クロの里山生活

愛犬クロの目を通して描く千葉の里山暮らしの日々

大好きなオネエ様の来訪

2014-04-14 08:46:47 | 日記

拙者の大好きなオネエ様がやってきた。


今日はタケノコほりにやってきたらしい。


 時々東京からやってくるこのオネエ様は、いつもおいしいオヤツを持ってきてくれる。 拙者は、おいしいオヤツをくださるこの優しいオネエ様が大好きである。


 このオネエ様のご主人はレストランの料理人なので、この里山に来ると、拙者のご主人様にいつもオイシイ料理を作ってくれる。従って、ご主人様は、この優しい料理人様が大好きなのである。


 いつぞやは、ご主人様自慢の「シシ鍋」よりはるかにオイシそうなニオイのする「スキヤキ」とかいうものを作ってくれた。その時は拙者はヨダレを垂らしながら、おこぼれを頂戴するのひたすらジッと待ったものだ。 はたして今日は何を作ってくれるのだろうか?


今日のタケノコほりには、オネエ様のテニス仲間であるご友人夫妻も一緒なので、かなり賑やかである。裏の竹薮の方から時々歓声が聞こえる。


 「きゃー、こんな大きなタケノコがあった!」


 「へー、ここにも頭がでているぞ!」


 「おーい、根っこが硬くてほれないぞ!」


そんな歓声を聞きながら、優しい料理人は台所で黙々とそしてセッセと調理にいそしんでいる気配である。


 しかし10数本のタケノコを掘り終わった後、勝手口の方でタケノコの皮をむき始めたオネエ様が突如叫んだ。


 「あー、ビールが飲みたい!」


 そうなのだ、このオネエ様はお酒も大好きなのだ。


 拙者のご主人様は、前日から冷蔵庫に用意しておいた缶ビールをあわてて取り出している気配だ。


 さてさて、いよいよ昼食の時間である。 庭先から居間の卓上に並べられた料理をのぞいてみると、どうやらちらし寿司と天ぷらのようだ。大きな桶に彩り鮮やかに盛られたちらし寿司を囲んでの宴会が始まった。


 台所で優しい料理人が揚げている山野菜の天ぷらを、仲居さんよろしくオネエ様が甲斐甲斐しく次から次と食卓に運んでくる。


里山で取れた新鮮なタケノコやシイタケやゼンマイやヨモギなどのアツアツの天ぷらが次々と運ばれてきて、ご主人様の皿の上に置かれる。


 「あーーーうまい!」


 ご主人様の感極まった恍惚の声が聞こえる。 それはそうであろう、プロの料理人が揚げているアツアツが次から次と運ばれてくるのだる。うまくないはずがない。


しかしそれにしても、 拙者にもおこぼれがまわってくるのだろうか・・・・・。


 

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雑草退治

2014-04-11 09:27:47 | 日記

「草刈だ、草刈だ、クロちゃん草刈だ!」


ご主人様は朝からいつにもなく気合が入っている様子である。どうやら近々に客人の来訪がある気配だ。


 ご主人様が住むこの隠居屋敷はとても広い。なにしろその敷地内には江戸時代に建てられたという長屋門(昔はこの建物の一角に若衆が住み、もう一方に牛小屋や納屋がある)があり、裏手の竹林の先の高台には家主の先祖代々の墓地がある。従って、その敷地はかなりの広さとなるわけであり、雑草が繁茂する面積も尋常ではない。気合を入れなければ、とても始められないのであろう。


 納屋から草刈機を持ち出したご主人様は、「ブーーーン」という威勢のいい音と共に、敷地の雑草を刈り始めた。 まず拙者のテリトリーとなっている前庭からである。


 その前庭は居間(客間)に面しており、日本庭園的風情のある庭であるが、最近ではクローバーやタンポポやその他雑多な雑草がはびこり、この時期になるとそれらが急激に成長しだし、風情を著しく損ねる。


 従って客人が訪ねて来るとなると、風情をとても大事にするご主人様は、気合を入れて雑草退治に取り掛かからねばならないのだ。 最近の地球温暖化の影響で、この里山の雑草繁茂も尋常ではなくなってきたという。


 これから暑い夏に向かって、雑草どもとのご主人様の苦闘の日々が始まる。

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カエルの大合唱

2014-04-10 09:30:00 | 日記

「ゲロゲロゲロ、グワグワグワ」 最近、カエルどもの啼き声がとてもヤカマシイ。


里山で田植えの準備が始まり、田んぼに水が引かれ始めると、山から民族移動してきた奴らは、その田んぼの中で我が物顔で大合唱を始めるのだ。


 それまで山の沢などでひっそりと潜んでいた奴らが、溜めに溜めたエネルギーを一気に発散するかのように、「ゲロゲロ、グワグワ」と不気味な声を出して一斉に啼き始める。 夕方から始まる奴らの大合唱は、なんと深夜まで延々と続くのだ。


あの小さな体のどこにそれほどのパワーがあるのかと驚くのだが、驚いてばかりはいられない、あの騒音とも言うべき大合唱による安眠妨害で、拙者は不眠症になりそうである。


 夜中になると、裏山の竹薮にタケノコ目当てのイノシシが出没するので、拙者はその警戒もしなければいけないのに、カエルどもに安眠を妨げられてはかなわないのだ。


しかし、それにしても、奴らはどうしてあんなに必死に啼き続けるのだろうか?


ここだけの話だが、実は拙者も満月の夜になると、妙に胸騒ぎがするのである。自分でも何故だか分からないのだが、胸の奥の奥の方で、ザワザワとしたものを感じるのである。そしてあの満月に向かって「ウオーーーーー!」と腹の底から叫びたくなる衝動にかられるのだ。何故そうなるのか、自分でも分からない。


 カエルの大合唱も、カエルになっても分からないのかも知れない。


 

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シイタケの話

2014-04-08 10:06:45 | 日記

「今日は楽しい日曜日♪ クロちゃん音頭を踊りましょう♪ クロちゃんのお顔はマックロケ♪」


 朝食後、拙者が庭先で気持ち良く日向ぼっこをしていると、上機嫌なご主人様が歌を唄いながら好物のおやつを持ってやってきた。


 「今日は楽しい月曜日♪ クロちゃん音頭を踊りましょう♪ クロちゃんのお腹(なか)もマックロケ♪」


 裏の竹薮で待望のタケノコが採れたらしい。おまけにシイタケも出てきたという。 このシイタケの出現はご主人様にとっては誠にうれしい出来事である。


1年半前にご主人様がこの屋敷に引っ越してきた時、広い敷地内には様々な木々が枝を伸ばしてうっそうと生い茂っていた。そこで近くの植木屋さんに頼んで余計な木樹の剪定をしてもらたのだが、その時に100本程度の大小の丸太がとれた。それを眺めていた植木屋さんは言った。


 「これでシイタケを作ったらよかっぺ。いいシイタケができるっぺよ」


 植木屋さんは軽トラに70本近い丸太を積んで帰って行き、数日後、シイタケの菌を打ち込んだ丸太を運んできて言った。


「来年の秋にはおいしいシイタケが沢山とれるっぺよ。親戚中に配っても配りきれないっぺよ」


 ニコニコしながら請求書を置いて帰って行った。 疑うことを知らないご主人様は、その言葉を信じて翌年の秋を首を長くして待っていたのだ。 しかし、待てど暮らせど全く出てこない。あきらめかけていた晩秋のある日、一本の丸太に2枚のカサをつけているシイタケを発見した。


「オオ、やっと出てきてくれたか!」と喜んだのだが、出てきたのはその1本だけであった。


 ある時、その話を裏のおばさんにしたら、「2年目の春に出ることもあるっぺよ」と哀れみ顔で言われたものだ。


 そんなシイタケのことなどすっかり忘れて、タケノコ狩に精を出していたご主人様の目に、なんとシイタケの大きなカサが飛び込んできたのである。良く見ると、竹薮の竹に立てかけておいた近くの数本の丸太からも、ニョキニョキとかわいいカサが出ているではないか。 タケノコとシイタケの初物が一緒に取れた、めでたい日となったのである。


 ご主人様が上機嫌になるはずである。これもあの鎮守の杜のよろずの神様の御加護お陰であろうか・・・・。


 「今日は楽しい水曜日♪・・・・・・・・・」


 


 

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鎮守の杜の春祭り

2014-04-06 13:50:14 | 日記

今日は朝から騒がしい。 わが家の脇の道を、村人がゾロゾロと神社への坂道を登って行くのだ。


 「おいクロ、元気か!」 などと拙者のことを呼び捨てにする失礼な輩もいる。 今日は鎮守の杜の春祭りだ。


 桜が咲き、タケノコが出始め、田植えの準備に取り掛かる頃になると、五穀豊穣を願う村人達は神主さんを呼んで祈祷をしてもらう。このお祭りは、秋の収穫感謝祭と並んで、村の大事な行事である。


 ご主人様が住むこの村(地区)には現在約20戸の家(農家)がある。以前は30戸あったらしいから三分の二に減少したことになる。そのほとんどの農家は60歳以上の高齢者によってなんとか維持されているが、この里山には休耕田や放棄農地が目立つ、いわゆる限界集落的里山である。若者の姿を見ることはほとんどない。


 源頼朝伝説が語り継がれるこの自然豊かな里山を、イノシシやサルや鹿などのケモノと共生する「夢の楽園里山」とすることができるかどうか、利口で働き者と世界でも評判のニッポンジンの知恵と技の見せ所である。


桜吹雪の限界集落的里山の鎮守の杜に、よろずの神に祈りを捧げる神主の声が響き渡る。


 

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