タカネシオガマとホソバヒナウスユキソウの豪華なツーショット
7月1日は至仏登山の解禁日。山の鼻から登り始めたのは8時少し前。やや遅い時間だが、それでも山開きの日とあって登山者は結構多かった。
登山道入り口、看板には登り専用と書いてある。
残雪の残るこの山では春を知らせる花タムシバも今頃咲く
出会いを期待していたクモイイカリソウ
赤紫色の縁取りをした葉が豪雪地帯に生きる厳しさを物語っている。
ミヤマダイモンジソウは繊細な花だ。
30分ほど登ったら森林限界地点を過ぎた。振り返ると尾瀬ヶ原が眼下に広がる。
やっと頂を見せた燧ケ岳
一時間登ってきた。マルバヘビノボラズに出会えた。面白い名前は葉や枝にある棘からつけられた。名前と異なり、枝先に咲く黄色い花は可愛らしい。
随分と登ってきた。辺りにもう背の高い木はなくなった。真っ赤なハイマツの新芽が目を奪う。
岩の割れ目から顔を覗かせているのはユキワリソウ
ピンク色をしたハート形の花弁が可愛らしい。
オゼヌマタイゲキ、オゼコウホネに続いて尾瀬の名のついた3番目の花に出会えた。ユリ科のオゼソウ、これも蛇紋岩残存植物の一つ。
花は地味なので知らない人は目もくれず素通りしていく。足元に咲いているのがオゼソウですと言いたくなるのだが。おせっかいと思われるのも癪なので言わない。
草丈は10~20cmほど、黄緑色の可愛らしい花をたくさんつける。
キバナノコマノツメは名前にスミレのつかない数少ないスミレ。ここに咲くのは正確にはジョウエツキバナノコマノツメといって、葉が少し厚く毛がほとんどないのが特徴らしい。
チングルマの群生。尾瀬沼や尾瀬ヶ原ではすでに花を終えていたが、2000m近くのこの辺では花がちょうど見ごろを迎えていた。
ハクサンイチゲも鉱山ではよく見かける花。
特徴となっている白い花びらは実は萼片。
頂上直下の高天ヶ原まで登ってきた。ここは高山植物のお花畑で有名なところだが、残雪の見られるこの時期はまだ花の数は少ない。
特徴のあるデッドツリー。怪獣が頭を抱えているように見えるのは私だけか……。
やっと待望のホソバヒナウスユキソウに出会えた。
エーデルワイスで知られるウスユキソウ属は世界で30種。ホソバヒナウスユキソウはここ至仏山と谷川岳でしか見られない。
まだ花をつけていたショウジョウバカマ
足元をカエルが逃げて行った。カエルの種類までは残念ながら分からない。
ミツバオウレンとバイカオウレン
紅いのはコケモモの若芽だろうか
こちらはバイカオウレン
ジョウシュウアズマギク
まもなく頂上、登ってきたばかりの高天ヶ原を見下ろした
ほぼ2時間の登りでやっと頂上。頂上には10人ぐらいの登山者がいる。若い人が多いのはメジャーな尾瀬の山の特徴なのか。
大して疲れてもいないので5分ほどで休憩し、小至仏山方面へ下る。その際下りで危うく道を間違えそうになった。標識がないので見晴のきかない時には注意が必要のようだ。もっとも山の鼻からの道は登り専用なので、そこを下ると登ってきた登山者に非難がましい注意を受けるので、すぐ間違いには気づかせられるのだが……。
至仏山と小至仏山の間は大岩のごろごろする稜線歩き。
白い花はイワハタザオだ。
その墓稜線にでよく見られた花はキバナノコマノツメとユキワリソウ。
小至仏山の頂上
ミヤマキンバイ
雪渓を下る。傾斜は大してなく、短いのでアイゼンは不要。
向こうに見えるのは笠ヶ岳。
初めの計画では笠が岳から湯の小屋に下る予定だった。
ミネザクラ
少し下ったオヤマ沢田代ではヒメイチゲにも会えた。
下山するにつれ天気も次第に良くなり、 燧ケ岳が全容を見せた。
咲き残っていたシラネアオイ
標高を下げるにつれてユキザサやマイヅルソウ、ツクバネソウなどが足元にみられるようになってきた。
オヤマ沢田代からは小一時間で鳩待峠に到着。午後からは雨の予報だったが、嬉しいことに外れ予定より一時間以上早くぴーかんの鳩待峠に着くことが出来た。
いつもそうなのだが、今回も充実した山行だった。感謝。
この辺で。