*from my room*

家計簿管理、読書メモなど
思いついたことをぼちぼちと

2025年1月期ドラマはどれどれ

2025-01-28 14:22:11 | ドラマ
✕リタイヤしたドラマ
「119エマージェンシーコール」
  登場人物のキャラに興味そそられない。展開もうまく行き過ぎ?
  NHKのエマージェンシーコールの衝撃の方が強過ぎて。
「問題物件」
  犬の化身?幽霊ネタ?ミステリー?よくわからん。
  オーバーアクション気味で全体的にガチャガチャした感じが苦手。
  YOU TUBEで見た松原タニシさんの話の方がおもしろすぎて。

△なんとなく見てるドラマ
「東京サラダボウル」
  主人公のグイグイいく感じが苦手だけど、松田龍平見たさに見てる。
「True colours」
  ただロケ地見たさで。

〇気楽に楽しめそうなドラマ
「ホットスポット」
  設定がコント。なんなら展開もコント。
  頭空っぽで見れる気楽さ。
  3人の会話が自然過ぎて、輪に入った気分。

◎めっちゃはまりそうなドラマ
「御上先生」
  日頃感じてるもやっとしたなかなか言葉にできないものを
  ストーリーとして見せてくれる感じ。
  不穏な感じにぞくぞくするし、きっとそれだけじゃない。
「べらぼう」
  歴史物が苦手な私が完走できそうな予感。
  横浜流星の顔がやっと覚えられる気がする。
  ただし徳川家とかのシーンになると集中力切れそうになる。
  大河って登場人物多いから、覚えられるかどうか。
「クジャクのダンス、誰が見た?」
  好きな感じのドラマだけど、まだ1話だけなのでなんとも。
  親子なのに全然似とらんやろーと思ったら、親子じゃないのか?

初対面で無愛想だったり不躾だったり遠慮がなかったりっていうのが苦手。
(でもドラマの王道だよなー)
今回のクールは特に多いような気がして疲れるが、御上先生は好き。

読書メモ(2024.12)

2025-01-27 15:15:46 | 読書メモ
◎「鍵のない夢を見る」辻村深月
まさかの短編集だった。
もしかして身近であり得なくもないようなスレスレな感じにぞっとする。
どうにもならない感情や言動。
一番印象に残っているのは誘拐のお話。いろんな意味で怖過ぎる。
それにしてもなぜこのタイトルなんだろう。

☆「存在のすべてを」塩田武士 audible
2児同時誘拐のジリジリとした現場にドキトキし、
美術界の白い巨塔感の理不尽さに憤り、淡い初恋には成就を願い、
束の間だけど濃い家族に永遠を願い、取材の過程なども興味深く。
とにかくふんだんに盛り込まれていてかなりの聞き応え。
ミステリー的要素で言えば思っていたより早く種明かしがあり、
ラストも想定内だった。でもあれで少しは救われた。

☆「護られなかった者たちへ」中山七里 audible
生活保護を題材にした「悪い夏」とはまた違った切り口。
どんな理由があるにせよ殺人は正当化できないし、真面目さは理由にはならないし、
警察が同情?とか違和感というか納得できない部分がいくつかあってもやもやしていたが、
ラストでそうだったのかと。
問題提起はされたけど、だからと言って実際になかなか変わらないのが今の社会で悶々とした感じは残る。
映画のキャストを見たら意外な感じ。あえて原作と変えた部分がどう描かれているのか見てみたい。

◎「百年法」山田宗樹
思ってたのとだいぶ違った。
架空の国家、近未来的設定になかなか馴染めず。(SF苦手)
特殊過ぎる展開はおもしろくはあったけど、気持ちがなかなか入っていかない。
病気になることもなく、死ぬ期限が決まっていて苦しまずに死ねるなんて羨ましいくらいだー
なんて考えているからかな。

☆「きみのお金は誰のため」田内学 audible
お金の本当の役割やお金に対する考え方、向き合い方を物語形式でわかりやすく教えてくれる。
目から鱗ではあるが、実際はなかなか難しくお金に振り回される日常。
理想だけではなかなか解決できない問題もあるわけで、もう少し深掘りしたものも読んでみたい。

◎「赤と青のガウン」彬子女王
皇室というと想像のつかない世界だけれど、
警衛のエピソードがなんとも微笑ましくて好きだった。
留学先では皇族といえども一人の学生として扱われるわけで、
一人悩み苦しみ、周りに助けられ、時にはうるっとしたり笑ってしまったり、
疑似体験させてもらって得した気分。

☆「サファイア」湊かなえ audible
最初永作さんの声色に引き込まれたものの、もしかしてこれ短編集?と実はがっかり。
ところが、どんな状況、人物が出て来ても不穏や不安が拭えないのに
ずぶずぶ引き込まれる湊沼はやはりお見事。
そして色鮮やかに世界を立ち上がらせる永作さんの朗読!
過剰になるギリギリのラインで演じ分け、一人芝居のような臨場感。
特にすずめ女の甲高い声には思わず笑ってしまった。大好きだ。
「正義の申し子」の大久保多聞さんと共にaudible大賞あげたい気分。

◎「婚活マエストロ」宮島未奈 audible
成瀬の印象が強過ぎて期待がでか過ぎたか。
でも湊作品の後だったので気楽に楽しめた。
婚活という未知の世界はなかなか興味深く。
上手く行き過ぎの感は否めないが、本当に大変なのはこれから。
でもいろんな経験をしたから大丈夫か。二人のドタバタ結婚記も見てみたい気も。


読書メモ(2024.10~11)

2025-01-27 15:01:50 | 読書メモ
☆「いつかまた、ここで暮らせたら」大崎百紀
ベストな介護を探ってもがき孤軍奮闘する著者の姿は、
両親にそこまで愛情も情熱も持てない私からすると驚きでもあり羨ましくもある。
そんな私は親の症状がある程度進行したら迷わず施設に預けるつもりではいるが、
実は不安もとても大きい。
すでに短期記憶のできない母だが、自宅でルーティン的に洗濯や簡単な料理はやっている。
ところが入院した時は自分がどこにいるかわからず、電話でも意味不明なことを喋っていた。
その時に住み慣れた自宅で生活することがとても大きな意味を持っていることを痛感したから。
だから施設は最後の手段。
この本で、利用する制度や施設などの選択の連続の過酷さ、
その選択の度に迷い覚悟し納得させたりと思っていた以上に大変な状況に正直どんより。
でも結局正解もないし、100%後悔のない選択もないんだろう。
この先不安しかないが、私だけじゃないんだと少し慰められた気もする。

◎「ニュータウンは黄昏れて」垣谷美雨
うん?年齢と時代が合ってないなと思ったら、10年以上前の作品だった。
身につまされたり、勉強になったり、10年後まさにそうなってますよな現状だったり。
現実的な問題をちょっとありえなさそうな展開も盛り込んで、
ぐいぐい引き込んじゃうのはさすがです。
それにしても面倒な彼をイヤな奴ならまだしも友達に押し付けるという展開は
やっぱ最後まで引っかかったな。
市議になるという展開は飛躍したなと思いつつも過程も見てみたかった。
登場人物のネガティブな所が際立っていたので、好きなキャラが見つけられなかったのは残念。
でもサクサク読めて楽しめた。

☆「むらさきのスカートの女」今村夏子
「こちらあみ子」「星の子」とはまた違った独特の世界にぐいぐい引き込まれる。
むらさきのスカートの女のミステリアスな所に興味津々だったのが、
徐々に主人公の行動がヤバ過ぎ、怖過ぎってなって、
ラストは結局何だったんだ?っていう謎のおもしろさが癖になる感じ。

◎「月のぶどう」寺地はるな
寺地さんの作品はは「川のほとりに立つ者は」「水を縫う」に続いて3作目。
2作品に比べるとちょっと物足りなかったかな。
双子の弟には少しずつ変化が見えるのに、姉の頑な感じが延々と続いたのはきつかった。
でもそこを弟がグサグサついていくのはいい関係性だなと。
登場人物がけっこう多くて、叔母さんの過去をもっと掘り下げて欲しかったかな。
でもなんとなく想像がつきそうな気もするが。
あえて掘り下げなくてもおじいちゃんは好きだな。
ワイン作りの過程も知れたのもよい。

☆「星を編む」凪良ゆう
「汝、星のごとく」辛くて切なくてもどかしくてなんとも言えないお話だった。
その中でも好きだった北原先生の過去が知れ、
暁海と新たにまた歩み始めることができて感無量。
いろんなことが報われ、昇華され、次のステップへ。
そして彼らの人生はまだまだ続いていく。

◎「覇王の轍」相場英雄
相葉作品には珍しく女性が主人公なのがなぜか違和感で…。
ストーリー展開がもどかしく感じたが、ラストは結局そうなってそうなるか!と。
ほっとした反面、結局正義感や執着心や真実だけではどうにもならず、
最後はその時の情勢次第でどちらにも転がってしまうという危うさに愕然としてしまう。
この後が気になる。

☆「あひる」今村夏子
相変わらずの独特の世界観、突き放されるようなラストの短編集。
中でも「森の兄妹」は珍しく?私には理解しやすかったというか、
身につまされるような感覚、高揚感や絶望感がなんとも辛く切なく。
ラストはしっくりくるというか納得感があるというか。
それはそれでとても切ないんだけど。

◎「七十歳死亡法案可決」垣谷美雨
将来寝たきりになったらいっそのこと…と考えることはあるものの、
70歳になったら死というのはあまりにも乱暴過ぎる法案だなと。
で、ラストはやっぱりそう来たかと。
家族それぞれの立場や苦労、葛藤など他人事に思えず一喜一憂したが、あの夫は論外。
ただ専業主婦の主人公がパート勤めを始めて3日でレジを使いこなし、
その後の展開が上手く行き過ぎなのは急にリアリティが無くなって残念。
これからどう生きるかということについては考えさせられたが、
私の懸案事項に対しての答えはなく。
アラ還としては遠くない未来に不安は尽きない。

◎「三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える事件報道の裏側」三枝玄太郎
さらばのチャンネルで紹介されていた本。
ニュースでなんとなく耳にしていたり違和感のあった言葉の意味や仕組みがわかったりと
役にも立つし、実際に取材した人にしかわからない生々しいエピソードがおもしろい。
ドラマや小説の描写に対して元新聞記者の視点から考察してるのもおもしろく、
横山秀夫作品読み返したくなる。高村薫作品も考察して欲しい。

☆「父と私の桜尾通り商店街」今村夏子
人形やもぐら、パン屋など具体的な題材のせいかカラフルなおもちゃ箱みたいな短編集。
すぐそこにありそうなのに異質な世界、微妙に不可解な登場人物、
絶妙に不思議な展開が寓話っぽいというか、変に答えを求めちゃいけないんだなあと。
とりあえず浸ろうと思う。

◎「レイアウトは期日までに」碧野圭
装丁や本のデザインという仕事、そんな細かい部分までこだわるのかと興味深かった。
いろんな働き方に優劣をつけるのではなく、一長一短を描いているのもよい。
対照的な二人にはいらっとすることもあったけど、
距離感をもてあます感じがもどかしくもあり。
でも、少しずつ二人の距離が縮まっていく過程も楽しく。
主人公が少しずつ自信を持てるようになり、関係にも変化が。続き読んでみたい。
但しなんでこのタイトルなんだろう。もったいない。

読書メモ(2024.9)

2025-01-27 14:39:30 | 読書メモ
☆「星の子」今村夏子
世間的には普通ではないと言われる人達のそれぞれの出来事、
向き合い方、感じ方を淡々と描いていて、誰が正しいとか間違ってるとか、
何が善で何が悪なのかとか決めつけず、でかい主語でひとくくりにしたりせず、
あえて全てを明らかにせず、淡々と描かれるのが妙にリアル。
余計な評価とかなく、あくまでその人の事を描いているというシンプルな感じが心地よい。
ラストはえっこれで終わり?っ肩透かしにも思たけど、
そこにはかけがえのない想いがあるんだろうなとか、
あの後どうなったんだろうなと切なくなったりして、余韻の残る作品。

☆「おくのそこみえ」図野象
読み始めて最初はこれが衝撃作?と。
主人公に同情できる部分もなくはないが、やること為すこと全く共感できない。
するとある事件勃発。
これはミステリー?いや違うなと思いつつも真相が気になりなんとなく読み進めたら、
ラストの破茶滅茶過ぎる怒涛の展開に一気に引き込まれる!
甘ったれで不器用で自分勝手でやりたい放題な主人公のこと全然好きじゃなかったのに
最後はほろっとしてちょっと愛おしくさえ思えて来た。最悪だけど最高の結末。
そして、ストーカーのあいつの気持ち悪いぐらい真っ直ぐな所がよかったな。

◎「小田くん家は南部せんべい店」高森美由紀
子供目線で描かれているので読みやすい。
口は悪いが本当は愛情いっぱいの祖父よっしーがいい味出してる。
主人公の男の子の真っ直ぐさ、不器用さ、不完全さがよい。
せんべいに友情や家族、いっぱい悩んでもがいて失敗したからこそ得るものがある。

☆「未明の砦」太田愛
ちょうど興味を持っていたテーマだったので勉強になった部分もあるが、
フィクションとはいえあまりにも理不尽で過酷な労働の現場に愕然。
そんな現実に闘いを挑む4人。
しかしそれを阻むものたちのやり口にフィクションと言い切れない恐怖を感じ、ぞっとする。
ストーリーは最初の場面から過去に遡る形で描かれるが、
なかなかそこに到達しないのが少しもどかしかったが、終盤は一気に読んでしまった。
ラストは彼らの行動が大きな力となっていくのが感じられ、
まだまだ前途多難ではあろうけれど、希望の持てる晴れやかな気持ちで読了できたのがとてもよかった。

◎「死んだ山田と教室」金子玲介
死んだ山田がスピーカーに憑依?という突拍子もない設定に惹かれて読んだ。
どこか引っかかりを感じながらも男子校のわちゃわちゃ感に青春だなぁと油断してたら、
時と共に残酷な方へ。終盤はぐっと引き込まれ巻き込まれやられました。
和久津くん大丈夫かな…。

☆「死にゆく者の祈り」中山七里
教誨師という馴染みのないお仕事。まず導入が衝撃。
今後死にゆく者と一体どんな風に対峙し見届けるのかと思ったら、事態は思わぬ方向へ。
ミステリー要素はもちろんそれぞれの信念、葛藤、執念が伝わってきて、
終盤はページを繰る手が止まらず。ラストはほろっと。
但し私が期待していた方向とは違った展開だったので、死にゆく者との真っ向勝負も見てみたい。

読書メモ(2024.8)

2025-01-27 14:28:01 | 読書メモ
☆「イラストで思わずわかる日本近現代史」水野大樹
教科としての社会が苦手。新聞もあまり読まない。大河ドラマも完走できたのは3本くらい。
でも最近経済や政治に興味を持ち始め、ニュースを気がけて見たりしてたら、
そもそも私ってものを知らな過ぎじゃない?と気付くアラ還。
で、図書館で借りてきたのがこの本。
ところが初っ端から歴史アレルギーが!
実はこの本、明治から令和まで毎年起こった出来事が見開き2ページに書いてあるんだが、
明治元年で早速拒絶反応。早過ぎ。
ということで、身近な令和4年からスタートしてみたら、
実際ニュースで見たり自分が体験したりしたことなので、すんなり入って来る。
そして少しずつ遡って行き興味深く読んでいたが、やはり時代が前後しちゃうのでちょいとややこしい。
そこで一旦小泉総理あたりまで読んで、今度は平成元年から年代順に読み進めることに。
大学卒業し就職した年でもあり、なんとなくキリが良いし。
しかし読むのに思いの外時間がかかる。
というのもニホンゴムズカシイ。ていうか専門用語。やっぱ勉強大事だな。
でも、あーそんな人いたなとか連日ニュースでやってたなとか
おぼろげな記憶を引っ張り出し、
わからないことはネットで調べたりしながら読み進めていて、
今の所順調だが、この調子で明治まで行き着けるかが問題。

◎「戸村飯店青春100連発」瀬尾まいこ
明るめの作品が読みたくて手に取ったのが久々の瀬尾作品。
姉妹育ちの私からすると男同士ってこんな感じ?近くにいながらその距離感は何?
お兄ちゃん切な過ぎるやろ!弟くんわかって!みたいな。
でも全部はわかりあえなくても、いざとなったら兄弟だし親子。

☆「国道沿いでだいじょうぶ100回」岸田奈美
ドラマがおもしろ過ぎて、岸田さんの本も読んでみた。
やっぱりさすがだな。
おもしろいなあとクスクスしてたら、泣けるし、痛いとこつかれるし、
楽しいし、反省することしきりだし、あっという間に読めてお腹いっぱい。
私ももう少しマシに生きたいなあ。

◎「こちら横浜ボートシティ不動産」右手盛賢富
相続に関するお話でややこしかったりもするけど、法的な話もあって勉強にはなる。
けど相続する額が桁違いで私にはあまり参考にはならなかったかな。
でもそれだけでなくそれぞれの思いも大切にしているのが印象的。
続編あれば認知症の場合も知りたい。

◎「変な家」雨穴
間取りを見ただけで推理する栗原さん。
いやいや具体的過ぎるやろ、荒唐無稽過ぎるやろ、これ当たってたら栗原さんこそが恐ろしい!
ということで私は、実際は違いました!っていうその上を行く展開を期待していたけれど、
推理大当たりで、しかも更に荒唐無稽なエピソード連発にちょっと引いてしまった。
そもそも最初この家を購入しようとした人、あの間取り見て変だと思わなかったんかい!
会話形式で余計な描写がないので、誰にも感情移入せず、サクサク読めるので、
謎解き読み物としてはおもしろいかな。
実験的というかアイデアありきというか、妄想がいい感じに爆発してるように見えておもしろいが、
続編読むかと言われたらうーむ。

〇「編集ガール」五十嵐貴久
読み始めて何か違和感あるなと思ったら10年以上前の作品だった。
4分の3くらいまで、5人の主要人物にこれといった動きや成長、見せ場もなく
どうしたもんかと思っていたら編集長がやっと動いてくれたよ!
性格が私に似ている分、頑張りが認められたのは嬉しかったけど遅っ!
それぞれの登場人物にもっと見せ場があったらなあと。もったいない。
結局誰にも愛着が湧かなくて残念。
特に彼氏には何の魅力も感じなかった。最後の選択が意外過ぎて先行きが不安。
雑誌を一から作る過程や大変さを知れたのはよかったかな。


読書メモ(2024.7)

2025-01-27 13:49:03 | 読書メモ
◎「悪い夏」染井為人 audible
「正体」「正義の申し子」の次に聞いてみた。とにかく染井さんの振り幅すごい。
ミステリー?社会派小説ぽい感じかな?と思っていたら、とにかく陰惨な方にしか話が進まず辛い。
でも最後は何か希望や救いがあるはずと信じて読み進めたが、ラストはひたすら暴力、破滅。
生活保護に対する問題提起とかいう次元ではなく、ただただ呆然。
この中では一番まともだと思っていた守の狂わされ具合が半端なくて、理不尽過ぎやしないかと。
だからこそ怖いのかもしれないけど。
そして美空ちゃんがまだ絵は描いてるみたいなので、それだけが救い。

☆「幻夏」太田愛 audible
聞き始めて「犯罪者」の3人が出ていることを知り、得した気分に。
今回は相馬の思い出が発端。
まあいろいろあるけど、国民の人権や生活を守るべき人達が都合の良過ぎる選択で、
ある人間の人生を狂わせ、それでも普通に生きてるのが腹立たしい。
そして、巻き込まれた側は思わぬ選択をせざるを得なくなり、
もがき自滅していく様が痛ましくやるせない。
それにしても二転三転する展開は息つく暇もなく、また驚かされる。
「天上の葦」は本を借りて来たので、今度は耳ではなく目で楽しもう。

◎「書店員は見た!」森田めぐみ
まさに本屋さんで起こる小さなドラマ。
お客さんと距離が近く、運命的な巡り合わせもあったり、本当に?って思っちゃうほど。
やはり作者の人柄に寄る所が大きいんだろうなあ。
ノンストレスでサクサク読めてあったかい気持ちになれて読みたい本がどんどん増えてしまう本!

◎「何者」浅井リョウ audile
浅井リョウ作品はお初。
勝手に気をてらった感じの作風をイメージしていたので、意外と普通なんだなーと最初は。
若い頃ぬるっと過ごしてた私は、 SNSやらインターンやらグルディスやら今時の事情に
この時代じゃなくてよかったーと胸を撫で下ろす。でも一方、変わらないものもあるわけで。
立場によって物の見え方も感じ方も違うし、独りよがりだったり思い込みだったり虚勢もある。
それが思わぬ形で露わになったのにびっくり(私も同罪)
でも何もそこまで詰めんでもーと思ったが。まだ成長途中だもの。
でも最後主人公が不器用ながらも踏み出せたようでよかった。

☆「天上の葦」太田愛
太田愛作品はいくつもの山を超えて行く感じで、
どんだけ彷徨ったら目的地に辿り着けるんかという過酷さがいいんだけど、
今回はそもそもの目的がわかりづらく多少とまどったところも。
戦争の悲惨さ恐ろしさは今までも見聞きしてきたけど、また意外な面からつきつけられてぞっとした。
しかもそれは過去で終わりではなく、今もその危険性に晒されているんだろうなと思うと怖くなる。
今回は槍水の過去も明らかになり、このメンツのお話はひとまず終わりなのかな。また会いたいな。

◎「こころ」夏目漱石 audible
何十年ぶりかに触れてみた漱石の世界。
正直いろいろつっこみたい所もあった。
でも、言葉に言い表せないもやっとした感じや人間の弱さ、ずるさ、不可解さが
自分にも心当たりがあるようで、そんなことあるんかいとは簡単には突き放せない感じ。
なんとも不思議な魅力。

◎「本心」平野啓一郎
設定を読んでSFっぽいのはあんまりなあ、でも平野啓一郎さんだしということで読んでみたら、
あっという間に読了。
あまり未来に希望が持てない現代、小説とはいえ今との地続き感がリアルでちょっと落ち込んだけど。
しかも悩みや苦悩はいつの時代も変わらず。
死者との向き合い方、その後の生き方、他者との距離感など身につまされる部分もあったけれど、
私自身まだ身近な人を亡くしたことがないせいかなかなか実感できず。
いやあえて自分事として捉えるのを避けているのかもしれないな。
いつかまた読み返したら、違う風に感じるのかも。

読書メモ(2024.6)

2025-01-27 13:48:48 | 読書メモ
☆「初恋」島本理生 audible
島本さんの作品はお初。甘い話なのかと思ったら、真逆っぽいので聞いてみた。
一見自分とは縁遠い話のようで、それぞれの立場での距離感の取り方やすれ違い、
嫌悪や恐怖感などふとした部分に僅かではあれど思い当たる節があって参った。
家族に正解はないけど難しい。
声もよく登場人物がイメージしやすかったし、それぞれの描写も丁寧で一気に世界に引き込まれてしまった。
救いのないラストはご勘弁と思っていたので、ひとまず安心した。
最近この手のというか虐待とかのやばい家族の話を読んだり聞いたりすることが多く、
それだけじゃないよね!ということで、今は成瀬を聞いてる。

◎「カーテンコール」加納朋子
つい表面的な部分で判断してしまいがちな自分を反省。
人の数だけ悩みや事情があり、みんなもがいて戦っている。
半年の軟禁生活を経て、完全に立ち直ったわけでも解決したわけでもないけれど、
明らかに変わった学生達の清々しい顔が浮かぶよう。
学生達を温かく見守り、時には踏み込みすぎる角田先生が魅力的。
コミカルな感じもありつつも最後のお話は辛過ぎて。
だからこそ角田先生たちは最後まで学生達のことを見捨てずにいてくれたんだな。
いくつになっても悩みは尽きないが、食事や睡眠、基本的なことを大事にしようと思うおばちゃんである。

☆「成瀬は信じた道をいく」宮島未奈 audible
4月に「天下」を聞いて、待ち望んでいた続編。
そうだったっけ?という自分の記憶力の無さにあきれながらもあっという間。
相変わらずの成瀬節、新たな登場人物続々、それぞれの紆余曲折に一喜一憂。
ラストはなんとなく予想はついたものの、それでもめっちゃ楽しかった
こんなに話題になると映像化の話もあるんだろうなあと思いつつ、
個人的にはあまり見たくないかも。成瀬は成瀬でしかないから。
でもアニメは見ない私だが、ありかもしれん。

☆「成瀬は天下を取りにいく」 audible
そして聞き終わってすぐ成瀬に会いたくなり、また「天下」を聞いてしまった。
こんなの初めて!
我が道を行く成瀬は、私たちが思う「普通」という感覚を持っていない。
それ故、周りから異質な存在として見られているが、
そもそもそ「普通」って何?それって「普通」というより平均?それ必要?
そんなものに惑わされず我が道を行く成瀬はかっこよく、羨ましい。
ところが最終章では、周りのことを意に介さないように見えた成瀬が
動揺したり寂しくなったり反省したりと「普通」の感覚を持ってることに驚き、親近感わく。
成瀬の中でも様々な感情が動き悩んでる。益々成瀬が好きになる。
私は記憶力が悪いのが悩みだが、2度目でも新鮮に楽しめてこれはこれで得か。

◎「本が紡いだ五つの奇跡」森沢明夫
あまり意外性のない素直なお話だと思っていたけれど、最後の奇跡そう来たかと。
みんながいい人で、それぞれの会話が私にはなんだか逆にこっ恥ずかしかった。
「ドグマ」は読んでみたいような読んでみたくないような。
前評判が凄すぎて泣けなかったET思い出す。
「ドグマ」をみんなが一様に前向きに受け入れていたけど、
中にはなかなか受け入れられない人がいてもよかったのかなぁと思ったりして。
本が生まれて届くまでというストーリーは新鮮でよかった。

☆「正義の申し子」染井為人 audible
最初はコイツらヤバい!無理!と不愉快ですらあったのに、
終盤の怒涛過ぎる痛快な展開でいつの間にか愛おしく魅力的な存在に。
そしてラストがよき。
ナレーションもばっちりはまってて、臨場感半端なかったな。
その後が気になるけれど、そっとしておいた方がいいのかも。

☆「東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった」 
日本の借金ってそもそも何?って違和感から経済学んでみるかぁとaudibleで聞いて、なるほどと。
でも数ヶ月後活字で読んだら、すでに忘れてたり理解が深まったり。
でも中身を説明してと言われてもできないので、もう1回読まないといけないかも。

◎「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう
極限状態でいろんなことが露わになっていく。
立場や見方が変わるだけで、被害者にも加害者にも、善にも悪にも、
幸せにも不幸せにもなり得て、とても危うい。
そしてそれは残酷でもあれば、救われることもある。
子供の頃の思い出の呪縛に囚われる静香に対する信士の言葉が印象に残っている。
(これメモっておけばよかった…)
そんな風にはすぐは思えないけれど、
そうやって割り切ることで前に進めるのかもなとちょっと勇気づけられた。

◎「方舟」夕木春央
ラストの種明かしには驚愕。
でもだからと言ってその人も100%助かるという保証もないわけだし、いろいろ後味悪い。
描写も謎解きや推理、状況の方に比重が置かれていて、
それぞれの焦りや動揺、疑心暗鬼などの心理描写が少なく、
その分私には緊迫感とかもあまり感じられなかっのが残念。

☆「犯罪者」太田愛 audible
こんなに長くて大丈夫かと思ったけれど、どこを切っても濃密な金太郎飴。
女性でこの世界観って高村薫を思い出す。
高村薫の陰全開な感じも好きだけど、太田愛の登場人物には陽な部分もあってそれもまたよし。
聞き応えありすぎて「幻夏」も聞き始めたら、登場人物がー!
ナレーションも過度にならない程度に演じ分けもできていて、世界にどっぷり浸れた。
歳のせいか記憶力落ちて来たので、登場人物をメモしながら聞いてたらすごいことになった。
被害者みんな悲惨だけど、ナツは巻き込まれ方が…。身元は分かったのかな。

◎「君のクイズ」小川哲
ゼロ文字押しで正解!の理由さえわかればいいという気持ちで読み進めていたけれど、
クイズとの向き合い方や奥深さに感心し、最後はそれがその人自身の生き方に直結していることに驚き、
その心理にぞっとした。でもそれも生き方の一つ。でも私は主人公の生き方の方が好きかもな。

◎「ある行旅死亡人の物語」武田 惇志 伊藤 亜衣
取材過程の一つ一つが興味深く、ミステリーを読んでいるような感覚。
でも結局謎は残されたままでもやっとするが(帯に騙された感あり(^^;)、そこがまたリアル。
身元がわかり、帰るべき場所が見つかったのが救い。
でも謎は残されたままだし、千津子という女性が魅力的にも感じられるし、それにやっぱりもやっ!とするので、
3億円事件みたいに 誰か創作してくれないかなー。

読書メモ(2024.5)

2025-01-27 12:31:15 | 読書メモ
Xにあげていた読書メモ、自分用に加筆修正しながら月別にまとめてみた。

2024年5月

◎「電話をしてるふり」バイク川崎バイク
最初の作品でやられた(;^;)ショートなのでサクサク読めて、話もいろいろで飽きずに楽しめる。
でも普段短編ってあまり読まないせいか、次から次にいろんな世界が迫ってくるのが若干疲れるかも。
間に他の長編とかで味変したらよかったのかも。おもしろいことは確か。

〇「いつか深い穴に落ちるまで」山野辺太郎
アメトークでおすすめされてたけど、なんか思ってたのと違った(^^;)
非現実的過ぎる設定がどうしても気になってしまう。
ラストは切ないというか、なんとも言えない気持ちになる。どう処理していいかわかんない。

☆「17歳のビオトープ」清水晴木
いくら歳をとっても悩みは尽きず、全然成長せんなぁ私…と思っていたところ、出会った本。
17歳どころか50代でも全然響きます。
人生先生の言葉の投げかけ、そしてスーパーマンばりの登場好きだな。続編出たらいいなあ。

◎「森の家」千早茜
異質というかいびつというか不思議な3人の関係。
思い込みに行き違い、距離感不器用過ぎるやろー。
でもあっぷあっぷしてる3人がだんだん愛おしくなってくる。とりあえず最後よかったぁ。
鬱蒼とした感じや湿度や温度、光も感じられる描写も好き。

◎「人生オークション」原田ひ香
長編だと思ったら中編2本収録されてて、えっ終わり?ってなった。
叔母さんのキャラがいまひとつ掴めなかったのだけど、真実が明らかになるに従って、だからかーってなった。
主人公は大丈夫そうだけど、妹の先行きが心配。
「あめよび」は男性の気持ちもわからんではないが、都合良過ぎるやろとも思う。
二人の問題なのに。いや二人の問題だからこそ。
ラストはもやもやする。それで女性は踏み出せんのかと心配になった。
あれって男性の優しさですか、何ですか。

☆「水たまりで息をする」高瀬隼子
風呂に入らなくなった夫かぁ。(設定がなかなか斬新)
ガミガミ言って病院に連れて行くだろう私とは対極の主人公。
夫婦揃って狂気じゃない?と思いつつもなんだかクセになる感じ。
これって原因とか解決とかを求めちゃいけないやつなんだ…と思いつつ、
最後に何か救いがあればと読み進めたらまさかの結末。へっ?
どう処理していいのかわからん。
まあ、たまにはこういう本もいいかも。

◎「前の家族」青山七恵
ラスト、これが意外な結末?
とにかく主人公の言動が理解できなさ過ぎて、
なんで行っちゃうのーやめてー!という感じでずーっと不穏だし、怖いし。
ブツを取り返すためには法的措置とか取ればいいんだろうけど、
いやそれより問題なのは精神か。大丈夫かな。その後が心配だ。

☆「ふたりのイーダ」松谷みよ子
「すずめの戸締り」見たら読みたくなって引っ張り出してきた。
私が中2の頃に購入してたんだなあ。内容は細かい部分はおいといて意外と覚えてた。
歩く椅子というファンタジーなキャラクターでありながら切実で、
それが広島の原爆という悲惨な事実に繋がるという描き方が今読んでも斬新。
ずーっと大切にしたい一冊。

◎「あすは起業日!」森本萌乃
なんとなく興味のある起業という分野(あくまで興味だけだが)
思っていた以上に込み入っていて大変だ!
しかも石橋をたたいて引き返すタイプの私からすると、やっぱ一にも二にも行動力なんだなと痛感。
起業するまでの紆余曲折がおもしろかったので、実際開業してからの様子も見てみたかったなあ。

◎『銀座「四宝堂」文房具店』上田健次 audible
主人公の硯さんの落ち着いた振る舞いが好きだったんだけど、
途中えっそんな感じの人だったの?と戸惑ったり、お店暇過ぎん?と思ったりもしたけど、
書くことや大切な人との向き合い方を改めて考えさせてくれた。
願わくば文房具の描写がもっと欲しかったかも。

◎「舞台」西加奈子
自意識過剰な感じも最初はわからんでもなかったが、
だんだん加速暴走して行くに従ってついて行けんわ!と。
そしてこのままどこにも辿り着けないまま終わるパターンなんだろうなぁと思っていた。
最後あっけなくはあったけど、とりあえずほっとする結末でよかった…のかどうかはわからんけど。