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読書メモ(2024.12)

2025-01-27 15:15:46 | 読書メモ
◎「鍵のない夢を見る」辻村深月
まさかの短編集だった。
もしかして身近であり得なくもないようなスレスレな感じにぞっとする。
どうにもならない感情や言動。
一番印象に残っているのは誘拐のお話。いろんな意味で怖過ぎる。
それにしてもなぜこのタイトルなんだろう。

☆「存在のすべてを」塩田武士 audible
2児同時誘拐のジリジリとした現場にドキトキし、
美術界の白い巨塔感の理不尽さに憤り、淡い初恋には成就を願い、
束の間だけど濃い家族に永遠を願い、取材の過程なども興味深く。
とにかくふんだんに盛り込まれていてかなりの聞き応え。
ミステリー的要素で言えば思っていたより早く種明かしがあり、
ラストも想定内だった。でもあれで少しは救われた。

☆「護られなかった者たちへ」中山七里 audible
生活保護を題材にした「悪い夏」とはまた違った切り口。
どんな理由があるにせよ殺人は正当化できないし、真面目さは理由にはならないし、
警察が同情?とか違和感というか納得できない部分がいくつかあってもやもやしていたが、
ラストでそうだったのかと。
問題提起はされたけど、だからと言って実際になかなか変わらないのが今の社会で悶々とした感じは残る。
映画のキャストを見たら意外な感じ。あえて原作と変えた部分がどう描かれているのか見てみたい。

◎「百年法」山田宗樹
思ってたのとだいぶ違った。
架空の国家、近未来的設定になかなか馴染めず。(SF苦手)
特殊過ぎる展開はおもしろくはあったけど、気持ちがなかなか入っていかない。
病気になることもなく、死ぬ期限が決まっていて苦しまずに死ねるなんて羨ましいくらいだー
なんて考えているからかな。

☆「きみのお金は誰のため」田内学 audible
お金の本当の役割やお金に対する考え方、向き合い方を物語形式でわかりやすく教えてくれる。
目から鱗ではあるが、実際はなかなか難しくお金に振り回される日常。
理想だけではなかなか解決できない問題もあるわけで、もう少し深掘りしたものも読んでみたい。

◎「赤と青のガウン」彬子女王
皇室というと想像のつかない世界だけれど、
警衛のエピソードがなんとも微笑ましくて好きだった。
留学先では皇族といえども一人の学生として扱われるわけで、
一人悩み苦しみ、周りに助けられ、時にはうるっとしたり笑ってしまったり、
疑似体験させてもらって得した気分。

☆「サファイア」湊かなえ audible
最初永作さんの声色に引き込まれたものの、もしかしてこれ短編集?と実はがっかり。
ところが、どんな状況、人物が出て来ても不穏や不安が拭えないのに
ずぶずぶ引き込まれる湊沼はやはりお見事。
そして色鮮やかに世界を立ち上がらせる永作さんの朗読!
過剰になるギリギリのラインで演じ分け、一人芝居のような臨場感。
特にすずめ女の甲高い声には思わず笑ってしまった。大好きだ。
「正義の申し子」の大久保多聞さんと共にaudible大賞あげたい気分。

◎「婚活マエストロ」宮島未奈 audible
成瀬の印象が強過ぎて期待がでか過ぎたか。
でも湊作品の後だったので気楽に楽しめた。
婚活という未知の世界はなかなか興味深く。
上手く行き過ぎの感は否めないが、本当に大変なのはこれから。
でもいろんな経験をしたから大丈夫か。二人のドタバタ結婚記も見てみたい気も。


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