野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

本社ヶ丸 紅葉染まる

2012-10-30 | 登山

 

 紅葉を求め、山梨都留市にある本社ヶ丸(ほんじゃがまる)1631mに登ってきた。大体、笹子トンネル付近に位置する山と言ったらわかりやすいだろうか。アクセスが不便な山なので中央高速に乗って都留ICで降り、登山口となる宝鉱山駐車場に車を止めた。

 宝の山ふれあいの里を抜けてゆく。宝鉱山の後を過ぎると針葉樹林帯の本格的な登りが始まった。所々に標識や赤テープが巻かれてあるので道に迷うことはない。

 

 今年最後の、山に咲く花たちが出迎えてくれた。まずはリンドウ、そしてコウヤボウキ。地味ながら味わいのある花たちだ。

 

 

 そしてセンブリとヤマトリカブト、何ともどちらも人間にはなじみ深い、薬と毒だ。

 

 

 針葉樹林帯をジグザグに標高を稼いでいく、やっと一つ目の鉄塔が見えてきた。

 

 梢の間から望めるのは三ツ峠山のアンテナ

 

 次第に木々も赤や黄色に染まり始めてきた。

 

 足元の枯葉の間にはツチグリ

 

 見上げると頭上には錦秋に染まり始めたモミジ

 

 

 落葉松からはさらさらと細い葉が雨のように降り注いでくる

 

 

 

 落葉松と広葉樹の入り混じっている一帯

 

 

 登ること2時間不意に明るい稜線に出た。吹きすぐ風が汗を拭きとってくれる。

 

 

 登山の醍醐味はこんななだらかな稜線歩きに尽きる、と思っているのは私だけだろうか。

 

 

 キノコで幹をびっしりと蔽われた樹

 

 木々の葉も原色に近い色合いになってきた

 

 

 

 

 何ともため息の出るような紅葉だ

 

 

 そして黄葉

 

 

 

 見上げる私の心まで真っ赤に、そして黄金色に染め上げられていく

 

同行する人もなく、出会う人もない、静かな稜線の道の上をひっそりと風が通り抜けていく。

 

 

 やっときつい登りは終わったようだ。周囲の木々は葉を落とし、視界が開けて明るくなってきた。

 

 やっと頂上だ

 

 ずいぶんと狭い頂上だが、現在いるのは私だけ。11時少し前で早いが、昼と決めた。比較的平らな岩に腰を下ろし、持ってきたお握りを頬張る。おかずは360度見渡せる大展望だ。北側には大菩薩や奥多摩の峰々、わずかに雲やガスががかかっている。

 

 

西には南アルプスの雄峰が雲の上から白い峰々をのぞかせている。

 

 そして南側には三つ峠山の右手に配し冠雪した富士山が見える。

 

 

 久しぶりだ、こんなに機嫌のよい、奥ゆかしい富士山は。

 

 計画ではこの先清八山、茶臼山、御巣鷹山と回って三つ峠山まで登り、千段の滝を下山する予定だったのだが、左足が攣りそうになってしまったので断念。

短縮ルートに変更、唐傘岩から宝鉱山へと下ることにした。行き返りとも一人の登山者に出会うことのない静かな山行きだった。

 

 下山時に通り過ぎた唐傘岩

 

 この辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


深大寺植物園ー薔薇とダリア

2012-10-26 | 探鳥

  バラが見ごろの深大寺植物園を訪ねた。開園すぐだったのにもかかわらず、大勢の人でにぎわっていた。

 

  ブルーリバー

 

 カリーナ

 

 乾杯は日本で作出されたバラ

 

 シカゴピース

 

 錦絵

 

 言わずと知れたバラの王ピース

 

 燃えるような深紅のバラ、グラデーションが美しい“聖火”

 

 

 フランスメイアン社ゆかりのパパメイアン

 

 うっすらと青みを帯びたブルーバリュー

 

 ゴールドクローネ

 

 シューベルトやヘンデル、ビバルディーなど音楽家の名を冠したバラはいくつかありますが、これはチャイコフスキー

 

 ケネディーやドゴールなど同じく政治家の名を冠した“ミスターリンカーン”

 

  小悪魔といった風情のアリゾナ

 

  デステニーは運命という意味。紅白の縁取りが美しい

 

 

 インターフローラ

 

 アナベル。同名のアジサイは純白の花なのだが……。こちらはオレンジ色の落ち着いたたたずまいのバラだ

 

 ジャニナ

 

 サムライは凛とした咲き姿をしている

 

 あの名画の名をつけられたモナリザとふくよかな美しさは共通している。

 

 コロラマ

 

 ついでにダリア園にも寄ってきた。ダリアはキク科ダリア属の多年生草本。バラには薔薇、アジサイは紫陽花と漢字があるがダリアにはない。しいて言えば花の形がボタンに似ていることからつけられた天竺牡丹ぐらいか。

 

 絞り咲き

 

 

 

 

 

 夏から秋にかけて咲き、大きな花と多彩な花色と咲き方の多様さがダリアの特徴。

 

 

 

 鳥の巣のような咲き方をした花もあった

 

 バラよりも色咲き方ともに多彩なのだが、香りがないのが少し残念。 この辺で。

 

 


生田緑地バラ園

2012-10-23 | 植物園

 今年も秋バラに会いに生田緑地バラ園を訪ねた。

 ピースは世界バラ会連合の初代殿堂入りを果たしたバラ。その名は1945年のベルリン陥落から銘されたという。別名マダムアントワーヌメイアン。直径15cmの超巨大輪でクリームイエローにピンクがのった覆輪のバラ。

 

 ボニカ ’82。フランス、パステルピンクのさわやかな花色のバラで2003年殿堂入りした。

 

 

 

 イングリッシュローズのスキャボロフェア。そういえばサイモンとガーファンクルに同名の歌があった。

 

 

 スタリナはフランスメイアン社作出のミニバラ、香りもよい。

 

 ローザムンデはオーストリアの作曲家フランツ・シューベルト Franz Schubert の楽曲「ロザムンデ」から命名されたバラ。

 

 マーガレット マグレディーは戦前からの名花でピースの交配に使われた花としても有名。

 

  これも1994年に殿堂入りしたバラ、ジャストジョーイ。イギリスカント農場で1972年に作られた。直径15cm超級のゴージャスな花が特徴で、1994年に8番目の殿堂入り品種として選出された。

 

 

 フランスメイアン社のアンティーク タイプの四季咲き大輪 のバラ。

 

 

 ディズニーランドローズ。この品種はアメリカディズニーランドリゾートの担当者とバラ育種会社であるジャクソン&パーキンス社がディズニーランドのイメージから選抜したバラ。

 

 

 

 1988年に日本で作出された黒真珠。ビロードのような光沢のある深い色を持つ黒バラ。

 

 クッパーケーニガン。作出: ドイツ 、コルデス、1996 年 花色: 深みのある黄色 が素晴らしい、花名は「銅色の女王」という意味だそうだ。

 

 ダブルデライト(二重の喜び)という名の通り、花色も香りも素晴らしい名花。1977年にアメリカで作出された。1985年殿堂入りした。

 

 タンジェリーナ。イギリスで2004年に作出された比較的新しいバラ。オレンジピンクの花色が美しいのだが。これは枯れ始めて少し退色している。

 

 ドリス・タイスターマン、イギリス1975年。

 

 182年にドイツで作出された ウィミー。

 

 ピーターフランケンフルトは1966年ドイツ。穏やかな芳香をもつ四季咲きのバラ。

 

 往年の名女優の名を冠したカトリーヌドヌーブ はフランスメイアン社の作。

 

 

 かの有名なピースの枝替わり品種、シカゴピース。黄色が主体のピースと葉花色が異なる。

 

 1979年にドイツで作出されたレディローズ。

 

 1978年加茂バラ園で作られた加茂。白桃色が何とも美しい。

 

 

 ゴールデンフラッシュはオランダで2005年に発表された鮮やかな黄色が特徴の品種。

 

スターザンストライプスは1975年にアメリカで作出されたミニチュアローズ。アメリカ独立200周年を記念して作られたバラで、星条旗をイメージしたものだとか。

 

 ファーストラブ、アメリカ1951年。

 

 スタリナ、1965年フランスメイアン社。

 

 ドイツで1982年に作出されたウィミー。大輪四季咲きのハイブリッドティー。

 

ホームガーデン 20011年にドイツで作出。ロゼット咲きでたくさんの花を咲かす。

 

 

 

  ジプシーボーイという品種のバラの実。

 

 なお今年の秋バラの開園は11月4日まで。


燧ケ岳を登る

2012-10-17 | 探鳥

<前回からの続き>

 その晩は下田代の弥四郎小屋に泊まった。一泊2食で均一料金8500円のはずが、福島の災害復興補助金がついて2000円安くなっていたのは望外の喜びだった。

白い窓枠がレトロな雰囲気の弥四郎小屋

 

 部屋からの尾瀬ヶ原。正面は至仏山。

 

少し休んでから黄昏まぢかの木道を歩いた。振り返った正面が下田代。尾瀬小屋、第2長蔵小屋、原の小屋など山小屋がいくつか固まっている。後ろの山は燧ケ岳。

 

 

 この日の消灯は9時。闇の中の尾瀬ヶ原は寂として音もなく、いち早い寒さで秋の虫たちはとうに死に絶えたのだろうか、時折山の向こうで静かに雷鳴が光るだけだった。

 翌朝は5時前起床、夕べの雨はそれほど大したことはなかったようだ。準備を終えてからパック詰めしてもらった朝食を部屋で頂く。5時半になった。思ったより外は明るい。この分では懐中電灯の出番はなさそうだ。

 6時少し前には小屋を出ることができた。

 

尾瀬沼方面への分岐を過ぎると、山道というより沢筋の道を登っていくことになる。だんだんと周囲が明るくなってきた。

 

 たくさんのキノコが生えている。が、名前も食用かどうかも分からない。

 

 

 

 

 どれもこれもが美味しそうなのだが……。一時間ほども登っただろうか、視界が開け草紅葉の尾瀬ヶ原が見えてきた。

 

 さらに登って2000mを超えたあたりから、ゴゼンタチバナやシラタマノキが多くなってきた。

 

 

 それまでは時折あった日差しがガスに遮られ、風が冷たくなってきた。

 

 

 やっと稜線に出られたようだ。視界はあまりきかない。

 

シャクナゲやリンドウ

 

 

  コケモモやガンコウランの実

 

やっと燧ケ岳の頂上の一つ、柴安(ぐら)2356mについた。ほぼ3時間の登りだった。標識に載せてあるのは赤い手袋。

 

 いったん降りて再びもう一つの頂、俎(まないたぐら)へ上る。

 

 

 

 ガスで展望はきかないのでミノブチ岳は断念。風も強いので小休止ののち御池方面へ下山。

 

 

 北側の斜面に出るとなお一層風が強くなってきた。葉や枝先が凍っている・

 

 

 

 枝に絡みついた蜘蛛の巣のような氷

 

1時間下って熊沢田代

 

 タケシマランの赤い実

 

 

 

 

 ここはずいぶん高低差のある湿原だ。

 

 200mほど先はガスの向こうに消えている。

 

 

 ハート型の池塘

 

 振り返ると

 

 

 さらに30分下って広沢田代、ここはずいぶん大きな湿原だった。

 

 

林道が見える

 

下りは2時間と少しで御池にたどり着いた。一寸ペースが速かったせいか、左足が攣りそうになってしまった。

 

 予定より1時間以上も早く着いたので、御池ロッジの日帰り入浴(500円)でバス時間を待つことにした。会津高原駅まで1時間50分のバスは寝入ってしまったせいかずいぶん短く感じられた。

この辺で。

 

 


尾瀬秋色

2012-10-14 | ハイキング

 

 10月中旬、間もなくシーズンを終えようとする尾瀬を訪ねた。鳩待峠に降り立ったのは11時半過ぎ。天気は予報が良い方に外れ、夏を思わせる陽気だった。

人の少ない鳩待峠

 

 さっそく山の鼻へ向かう。山道の両側を色づき始めた木々が迎えてくれる。

 

 小至仏山のあたり

 

 

 錦秋の木漏れ日は目も眩むほど美しい

 

 

 一時間足らずで山の鼻へ到着。ここだけはこのシーズンでも大勢の人が憩っている。

 

少し先に行った閑静な尾瀬ロッジのベンチを借りて昼食。

 

 賑やかな中学生の遠足の一団をやり過ごしてから、そっと尾瀬ケ原へ歩みいる。

 

 季節外れのリュウキンカが咲いていた。

 

 ウメモドキに似た赤い実

 

 枯れてなお凛として……やがて土に還る

 

 暑かった夏のせいか周囲の山々は緑を落とし切れず紅葉はもう少しといったところ

 

 

 澄み切った青い空の下、草紅葉の中をゆっくりと歩く。時間に余裕があるせいか、ゆったりと景色を体の中に取り込むことができる。

 

 一人ぼっちのマガモ

 

 さざ波が立ち、暫く待ったが逆さ燧は見られず

 

 水面を白い雲が滑るように流れていく

 

  マガモの番いは近くによっても怖じ気なかった

 

 逆光に浮かぶ至仏山

 

 

 どこまでも続く木道。牛首の分岐を過ぎるとだんだんと人気が少なくなってきた。

 

 

水のほとりに白い樹肌の木が一本立っている。まるで日光小田代ヶ原の貴婦人のようだ。

 

 東電小屋のあたりをヘリコプターが頻りに飛んでいる。

 

 池塘の水草はすっかり紅葉している。

 

 まだ紫色を残したリンドウ

 

 木道脇に設けられたクマよけの鈴。私も控えめにだが一つ鳴らした。

 

 

 

 

 ちょっとだけ逆さ燧

 

浮島も紅葉

 

 

ワレモコウ

 

 工事中の東電小屋

 

 小屋を過ぎたあたりは尾瀬ヶ原の拠水林。色とりどりに染まり始めている。

 

 トリカブトの花

 

只見川

 

 

 

 橋を渡って下田代へ

 

 どうやら先ほどのヘリコプターは木道整備のため、木材を運んでいたようだ。

 

 ぐっと近くなった燧ケ岳

 

 

 鳩待峠から3時間半、やっと今夜のねぐら弥四郎小屋が見えてきた。

 

この辺で。