goo

旅は3つのステージで構成されます

2023-10-13 00:24:34 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道 Ⅱ

 前回の 石谷駅と本石倉駅には本当に驚かされました。


 そして列車は石倉駅に停まり、続いて落部(おとしべ)駅に停車しました。


 これも2018年の写真ですが、緑色のスレート屋根を被った木造駅舎が雪国ならではの北海道らしさを感じさせます。


 駅名は、アイヌ語の「オテㇱウンペ (川尻・ヤナ・ある・処) 」に由来すると説明されます。アイヌがサケを捕る為のヤナ場があったようです。

 


 函館本線は落部駅の前後で海から少し離れましたが、トンネルを出ると再び海岸に戻りました。


 線路のすぐ傍が波打ち際です。


 この海は内浦湾で噴火湾とも呼ばれています。


 内浦湾(噴火湾)は室蘭の地球岬と渡島半島の砂原町砂埼を結ぶ線の内側で、ほぼ円形を成す海域で、イギリス人の船長が18世紀末に、湾を囲む駒ヶ岳、有珠山、樽前山の噴煙を見て、volcano bayと記して以来、噴火湾と呼ばれるようになりました。


 噴火湾の地図を見て、この湾全体がカルデラと思う人がいるようですが(私もその一人でした)、そのような証拠は一切ないそうです。

 


 そして普通列車は、特急列車の客が気付きもしない野田生(のだおい)駅に停ました。


 ノダオイは、アイヌ語の「ヌプタイ(野・林)」あるいは「ノット、アオ、イ(岬のある所)」に由来すると説明されます。


 集落に寄添う駅舎が微笑ましく見えます。

 


 次は山越駅です。

 

 
 しかしここは、海のすぐ傍。


 何で山を越えるのかと思いますが、こんな不思議な駅名も、アイヌ語の「ヤム・クシ・ナイ(クリを捕る為に通る川)が名の由来だそうです。

 

 
 列車は山越駅を出た6分後に八雲駅に停車しました。


 八雲町に到着するまでは、ほぼすべての駅名がアイヌ語由来ですが、突然純和風な駅名に接し、バラ園でキクを見るような違和感を覚えました。


 八雲町は明治10年に旧尾張藩主徳川慶勝が八雲町開拓の為に3名の調査団を送ったことに始まります。


 そして徳川慶勝は入植地の名を、日本書記の「や雲たつ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を」の冒頭から「や雲」を採って村名にしたと八雲町史に記されています。


 八雲駅は特急列車の停車駅で、函館から特急列車で1時間程度ですが、私が乗る普通列車はその倍以上の2時間18分をかけて八雲に到着しました。

 

 

 私は、旅は3つのステージで構成されると思います。


 一つ目は「構想のステージ」です。

 何処へ、どんな手段で、何を見聞きするかをシミュレートします。


 二つ目は「実行のステージ」です。

 旅に出ると、必ず予想は裏切られ、危機や想定外の果実が得られます。


 三つ目は「検証のステージ」です。

 旅の行程を振り返り、見聞きした経験の背景を探ることで、旅を昇華させます。


 そして今回の旅も、このブログを書く作業を通し、数十年前に北海道で過ごした頃に気になった、幾つかのクエスチョンを解き明かすことができました。

 

 

前回の「青春18きっぷ」 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

「花の旅」の全て 「花の旅」 総合目次

 

筆者のホームページ PAPYRUS

 

 

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )