿勢
 安倍首相は、総選挙の理由として、北朝鮮の脅威を挙げ、‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’とし、その姿勢につき国民に信を問い、団結して当たるとしている。多くの国民にとっては、それなら何故国会を解散するのか意味が分からないところだが、国民に具体的に対応策を説明することなく何をしようとしているかが大いに疑問だ。
 そもそも‘圧力を強化して、北朝鮮に政策を変更させる’としており、9月に国連安保理は経済制裁の強化が採択されているが、首相が圧力強化を強く言えば言うほど北朝鮮は反発するだろう。朝鮮戦争は、現在休戦状態であるが、米・韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にある。日本は、朝鮮戦争の当事者ではないので、日本国民の安全のためにも、それに首を突っ込む必要はない。しかし安倍政権の度重なる強硬発言と米国との軍事同盟強化から、北朝鮮は、日本列島全体をターゲットとし、‘核兵器で沈める’と言い始めている。日本全体が北朝鮮の核のターゲットとされたのは今回が初めてであり、日本の安全にとっては、最悪のシナリオだ。
 北朝鮮は、日本が何を言おうと、核、ミサイル開発、実戦配備の政策を変えることはないだろう。経済制裁の強化をしても、少なくても数年は開発は継続できるであろう。
 では、安倍首相及びそれを擁護する自民、公明両党は、圧力で北が政策を変えなかったらどうするというのか。自衛行為の一環として、自衛隊による北朝鮮の軍事施設等の攻撃をも可能にするのか。日本自体が核武装するというのか。
 安倍首相は、トランプ大統領と頻繁に連絡しているが、国民に事前に説明することなく、国民の背後で、米国の軍事力行使と自衛隊による米軍支援を容認している恐れもある。だから選挙で具体的には説明せず、いわば白紙委任を取ろうとしているとも考えられなくもない。脅威を煽り、頻繁に選挙を行って権力を強化するという、独裁政権構築の典型的な手法とも見られ、注意を要する。
 自・公両党を選挙で勝たせ、再び政権につかせることは非常に危険であろう。安倍政権は、選挙で勝ったことを前面に出し、ますます独裁化し、これまで以上に憲法を軽視し、権力を強化し、強硬手段を打ち出す可能性がある。国民は、目先の甘い水に再び騙されてはならないようだ。
 また安倍首相は、第2次世界大戦の時の内閣の責任や戦争遂行者が祀られている靖国神社参拝など、歴史認識の問題で中国、韓国とは関係を悪化させている。‘積極的平和外交’と謳って、日米同盟を基盤として軍事協力の広域化を図っているが、その流れの中で、安倍首相は、2015年1月、エジプト等の中東諸国を訪問中、最初の訪問国エジプトにおいて演説し、人材開発、インフラ整備などの名目で、「ISと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援」することを約束した。その2日後に、「イスラム国」側から首相に宛てた2人の日本人人質に対する身代金要求と殺害予告が行われ、その後2人の日本人は殺害された。その後も、ISグループによる日本人襲撃などが生じている。
 現在、自民、公明連立政権が進めている安全保障政策は、日本の安全と平和のためと声高に言われているが、一定の効果はあるものの一面的であり、逆に危険を呼び込み、国民の危険を増大させる結果となっている。日米関係の強化、拡大は今後とも日本外交の軸となろうが、軍事同盟化の強化、拡大を図るのであれば、核兵器大国米国の世界戦略と連携することより、危険も増大することを国民に十分説明の上進めることが望まれる。核兵器禁止条約に関する国連決議において、日本が棄権するなら兎も角、米国の核抑止に依存しているため‘反対’票を投じたことも疑問とする向きもある。
 日米関係の強化は望ましいが、リスクを最小限にしつつ、国民の生命と財産を守るためにどのような軍事、安全保障体制を築き、どのような国家関係を築いていくかは、国民の選択次第と言えよう。日米関係の強化、相互信頼の深化の上では、日本の野球選手などの米国での活躍が最大の功労者とも言える。

 3、社会保障失政―国民の負担増のみを求める国民酷使政策
 自民・公明連立政権は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2012年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかしいずれについても進んでいないばかりか、消費増税を実施し国民に負担を求めた一方、社会保障については反福祉の福祉切り、国民酷使政策に向かっている。
 そもそも多くの国民は、社会保障の改善、向上のためなどに消費税が増税するのであれば、国民の負担が増加するのも仕方ないと考えていた。しかしその期待は見事に裏切られている。自・公連立政権の下では、年金などの受益者へのサービスや給付額の改善は行わず、逆に個別に利用者、受給者の「負担増・給付減」を強いており、国民を騙しているに等しいのではないだろうか。
それが年代を問わず、国民の将来不安を高めており、全般的な消費抑制につながっている。

 4、行・財政改革先送り失政
 年金が破たん状態になっており、また医療などの社会福祉支出が財政を圧迫し、今後更に財政が厳しくなることが予想されるのであれば、政府がまずやらなくてはならないことは、抜本的な経費節減、無駄の削減ではないだろうか。どの事業、どの企業でも、業績が振るわず、赤字が増加し破たん状態になれば、まず人件費、管理費などのコスト削減を行うのが常識だ。
 国民に更なる負担を強い、年金やその他社会保障サービスの抑制をする前に、両院の議員定数の大幅削減や議員歳費・諸手当の引き下げ、政党補助金や政務調査費の廃止などを実施して、国民に誠意を示すべきであろう。また少子化を前提として、独立行政法人や特殊法人、地方自治体を含む公務員・準公務員の段階的な削減など、定員の削減や給与の実質的引き下げを実施すべきであろう。定員削減が出来ないのであれば、3~5年間で人件費を含む行政管理費の3割削減を実施することを真剣に検討して欲しいものだ。定員と給与のいずれを削減するかは各省庁に選択させればよい。人件費を除く管理費全般についても、公務員宿舎他国有財産の売却などにより、2020年度までに総額で4割程度を段階的に削減することをまず実施すべきではないのか。
 そもそも自民、公明連立政権は、言葉では国民に期待を持たせ、3分の2の多数を維持し、なんでも実現できる状況でありながら、国民に対する約束をほとんど守っていない。弁解の余地のない行・財政改革先送り失政だ。
 その上首相は、今回2018年10月に10%への消費税の再々増税を実施することを明らかにした。再々増税も、その使途如何では容認されよう。安倍政権は、2020年までの財政健全化を目標として示していたが、この方針をまたまた先送った上、再々増税分の使途を変更したいとした。膨大な国の借金の返済努力を止め、幼児教育の無償化など子育て支援に充てたい旨提案した。選挙を前にして約2兆円規模の大盤振る舞いだ。
 しかし騙されてはいけない。日本の公的借金は既に1,060兆円超、国民総生産の2年分以上になっており、そのため毎年多額の利子支払いを強いられている状態だ。安倍政権は、2020年までの財政健全化を目標として示していたが、この方針をまたまた先送った上、子育て支援などとして大盤振る舞いをして、国の借金や利子支払いを更に増やそうとしている。子育て支援を受けた世代は、将来更に高額の負担を国から強いられることを認識すべきであろう。

 5、規制温存失政と経済・金融部門での失政
 アベノミクスは、輸出、観光産業など、局部的には若干改善しており、一定の評価は出来るが、実態は、通貨の大量供給による円安誘導と米国経済の回復が主要因であり、規制改革や法人税の減税などは、口先ばかりで、意味のある大胆な施策ほとんど実施されていない。戦略特区制度も、規制がベースであり、それを更に地域的に屋上屋を加えているに過ぎない。その弊害は、加計学園問題に如実に表れており、‘えこひいき’の温床となる。規制は、一律に緩和、撤廃しなければ効果はなく、公平でもない。
更に金融政策では、2009年頃より金利が実質ゼロとなっている上、物価上昇と手数料を加えると既に9年間も実質マイナス金利になっており、一般国民、特に退職をした者や年金生活者にとっては、預金から利子が得られない状況が長期に続いている。更に、日銀はマイナス金利という経済の基本原理に反する政策をとっており、個人や金融機関、企業等から利子機会を奪っている。消費者にとっては、生活防衛の観点から消費を抑える以外にない。金融政策失政と言えるだろう。

 6、選挙制度改革先送りの失政
 一票の格差是正については、最高裁の度重なる‘憲法違反状態’との判決を受けて、最低限ではあるが微調整をしており、一定の評価はできる。しかし抜本的な改革は先延ばしにされている。有権者の権利の公平は何時図られるのか。
また参議院の廃止や議員定数の抜本的な削減による質の確保が不可欠のようだ。地方議会を含め、議員定数の3割削減などの対応により、議員制度のスリム化を実現する一方、それを財政健全化や新たな政策への財源とすべきであろう。
更に政党助成金は弊害が多い。そもそも有権者の4割前後は無党派層であり、政党助成金は存在理由に欠け、税金を使用することは不適切である上、党の変更、消滅のたびに、政党助成金の行き先が問題になっている。政務調査費・政務活動費や連絡費などについても、廃止を含め検討されるべきであろう。

 7、党利党略優先の失政―国家、国民の利益、安全セカンド
 今回の解散総選挙も、モリ・カケ問題で窮地にある中で、野党が乱立し弱体化している内に解散総選挙をし、野党つぶしをする思惑が背後にあると見られている。国家、国民の利益、安全は二の次になっている。
 これでは行政も、国民を向いて仕事はしない。
(2017.10.10.)
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韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲

2022-09-26 | Weblog
 韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲
 韓国の康京和(カン ギョンファ)外交部長官は2017年10月30日、議会での外交関係の国政監査において、対北朝鮮防衛強化のため配備された米国の迎撃ミサイルTHAADを巡り悪化している中国との関係について、中韓首脳会談開催への期待を表明しつつ、次の3つの立場を明らかにした。
・THAADの追加配備は行わない。
・米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない。
・韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない。
 これはTHAADの配備を巡り悪化している中韓関係の‘復元’、正常化を狙った発言と見られており、‘三不’政策とも言われている。
 これに対し中国外務省は、同日午後に報道官が康長官の発言に関連して、「韓国側のこうした3つの立場を重視する」とし、韓国側がこれを実際に行動に移すことを願う旨述べた。しかし中国側が、韓国外交部長官の発言を‘約束’との表現を用いたため、韓国内でも議論となっている。
 中国側は、韓国におけるTHAAD配備と共に、米韓日の軍事同盟化を強く警戒していると見られ、中国が10月の全人代で習体制を固めて以降、日本との関係を改善する姿勢になっているのはこれを阻止するためとも思われる。
 韓国が、米韓日の軍事同盟を望んでいなければそれに参加する必要はない。日本側がそのような意向を表明したこともない。もっとも軍事同盟については、一方の同盟国への北朝鮮を含む第三国からの攻撃は日本への攻撃とみなされ、参戦しなくてはならなくなるので、日本の現行憲法ではそのような軍事同盟に参加することは困難であろう。従って韓国側から言われるまでもない。
 そもそも朝鮮戦争は1953年の休戦協定により軍事対決こそ回避されているが、米韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にあり、北の核、ミサイル開発は基本的に米韓への対抗措置として進められているものである。日本は、朝鮮戦争の当事国でもない。また第二次世界大戦後、北朝鮮とは平和条約を締結していないが、2002年9月に小泉首相(当時)と金正日総書記(当時)とで調印された日朝ピョンヤン宣言において、拉致家族問題の他、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれており、この宣言は自・公連立政権において破棄はされていない。
従って政策論としても、朝鮮半島有事の場合には米軍への必要な後方支援は行うことになろうが、日本及び日本国民の安全のためにも、米韓との軍事同盟に参加しないことが賢明な選択肢と言えよう。
(2017.11.23.)
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北朝鮮の脅威、やはり票目当ての誇張か!? (再掲)

2022-09-26 | Weblog
北朝鮮の脅威、やはり票目当ての誇張か!? (再掲)
 政府は、10月17日、トランプ大統領が11月5日から7日に訪日することを発表した。
 同大統領、安倍首相ともグルフ好きのことから、訪日中に安倍首相とゴルフをすることも報じられている。世界的なプロゴルファーとなった松山プロも参加するとも伝えられ、選挙中のさなか、日・米の緊密振りをアッピールした形だ。
 日本の首相が就任するとまず米国訪問することが恒例となっているが、米国大統領が、就任10か月以内に訪日するのは初めてでもあり、同大統領の訪日と配慮を歓迎したい。
 しかし日本は現在衆院総選挙中であり、厳密にいえば安倍首相の下で自民党が勝利するか否かの国民の審判は下されていない内にこのような公表をすることは、外交を選挙に利用しているとも言え、フェアーではなさそうだ。
 それ以上に、安倍首相の下で、自民、公明両党は、‘北朝鮮の脅威’を大々的に主張し、国民を守れるのは自・公連立政権しかないと訴えている。そのような脅威があるのに、北の最大の敵となっている米国大統領とゴルフするのは、勇気があるというべきか、緊張感に欠け、やっぱり‘北朝鮮の脅威’は国民の恐怖心をあおり、票をまとめるための誇張、嘘であるのか。
 外敵の脅威を煽り国民の団結を図る手法は、よく独裁者がとる手法として知られている。北朝鮮自体がそうであり、米・韓と休戦状態にはなっているが、戦争は終結していないのでそれを梃子として軍事優先の‘専軍主義’を取り、最大の敵米国の脅威を大々的に誇張し、政府、国民の団結を図って来ている。 
自・公両党も、やっていることは類似だ。それ以上に、日本が北の脅威をかきたて、北の最大の敵米国との緊密振りを宣伝すればするほど、少しは票は取れるだろうが、北朝鮮の日本への敵対心は増幅され、日本国民の安全は害されることになろう。既に北朝鮮は、‘日本列島を核で沈める’などと脅しをかけている。これまで初めてである。
 その中で安倍首相と米国大統領とゴルフするの??
 やはり‘北朝鮮の脅威’は票をまとめるための嘘に近い誇張であるのだろうか。現在マスコミ力が低下しているので、新聞、テレビの報道に左右されず、国民は冷静に客観的に情勢や日本のあるべき道を判断する必要がありそうだ。
(2017.10.21.)
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森友学園公文書改ざん問題、安倍政権下の不正認める!

2022-09-25 | Weblog
森友学園公文書改ざん問題、安倍政権下の不正認める!
安倍政権下において、森友学園建設に際し国有地の破格の安値払い下げに関する決裁文書の改ざんに関与させられ、それを苦として近畿財務局の職員(赤木俊夫)が自殺した(2018年3月)。これに対し配偶者(赤木雅子さん)が、政府と財務省の佐川理財局長(当時)1.1億円余りの賠償を求め民事裁判(2021年3月)を起した。赤木さん側は、改ざんの経緯をまとめて職場に残されていた「赤木ファイル」などを示しつつ、「上層部より改ざんを執ように強要され、極めて強い心理的負担があった」として、政府(財務省)側の責任を追及し、政府側はこれまでこれを否定して来た。
ところが2021年12月15日の大阪高等裁判所における当事者間の協議で、国側は「赤木職員(当時)が強く反発した財務省理財局からの決裁文書改ざん指示への対応や森友学園案件に係わる情報公開請求への対応などにより、様々な業務に忙殺され、精神面と肉体面に過剰な負荷が継続したことにより、精神疾患を発症し自殺した」としつつ、一転して賠賠償責任を認め、赤木夫人に賠償金を支払うことにしたため、裁判は終了することになった。
 これに対し原告側は真実の追究を逃れようとしているとの趣旨で反発しているが、国側より賠償金が支払われることになったことは評価される。
 これにより国側は、財務本省(理財局)より決裁文書の改ざん指示が行われたことを認めると共に、この経緯や改ざんされた内容などを記した「赤木ファイル」の内容を事実上認めたこととなる。
 民事裁判は今後、改ざん指示を出したと見られている財務省佐川理財局長(当時)への賠償請求などに移ることになるので、その判断は裁判所に委ねられることになろう。他方、このような深刻な公文書の改ざんを強いられることになったそもそもの原因である国有地の安値払い下げや、改ざんの事実を伏せようとしたことなどを巡り直接間接に影響力を行使したと見られる安倍元首相や麻生前財務相等の政治責任が問われることになろう。
 1、国有地の安値払い下げと公文書改ざんの原因を作った道義的・政治的責任
 国有地の森友学園への安値払い下げについて、所管する財務省理財局が関連文書や記録の改ざんに動いた発端は、2013年2月の衆院予算委での安倍首相(当時)夫妻の関与についての質問において、安倍首相が‘自身、及び同夫人が関与していたということであれば、それは議員を辞職する’との趣旨述べたことによる。そんなことになると、折角同首相のもとで圧倒的多数を制した自・公両党による連立政権を危うくすることになり、それを回避したいという忖度と保身から、当該国有地の値引き売却に関係する文書から、安倍首相夫妻と森友学園との関係を示す部分を全て削除し、改めて文書を作成させたものと見られている。これは行政当局側が首相を擁護しようとの忖度から生じたものであり、文書改ざんについて首相側に直接責任があるわけではない。
 しかし文書を改ざんした事実と今回国側が改ざん指示を認めたことは、「赤木ファイル」の内容を認め、安倍首相(当時)夫妻と森友学園との関係が国有地の安値払い下げに影響があったことを認めたことに他ならない。直接の指示や示唆があったか否かは別として、首相側近が事務当局に検討状況を照会等することは指摘されていたところであり、事務方がそのように受け止め、破格の値引きをしたということであろう。
 法律違反や不適正な直接の圧力があったとは思えないが、公文書或いは公的記録の改ざんという非常に重大な不適正な行為を誘発し、政治・行政の法令遵守(コンプライアンス)や基本的な倫理規範に重大な悪影響を与えると共に、人1人が命を絶ち、また行政の動揺と劣化を招いたことに対する政治的、道義的責任は非常に重いと言えよう。
 何故安倍首相(当時)は、以前より夫妻とも知っており、森友学園の教育方針を評価し、個人的な支援を行っていた関係を隠そうとしたのだろうか。もし森友学園を夫妻で知っており、その教育方針を理解し、側面的に支援していることを肯定する一方、国有地の格安払い下げには関与していない旨説明していれば、恐らくあのような問題に発展していなかったと思われる。森友学園は、明治時代の天皇君主制の下で基礎教育での指針となる「教育勅語」を実践しており、生徒は礼儀正しく、安倍夫妻はこのような学校の普及を望んでいたとされている。それは1つの考え方であり、政治をする以上国民に立場を明らかにすることが望ましい。民間組織にも明治時代の天皇制にノスタルジーを感じ、そのような「美しい国、日本」を守ることを目的とする日本会議があり、一部保守政治家グループがこれを支援していることは知られている。
 この公文書改ざん事件の後、厚生労働省による残業時間の不正記録や現在問題になっている国土交通省による建設業の受注動向などを示す統計のデータの不正記録等々が起こっており、また桜を見る会に係わる各種の記録が1年間も経たない内にコンピューターに残された記録を含め完全消去されたとされるなど、政治、行政の間で‘無かったことにする’行為が頻発しており、その遠因は森友学園関連の公文書、公的記録の改ざんにあると言っても過言ではなさそうだ。これでは真面目に、誠実に行政に携わっている公務員が気の毒すぎる。それ以上に問題は、国民が内閣や行政、政権与党の言うことを信じられず、政治、行政不信に陥り、将来不安が募るようになることだろう。そうなると政府は、逆に規制、罰則等を強化し、警察権力や軍隊を強化し、力で押さえようとする方向に走り、恐怖政治や力の政治に向かう恐れが強くなる。メデイアや言論界等はこのような事実を公正に報じ、国民に知らせる役割があるのだろうが、最近これらが劣化して来ているようにも見える。
 また本来であれば、その責任者が誰であるにせよ、公職はもとより、公の立場、ポストを辞し、きちんと政治責任をとるよう促すべきではないだろうか。
 2、公文書改ざん等を擁護した財務相、内閣官房副長官(当時)の責任
公文書改ざんが行われ、それを擁護し続けた当時の財務相や内閣官房副長官の立場で首相の意向実現に努力し、擁護し、その後党や内閣で要職を得ている政治家も、やはり本来であれば、それぞれ公的なポストを辞し、政治責任を明らかにすべきであろう。(2021.12.17.)

なお、この問題の経緯等に関するこれまでの評論を参考までに再掲する。
<森友学園公文書改ざん問題、新証拠で再審査か!(再掲)>
 国有土地を常識外の低価格で売却しようとしていた森友学園問題で、公文書の改ざんを実際に行い、自殺した近畿財務局の職員(当時国有財産管理官)の「手記」が同職員妻により公開され、生々しい手記の内容と共に週刊誌が報じた。
遺族側は、改ざんを指示したとされる佐川理財局長(当時)と国(財務省)に対し民事訴訟を起している。民事訴訟に際し、同手記の公開に踏み切ったと思われる。
公務員は公務中の活動につき退職後その責任を問われないとしている。他方政府(財務相側)は、改ざんを強いられ自殺した職員が残した記録と政府の考えとは一致しているとして、再調査はしないとしているが、それは財務省(佐川元理財局長)が近畿財務局を介して同職員に改ざんを執拗に強いたことを認めたに等しいので、国家(財務省)責任は免れそうにない。
1、「新証拠」となる改ざん指示を受け自殺した職員の「手記」
同手記によると、森友学園側への超低価格での国有地売却に安倍首相夫人の影響が国会で問題になり、首相がそれを強く否定したことから、超低価格での国有地売却の経緯を記した公文書(本部財務省理財局への超低価格での売却に繋がる報告、申請書類などと思われる)を改ざんすることになった模様であるが、その指示は「すべて、佐川理財局長(当時)の指示」と明記され、また直属の上司である「近畿財務局長に報告したと承知」とも記されていると報じられている。近畿財務局への具体的な指示は本部理財局よりなされたものであろうが、指示は、「資料は最小限にする」、「できるだけ資料は示さない」など詳細で、関連文書の改ざんは佐川理財局長(当時)の指示により組織的に行われたとみられる。
 ‘死人に口なし’とは言われるが、上層部より指示を受け、既に決済された公文書を改ざんした職員が残した「手記」であれば、この事案の「新たな証拠」と言える。
森友学園問題で、不当に安い価格での国有地売却により国に損を掛けた背任の疑いや公文書改ざん、関係文書・資料の保存期限内廃棄等が疑われたが、当時この事件を担当した大阪地検特捜部の女性特捜部長が佐川元理財局長を不起訴としたが、その後間もなく函館地検に転勤となり、昨年末に大阪地検の次席検事に栄転しているようだ。本件は、検察審査会での再審要請についても不起訴とされている。
 改ざんした職員が残した「手記」という新たな証拠が明るみに出た今日、捜査のやり直しが検討されなくてはならない。

 2、財務省の再調査は不可避か!
 この「手記」に関し問われ麻生財務相は、2018年6月に財務省の調査は公表されており、「手記と調査報告書の内容に大きな乖離があると考えていない」と述べ、再調査は今考えていない旨明らかにしている。安倍首相も再調査は必要ないとしている。
 しかし「手記と(財務省)調査報告書の内容に大きな乖離がない」とすると、財務大臣は佐川元理財局長の指示で公文書を改ざんし、多量の関係文書を廃棄させていたことを知っていたことになり、事態は深刻だ。いずれにしても「手記」
が、佐川元理財局長の指示であったこと、及び、関連公文書を改ざんし、本来の文書類が廃棄されていることが明らかになった以上、再調査は不可避のように思われる。

3、公文書の廃棄、改ざんの前例としてはならない森友学園事件
この森友学園事件で公文書の保存期限内廃棄、国会や検察はもとより、マスメデイアやコメンテーター等が改ざんを見過ごしてきたことが、その後の防衛日報の隠蔽、加計学園問題など、更には「桜を見る会」での招待者リストの廃棄、データの破壊等を招いているのではないだろうか。
それをどこかで止めないと、善意の公務員が不正を強いられ、不幸の連鎖が起こることになると共に、公平、公正であるべき正義は守られず、国家機構や民主主義体制自体が劣化する恐れがある。(2020.3.25.)
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