羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

アルスラーン戦記 5

2015-05-06 21:00:34 | 日記
矢を射掛けが、矢は全て台座車まで届かない!「馬鹿めッ、この距離で届くか」吐き捨てるボダン。「ほれほれ、もっと射てこい」挑発するボダン。後ろではルシタニア兵二人が代わる代わるにシャプールを殴り続けた。その時、城壁の楼閣の上にフードを被った一人の弓の弾き手が現れた! シャプールは最後に叫んだ。「ウオォォッ!!」楼閣の弾き手は狙いすまし、矢を、放った!!「イヤッハッハッハッ」爆笑するボダン! 高所の楼閣から放たれた矢は弧を描き、風を切り、届かぬはずの台座車へ飛ぶ! ボダンと、殴り続けるルシタニア兵を越え、その矢はシャプールの額に撃ち込まれた!!! 唖然とするボダン。シャプールはエクバターナの城壁を見ながら、一度息を吐き、目を閉じた。「大司祭様御下がり下さい!」ボダンは狼狽え、城壁を見上げた。楼閣の弾き手はフードの下で不敵な笑みを浮かべた。「あの者を連れて参れ」城から見ていたタハミーネ王妃は侍女に命じた。目がいいタハミーネ!
城壁の攻防が始まった! アトロパテネ戦と違いルシタニアはやみくもに突進し、堀に船を渡し、城壁に梯子を掛け、破城槌を撃ち、攻城塔で迫った。パルス軍は城壁から無数に矢を射掛け、投石器で攻城塔を崩した!
楼閣の弾き手はタハミーネと謁見した。「ギーヴと申します。旅の楽士でございます」顔を上げたギーヴに侍女の一人が動揺した。「ルードを弾きます。笛も歌も詩も舞も致します。ついでに申し上げておけば、弓も剣も槍もそこらの兵よりも上手く使います」「弓の腕は見せてもらいました。忠実なシャプールを苦しみから救ってくれた礼を言います」「では殺人の罪は問わぬと仰せで?」とここで先程の侍女が割って入ってきた。「恐れながら申し上げます! 王妃様! その者はとんでもない詐欺師です!!」どうも侍女は自分は王子だと言うギーヴに騙されたらしい。
     6に続く

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