野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

紅葉散策~鳥居観音と東郷公園

2010-11-27 | 公園
 今回は埼玉にある二つの珍スポットに紅葉を訪ねた。一つ目の鳥居観音は飯能市から名栗方面に向かった先にある。HPはこちらにあるが、要は元銀行家が私財を投じて亡母の供養のためにつくった施設らしい。入園料は200円、車で上まで行くと500円と変則、もちろん徒歩で行くことにした。




 紅葉はやや見頃すぎと云うところだろうか







 階段や散策路に積もった落ち葉が何とも晩秋の風情をかきたてる。



 20分ほど登ってきた、この辺のカエデはまだまだ紅葉の真っ最中






 山の高みから見た白雲山鳥居観音の全景



 土地の印象にはそぐわない建物群。中国風なのかインド風なのか、国籍不明の建造物が土地に馴染むことなく建っている。






 一番上の見晴らしの良い所で買ってきたおにぎりを食べ、その後再び紅葉の中を下った。










 何とも変な場所だが、紅葉は見ごたえがある。







 二つ目は鳥居観音からは10kmほど離れた所にある東郷公園だ。こちらも鳥居観音に負けず劣らずの少々アナクロな珍スポットである。無料の駐車場に車を止めたのは午後二時過ぎ頃、休日ともあってたくさんの人が詰めかけている。駐車場そばの木造の建物と紅葉がすばらしい。







 100mほど登った先に入山料寸志100円とあるが、誰も気づかない(ふりをして?)階段を登っていく。勿論私は入れた100円ではないが……。













 杉林も紅葉を引き立てる。











 鳥居観音とは違ってこちらの建物はそれなりに風景に溶け込んでいる








 でもこんなのもある。狛犬に見立てた砲弾と水雷。右の砲弾にはバルチック艦隊とあり、左の水雷には旅順港敷設とある。



 そこから少し階段を登った先には東郷元帥の銅像がこちらを見下ろしている。



 艦船の砲弾跡、他に大砲も陳列されていた。




 アナクロニズムと紅葉は随分とミスマッチだが、二つ楽しめると思えばお得感がないわけでもない。






 鳥居観音とはそんなに離れてはいないのに、こちらの紅葉は丁度この時が盛りだった。









 更に奥に登りつめていくとは奥社へと至る急な参拝道がある。
 

 この日は結構歩いたのでこれ以上は登らないことにした。自然と人間の愚かさについて考えさせられた一日だった。

  

奥多摩むかし道

2010-11-22 | ハイキング
 


  久しぶりに晴れ渡った天気の日、紅葉酣(たけなわ)のむかし道を歩いた。




 奥多摩駅の付近でも木々はそろそろと色づき始めている。



 氷川大橋を渡り、右に日原への分岐を過ぎて100mほど歩くとむかし道の看板と標識が見えてきた。急坂を登った所に羽黒神社がある。


 

 小河内ダム建設時に使われたトロッコ軌道の線路跡が随所にみられる。






 花や水の供えられた路傍の石仏




 檜村橋まできた。燃え立つように見事に黄葉した巨木が見えてきた。



 橋から見た奥多摩の渓谷は錦秋の装いだ。







 集落から見上げたトロッコ軌道跡



 青色がひときわ目立つ境橋



 倒れかかる巨岩が有名な白髭神社



 神社脇の大銀杏からの落ち葉がむかし道に敷き詰められている。







 弁慶の腕ぬき岩






 はっとするような鮮烈な紅葉が見られるようになってきた。



 吊り橋のしだくら橋は、渡れるのは同時に5人までとある。










 むかし道の魅力は、往古より今まで続いてきた杣人の暮らしを偲びながら歩く所にある。










 何かの当番を記した木札




 再び吊り橋を渡った。
 


 橋の先に黄葉を始めたイイギリの巨木が真っ赤な実を付けている。



 少し高度を挙げたせいか、紅葉がいっそう際立って見えるようになってきた。






 赤と黄が美を争っている。










 澄みきった青空の下、様々な色合いの紅葉が勢揃いしている。






 奥多摩湖が近づいてきて、それまでの車の通れる道が細く急な山道へと変わった。時折梢越しに小河内ダムが見える様になってきた。











 奥多摩湖を見下ろす高台で、ザックに忍ばせておいたカップ酒をあけ、吹きすぐ風に体を溶け込ませた。暫く風景の一部と化して高みに座って、鳥の声に聞き入っていた。それからかなり遅めの昼食とした。






 既に落葉の始まった水根の集落を抜けて、バス停のある水と緑のふれあい館に着いたのは午後の3時を回った頃だった。歩き始めてから4時間半、総歩数約15000歩のハイキングだった。

赤城自然園②

2010-11-18 | 植物園
 


<前回からの続き>昆虫館からはカブトムシの森とチョウの原っぱ方面へ向かった。身体を錦秋のモミジ色に染めながら、真っ盛りの紅葉の中を行く。静寂の中落ち葉を踏みしめる音だけが響く。









 ウバユリの種は飛び散っていてもう空っぽだ。




 半分だけ種の落ちたマムシグサの実は何とも愛嬌者だ。



 この辺にはウラシマソウが多かったから、これもその実だろうか




 チョウの原っぱにやってきた。この辺りは日当たりが良いせいか、まだ花が霜に負けずに残っていた。
 ヤマラッキョウの花はお気に入りの花の一つ






 アキチョウジ



 ハバヤマボクチとあった



 カワラナデシコの花も一輪だけ咲いていた



 昆虫広場では落ち葉を集めて、昆虫の生態調査をしているようだ。



 これはアナバチの調査のためのものらしい



 コナラ林をぬけた。









 
 ナナフシ橋を再び渡り、四季の森ゾーンへ入った。







 左に折れアカマツ林に向かう。









 松の緑とツツジの朱色のコントラストが美しい








 森の遊び場、この辺は子供連れの客が多い。広い静かな森の中を自由に歓声を上げながら走り回る子供を見ているのも楽しい。








 

 この後は炭焼き小屋に寄って、前回同様炭を使った匂い消しのお土産を作ってもらった。



お花畑を通って芝生広場へ、一帯はカエデ林となっているが、この辺のカエデはもう枯れ始めている木が多い。










 アジサイやトリカブトの咲き残り






 セゾンガーデンに戻ってきた。シャクナゲの谷にはカエデも多い



 入口まで戻る後少しの間、最後の紅葉を味わう。






 園内の遊歩道を殆ど歩き通して 入口に戻ってきたのは3時間後だった。晩秋の一日を自然の中で伸びやかに味わいながら過ごすことができた。この充実感。入園料1000円では買えない価値が充分にある。休園や廃園することなくいつまでも続いてほしいものだ。
 尚赤城自然園の開園日は金土日月と祝日で、11月までいっぱいとなっている。

赤城自然園

2010-11-17 | 野の花
 暫く休園していた赤城自然園が今年になって開園しているのを知り、出かけてきた。着いたのは9時の開園15分ほど前だったが、快く迎え入れてくれた。



 看板で見ると以前来た時と変わってはいない






 落ち葉の敷き詰められた道を行く。



 入口でもらったパンフレットのマップ。

 赤城自然園は大きく3つのゾーンに分かれている。入口近くのゾーンはセゾンガーデンとなっていて、左に折れるとシャクナゲ園、右にはツツジの丘があり、英国庭園風の造りとなっている


 落ち葉の中に原種シクラメンやマンテマのような花が咲いている。






 カエデとカラマツが黄を争っている。






 さすがにこの時期花は少ないものの、それでも霜降に負けない花もある。ピンクのサルビア、シュウメイギク、アワコガネギク。










 この赤い実はガマズミだろうか



 ひときわ大きなカエデの木があった






 手毬咲きのあじさいの紅葉。葉ではないから紅葉は変だろうか



 セゾンガーデンの東端しばふ広場まで来た。






 足元に咲く花はタツナミソウに似ている







 四季の森ゾーンの北端を抜ける。以前来た時は5月、一帯にはユキザサの花が多かったのを覚えている。真っ赤に熟したユキザサの実



 ゆっくりと一時間半もかけてやっとナナフシ橋まで来た。ここから先が自然生態園となっている。






 カエデも樹種が多いので様々な色合いの紅葉を楽しむことができる。










 まだ葉が残っているガマズミ。赤いルビーのような実が美しい

 

 自然生態園の一帯には低木の広葉樹がおおい。



 危うく踏みそうになった、落ち葉の先にチョウが止まっていた。気温が下がっているせいか、近づいても飛び立とうとはしない。



 野草の原っぱ、カタクリ林を抜け、トンボの池がある昆虫館まで来た。



 池の周りにはアザミが枯れずに残っている。






 ニシキギの紅葉



 昆虫館の建物の脇に落ちていたカラタチの実が丸太に載せられている。


 
 昆虫館を出た時、ドスンというガラスにぶつかる音がした。何かと思って近づいて見ると柱の横にカケスを見つけた。どうやら脳震盪を起こしているようだ。近づいても逃げようとしない。




 少し経って意識が戻ったのか屋根の上に飛び立っていった。
 


 <長くなったので明日へ>

霜降の箱根湿生花園

2010-11-13 | 植物園
 半年ぶりに湿生花園を訪ねた。冬期休園まであと2週間余りという、花の少ない時期に訪ねたのは初めてだった。



 空に雲はなく、寒くはなかったが随分と風の強い日だった。標高600mのこの地にも紅葉は確実に降りてきているようだ。



 まずは残り少なくなった、というか殆ど咲いていない花から。今回は特に晩秋の柔らかい日差しでフォトジェニック風に撮ってみました。

 マツムシソウ、まだ咲いているなんて随分花もちの良い花だ。



 秋の山の花を代表するリンドウ



 ダケカンバにもたれかかるように咲いているのは、これも山に多いリュウノウギク



 ヤマラッキョウもまだ咲き残っていた。




 初見のホソバシュロソウ



 オヤマボクチは咲いているのか、枯れているのか境目の状態



 イソギクの仲間



 アザミ




 枯れ草の間に見つけたトリカブトの仲間



 目についた所で咲いている花はこれで全て。晩秋とはいえ、花の数もめっきり少なくなった。



 草の実や木の実は随分沢山あるのだが、殆どが名前がわからない。
コムラサキの実やタカネバラが分かっただけ









 はじけて空っぽになったこれは何の実だったんだろう。







 終わりを迎えた花や実に比べて、紅葉の始まった葉は様々な色に煌めいていて、今が旬だ。



 







 樹種は知らないが、この朱色に紅葉した葉は何ともいえず美しかった。









 黄葉したカエデ






 ツツジの紅葉







 最後は枯れた花
クサレダマを除いては何の花だったか分からない









 これはヤマブキショウマだろうか



 遠く台ヶ岳のススキが強風に煽られて、波のようにうねっていた。



 この後は湖尻まで2時間余りハイキングしてから帰った。今日も良い一日だった。